Round 5
鈴鹿サーキット
鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝
2019年7月28日(日)
#33 Red Bull Hondaが3位、
#1 F.C.C. TSR Honda Franceは4位フィニッシュ
真夏の祭典『鈴鹿8時間耐久ロードレース』(以下、鈴鹿8耐)の決勝日を迎えました。計時予戦の上位10台が参加するトップ10トライアルが悪天候のため中止となり、25日に行われた計時予選の順位がグリッドに適応されました。
#33 Red Bull Honda(高橋巧、清成龍一、ステファン・ブラドル)が3番グリッド、#634 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda(チャビ・フォレス、ドミニク・エガーター、水野涼)が4番グリッド、#1 F.C.C. TSR Honda France(ジョシュ・フック、フレディ・フォレイ、マイク・ディ・メリオ)が7番グリッドに着きます。
さらに、8番グリッドに#090 au・テルル SAG RT(秋吉耕佑、長島哲太、羽田太河)、10番グリッドに#19 KYB MORIWAKI RACING(高橋裕紀、小山知良、トロイ・ハーフォス)、12番グリッドに#25 Honda Suzuka Racing Team(亀井雄大、日浦大治朗、田所隼)、19番グリッドに#22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWA(ザクワン・ザイディ、アンディ・イズディハール、名越哲平)、20番グリッドに#44 Team ATJ with 日本郵便(関口太郎、岩田悟、國峰啄磨)、21番グリッドに#111 Honda Endurance Racing(ランディ・ドゥ・プニエ、ヨニー・ヘルナンデス、セバスティアン・ジンバート)、23番グリッドに#72 Honda Dream RT 桜井ホンダ(濱原颯道、伊藤真一、作本輝介)が入り、決勝に挑みます。
#634 MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaは計時予選で受けたペナルティーにより、90秒遅れてピットレーン出口からのスタートとなります。
決勝日は晴れ、朝から30度まで気温が上昇しました。午前8時30分から9時15分までフリー走行が行われ、#22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWAのイズディハールは予選で転倒した際の小指のケガの状態を確かめました。玉田誠監督は「基本はザイディと名越で、イズディハールは控えとして作戦を考える」と語りました。
逆転で世界耐久選手権(EWC)のチャンピオンを目指す#1 F.C.C. TSR Honda Franceの藤井正和総監督は「220周の新記録を狙う」と語り、5年ぶりの勝利を狙う#33 Red Bull Hondaの宇川徹監督は「220周以上を目指す」と目標を設定し戦いに挑みます。
気温32度、路面温度は47度となり決勝がスタート。ウォームアップランのS字で#090 au・テルル SAG RTの長島が転倒。ペナルティーエリアには#634 MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaの水野が控えます。シグナルグリーンで飛び出したトミー・ブライドウェル(スズキ)がホールショットを奪い、90秒後に水野がコースイン。
1周終えてトップに浮上したのは#1 F.C.C. TSR Honda Franceのフックで、シルバン・ギュントーリ(スズキ)が続きます。3ラップ目にはギュントーリが首位に立ち、2番手争いはフック、中須賀(ヤマハ)、ハスラム(カワサキ)、#33 Red Bull Hondaの高橋巧の4台が繰り広げます。
10ラップ目には2番手争いの4台がギュントーリに追いつき5台のトップ争いに。12ラップ目には200Rでの転倒車回収のためにセーフティカーが入ります。13分間のセーフティカー中に長島もピットアウトします。
レースはギュントーリ、中須賀、フック、高橋巧、ハスラム、カネパ(ヤマハ)、ブライドウェル、高橋裕紀、岩田のオーダーで17ラップ目にリスタート。
19ラップ目で岩田が8番手に浮上。長島は21ラップ目のシケインで2度目の転倒をしてしまいます。水野は17番手まで浮上します。25ラップ目のオーダーは首位からギュントーリ、中須賀、ハスラム、フック、高橋巧。
さらに、7番手に岩田、9番手に高橋裕紀、12番手に亀井(#25 Honda Suzuka Racing Team)、13番手にザイディ(#22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWA)、14番手に水野が入ります。
27ラップ目には2コーナーで中須賀が首位に出て、ギュントーリを追いやるスパートをみせます。そのあいだに高橋巧は3番手に浮上。28ラップ目の逆バンクで高橋巧が2番手に浮上し、トップの中須賀を追います。
30ラップ目には高橋巧が首位に立ち33ラップまで走行。その燃費のよさでどこよりも長く周回し、最初のピットインを行うとブラドルにバトンを渡します。34ラップ目にブラドルが首位に立ち、2番手のアレックス・ローズ(ヤマハ)に1秒9の差をつけます。
42ラップ目にはローズが前に出て、ブラドルは2番手に。3番手にはレイ(カワサキ)、4番手にはディ・メリオが入ります。小山が8番手、関口が10番手を走行し、11番手にはエガーターが浮上します。日浦が13番手に入り、ドゥ・プニエが14番手までばん回します。名越が15番手に入り、伊藤が17番手まで浮上します。
スタートから2時間が経過し、オーダーはローズ、ブラドル、レイ、ディ・メリオの順。7番手にはエガーターが浮上し、小山、関口、日浦までがトップ10。ドゥ・プニエが13番手、名越が14番手、伊藤が15番手で続きました。
2時間が過ぎ、路面温度は52度に上昇。57ラップ目にはローズ、ブラドル、レイでトップ争いが繰り広げられます。ローズがピットインすると、首位にはレイが立ち、ブラドルが続きます。マイケル・ファン・デル・マーク(ヤマハ)は3番手でコースインし、4番手にはフォレイが続きます。
64ラップ目にブラドルがピットインし高橋巧に交代します。65ラップ目に高橋巧が首位のハスラムを捉えて首位に浮上し、65ラップ目には高橋巧が2分7秒246のファステストラップを記録してレースをリードします。85ラップ目、ファン・デル・マークとハスラムが同時にピットイン。それぞれ中須賀、レイへと交代します。
世界耐久選手権(EWC)でランキングトップのニゴン(カワサキ)が86ラップ目のムサシシケインで転倒。17番手でコースに復帰します。現在EWCラインキング3位のF.C.C. TSR Honda Franceは4番手。ランキング2位のスズキが9番手を走行しています。
首位高橋巧は変わらず、2番手にはレイが浮上。3番手に中須賀、4番手にフック、5番手にギュントーリと続きます。91ラップ目には高橋巧がピットイン。ブラドルに交代して、トップでコースに出ます。
95ラップ目、首位のブラドルから4秒499差でレイ、中須賀が続き、3台によるトップ争いになります。ブラドルは2分9秒台ですが、レイと中須賀は2分7秒台の周回で、一気のその差を詰めて行きます。
97ラップ目、ブラドルも2分8秒台にタイムアップし、その差は2秒792。99ラップ目には0.918、そして100ラップ目の周回遅れが絡んだムサシシケインで、レイがトップに浮上します。さらに中須賀にも抜かれたブラドルは3番手となり、中須賀の背後につけます。
スタートから4時間が経過。109ラップを周回し、トップにレイ、2番手に中須賀、3番手にブラドル、4番手にフックが入っています。さらに7番手には水野、9番手には高橋裕紀、10番手には日浦、12番手には名越、13番手には岩田、14番手には濱原、16番手にはドゥ・プニエが入っています。
#33 Red Bull Hondaは119ラップ目にブラドルから高橋巧へと交代。120ラップ目の首位はハスラムで、2番手にローズが入ります。高橋巧は3番手につけますが、2番手ローズとの差は3.376秒、トップとの差は7.455秒で、ばん回に挑みます。
ローズと高橋巧は2分7秒台にタイムアップしてハスラムへと迫り始めます。123ラップ目、高橋巧は2分7秒267でローズに迫り、差を0.944秒とします。126ラップ目、高橋巧はローズに0.182秒で背後につけ、僅差で周回を重ねます。
129ラップ目の130Rで高橋巧はローズを捉え2番手に浮上。次のターゲットをハスラムへと移します。130ラップ目、その差は4.282秒。ハスラムは2分8秒台で走り、高橋巧は2分7秒台へとタイムアップします。背後にはローズが走り、ローズも2分7秒台へとタイムを上げます。
その差は0.538秒。136ラップ目にはその差を0.350秒と縮めてハスラムの背後に迫ります。さらにローズも高橋巧の背後に迫り、3台のトップ争いが繰り広げられます。
139ラップ目、周回遅れが絡むS字で高橋巧は首位に出ると、ローズもハスラムを捉え、高橋巧、アレックス、ハスラムとオーダーが変化。
143ラップ目、依然として首位は高橋巧。2番手はレイ、3番手はファン・デル・マークにライダー交代して高橋巧を追います。148ラップ目にRed Bull Hondaは高橋巧からブラドルに交代。アウトラップでレイ、ファン・デル・マークにパスされて3番手となります。
7番手を走行するフォレス(#634 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)がデグナーでコースアウトしますが、ポジションは変わらずにコース復帰します。12番手を走行する作本(#72 Honda Dream RT 桜井ホンダ)が2分9秒台を記録し、11番手に浮上して注目を集めます。
6時間が過ぎた163ラップ目、首位はレイ、2番手はファン・デル・マーク、3番手はブラドル、4番手はフォレイ。さらに、フォレスが7番手、ハーフォスが9番手、作本が11番手、名越が12番手、日浦が13番手、ヘルナンデスが16番手で周回を重ねます。
首位を走るレイがライダー交代のためにピットイン。変わってトップに立ったファン・デル・マークを、#33 Red Bull Hondaのブラドルが168ラップ目にシケインでかわして首位に立ちます。ブラドルは首位を守り、周回を重ねます。
2番手にハスラム、3番手中須賀は2分7秒台で追い上げます。ブラドルから高橋巧にライダー交代の間に、首位はハスラム、高橋巧が2番手で戻り、3番手中須賀が続きます。185ラップ目。高橋巧は首位のハスラムに約3秒差と迫ります。
ハスラムが2分9秒台、高橋巧は2分8秒台だったため、1周につき約1秒、その差を削っていきます。188ラップ目には、0.570秒差まで詰めます。高橋巧は2分7秒台にタイムアップして、ハスラムを追い詰めます。190ラップ目のS字で高橋巧がトップに躍り出ます。
カワサキのピットインもあり、高橋巧はトップを独走します。2番手中須賀には13.081秒もの差を築きます。Red Bull Hondaはあと1回ピットインを残していたため、この首位は安泰ではありませんでした。
レイは2分6秒911とファステストラップを更新して、猛烈に追い上げます。197ラップ目に高橋巧がピットイン、続いて中須賀もピットイン。Red Bull Hondaのピットではブラドルが待機していましたが、高橋巧はタイヤ交換、給油を済ませ、連続走行へと向かい、トップのままコースインします。
198ラップ目、高橋巧、2番手レイとの差は約2秒939、3番手には単独走行のローズ。勝負は高橋巧とレイとの一騎打ちとなり、お互いにセクタータイムでは自己ベストを更新し、199ラップ目には高橋巧2分7秒413、レイが2分7秒375を記録します。
200ラップ目、レイが2分6秒805のタイムで高橋巧に約1秒差まで迫ります。202ラップ目、レイが1コーナーで首位を奪います。高橋巧は2番手となります。
203ラップ過ぎ、オイルフラッグが出て、コース上の落下物を踏んで火花を散らした転倒車が、トップ走行中のレイの脇をすり抜けます。レイ、高橋巧も回避して周回を重ねました。
19時過ぎ、スプーンカーブで雨が落ち始めます。レイは首位を走り、高橋巧は2番手で周回、3番手にはローズ。各ピットにはレインタイヤが用意されますが、メインストレートでは雨の気配はありません。
207ラップ目、ローズが2分9秒台にタイムアップして追い上げます。208ラップ目、レイは2分15秒台、2番手高橋巧は2分14秒台のなか、ローズは2分10秒台で追い上げます。
ローズとトップのレイとの差は23秒と大きく、逆転は難しい状況でしたが、周回を重ね2番手高橋巧には約3秒と迫ります。スプーンカーブからレッドクロスが撤去されます。211ラップ目に、ローズは高橋巧を抜き2番手に浮上、高橋巧は3番手となります。
東コースでも雨が落ち始めます。残り12分、首位はレイ、2番手ローズ、3番手高橋巧と順位は変わりません。残り6分、#2 Suzuki Endurance Racing Teamが白煙を吹いてマシンストップ。EWCチャンピオンを目前にリタイア。マシンを押してピットに向かいます。
レイは217ラップをクリアして、残り時間からして最終ラップに突入します。レイがS字でオイルに乗り転倒し、その瞬間赤旗が出て、レース終了。
雨のなかをライダーたちは、ピットへと戻っていきます。最終的に優勝は#10 Kawasaki Racing Team、2位はYAMAHA FACTORY RACING TEAMとなり、#33 Red Bull Hondaは3位、EWCの逆転タイトルを目指した#1 F.C.C. TSR Honda Franceが4位。
#634 MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaは、最後尾から7位まで追い上げました。#19 KYB MORIWAKI RACINGは9位。#72 Honda Dream RT 桜井ホンダが10位に浮上してチェッカーとなり、Honda勢がトップ10に5チーム入る結果となりました。
決勝レース前のセレモニーでは、元ロードレース世界選手権ライダーの青木拓磨氏がデモ走行を行いました。青木氏は1998年に事故で下半身不随となりましたが、その後もレース活動を継続、チームの助監督やアドバイザーとして活躍。
現在は、グロムやモンキーを用いたレンタルバイクによる耐久レース『Let's レン耐』を主催し、参加型レースカテゴリーを盛り上げ、モータースポーツの普及に尽力されています。22年ぶりの鈴鹿サーキットでの走行となった今回は、ハンドシフト装置を備えたHonda CBR1000RRを使用して行われました。
■コメント
高橋巧 #33 Red Bull Honda(3位)
「今年の8耐はなかなかいいペースで走れたと思っています。最後のスティントはこれまでこんなに攻めて走ったことはない、と言えるくらい頑張りました。僕のなかではこれ以上はないつもりで走りましたが、結果として負けてしまったので、またどうしたら次に勝てるかを考えないといけないです」
「ステファンはいきなり2人で乗ることになっても、諦めず頑張ってくれたし、清成さんも最後まで走れるように努力をしてくれました。表彰台に上がりましたが、まったく満足していません。でも力を尽くした結果なので受け止めるしかないです。次は頑張ります」
ステファン・ブラドル #33 Red Bull Honda(3位)
「初参戦の8耐でしたから、いろいろ新鮮な体験をすることができました。このスペシャルなレースに出られて本当に嬉しく思っています。また、走りながらも分かるくらいファンからの応援をもらいました。素晴らしく、力強い支えになりました」
「タクミ(高橋巧)とキヨ(清成龍一)、そしてHRCにはとても感謝をしています。ふたりのライダーには足りないところを助けてもらいました。この決勝レースまでの日々は、僕にとってチャレンジングな週末でしたが、よく頑張ったと自分では思います」
「タクミが最後にやったダブルスティントはとてもすごいことです。素晴らしい走りを見せてくれました。8耐で勝つのは簡単ではないですが、難しいからこそ好きになりました。今は、また来年も走りたいという気持ちです」
清成龍一 #33 Red Bull Honda(3位)
「僕はレースを走っていません。予選もあまり走っていません。チームとチームメートの大きな力になれなかったことが、本当に申し訳ないと思っています。自分自身が情けない気持ちでいっぱいです。でも、おかげで表彰台にのせてもらい感謝をしています。もし、また機会がありましたら頑張りたいと思います」
宇川徹 #33 Red Bull Honda 監督
「清成選手の体調が思わしくなく、2人で戦うことをレースウイークに入って早い時期に決めていました。最後のライダー交代のときに、高橋選手に連続で行けるかと聞いて、行くと言ってくれましたので、連続走行を任せました」
「勝つための決断でしたが、高橋選手頼りの戦いになり、彼を酷使してしまい、本当に申し訳なく思っています。敗因はチームにあります。ライダーたちは本当にがんばってくれました。感謝しかありません」
「また、来年に向けて、しっかり立て直していきたいと思います。優勝を信じて応援してくれたすべての人に感謝します。必ず報いたいと思っています。ありがとうございました」
ジョシュ・フック #1 F.C.C. TSR Honda France(4位)
「まず初めに、大きな声援をいただいたファンの皆さんにお礼を言いたいです。そして、ホンダのモータースポーツに関わる全員にも感謝しています。こんなにレベルの高い戦いに起用してもらえて、本当にありがたいと思っています。来年はもっと強くなってここへ戻り、もう一度タイトルを勝ち取りたいと思います」
フレディ・フォレイ #1 F.C.C. TSR Honda France(4位)
「ホンダレーシング60周年という記念すべき年に、ホンダのライダーとして走れたことを光栄に思います。たいへんなレースでしたが、全力を尽くしました。100%の力を出し尽くしたので、後悔はありません」
「ライバルチームは強かったのですが、どうしたらその差を詰められるかは学ぶことができました。チャンピオンシップ2位という結果は残念ですが、次のシーズンでタイトルを手にするための準備に切り替えていきます」
藤井正和 #1 F.C.C. TSR Honda France チーム総監督
「EWC(FIM世界耐久選手権)2連覇をしたかったのですができませんでした。実は優勝できる可能性はそれほど高くはなかったです。1年を通して運もなく、実力も足りているとは言えませんでした。それが現実だと思います」
「昨年の時点でこの状況を予想できる部分もありました。これもまたレースです。人生と一緒。だからもう一度やり直します。今日はここで鈴鹿8耐を戦いましたが、うちの会社のなかに、もう9月にある来シーズンの開幕戦(ボルドール)に向けて動いている部隊があって、もう準備をしています。明日からはボルドールに向けての出発です」
「第2戦のセパンはEWCとして初めて開催する場所ですから、記念すべき第1回の優勝者になりたいです。世界を戦って日本に帰ってきたら多くのファンがいることを改めて知ってうれしく思いました。これからもがんばります」
チャビ・フォレス #634 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda(7位)
「ハードなレースでした。レース前に90秒のペナルティーを受けてしまい、正直に言うとしっかりレースを戦えるのか、そういう気持ちになれるのか、ちょっとだけ自信を失う部分がありました」
「初めての耐久レースで、実際にレースがスタートすると、2人の仲間がいい走りをしてくれて、それを支えるチームもすばらしい働きをして、スタッフも我々をサポートしてくれました。そのおかげでとても自信を持ってコースインすることができました。初めての鈴鹿8耐でたくさんの経験ができて、本当に楽しいレースウイークとなりました」
「ヨーロッパで鈴鹿8耐はとても有名なレースですし、このチームの名前もよく聞いていました。そのチームに実際に加わってハードなレースを一緒に戦い、ヨーロッパのみんなが『このレースはすごい』と言い、このチームが有名な理由がよく分かりました」
「もしチャンスをもらえるなら、またこのチームで鈴鹿8耐を戦いたいという気持ちでいっぱいです。チームスタッフと一緒に鈴鹿8耐の表彰台に上がりたいです。本当に楽しかったです。チームのみんな、ありがとう!」
ドミニク・エガーター #634 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda(7位)
「90秒のペナルティーを受けてしまったわけですが、チームメートはグレイトジョブをしてくれましたし、バイクもすばらしく、ノーミスですばらしいレースができたと思います。途中まではトップグループと全くそん色のないペースで走ることができたのですが、ラスト4時間以降は、トップ3のチームから少しペース的に離されてしまいました」
「HRC(Red Bull Honda)、ヤマハ、カワサキの3チームはかなり早い段階からレースへの準備をしていたと聞いていますし、その差が我々にはちょっと厳しかったですね。もう少しマシンを作り込むことができれば、後半のペースもまだまだ上げられる手応えはありました」
「それに、彼らは優勝争いをしていて、かなり勝負に出てリスクを冒していましたが、我々には残念ながらそのチャンスはなく、とにかく完走することを大事にしていたのも大きかったですね」
「セーフティカーが入ったときは、正直トップグループとの差を縮めるチャンスだと思ったのですが、セーフティカーの入るタイミングが自分の望んでいた位置ではなく、そこで差を詰められなかったのは残念です。でも7位という結果は悪くないですし、レースはとても楽しめました。今回の参戦を許可してくれたMoto2のMVチームには本当に感謝しています。疲れましたが、次はすぐブルノでMoto2のレースがあるので準備します」
「MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaチームは本当にプロフェッショナルなチームで、一緒に戦うことがとても楽しく、アグレッシブな気持ちになることができます。来年、またぜひ一緒に戦いたいので、呼んでくださいね! 一緒に優勝を目指したいと強く望んでいます」
高橋裕紀 #19 KYB MORIWAKI RACING(9位)
「テストからメカニック、チームスタッフ、小山選手、トロイ選手も含めて本当にミスも無駄な時間もなく決勝レースを終えることができました。もちろんもっともっと上に行きたいという気持ちはありますが、現状の我々にできる限りのなかでここまでミスなく8時間走りきるというのは滅多にないことだと思います」
「ブリヂストン勢が強いという最近の流れのなかで、あえてピレリタイヤで戦いながら、いま持てる力でベストを尽くせたかなと思います。この経験を今後に活かしていきたいと思います。皆さまのご声援、ありがとうございました」
小山知良 #19 KYB MORIWAKI RACING(9位)
「最低限の目標であるシングルフィニッシュを達成できてよかったです。路面温度が上がったのでタイヤにとって厳しいコンディションでした。プッシュしてもグリップ力のドロップダウンの幅が大きいので、それであれば淡々とノーミスで走る作戦にしました」
「そのなかで自分たちのアベレージを上げていけば、チャンスはあると判断しました。最終スティントでは最終ラップに追いつくと計算して走行していたら、目の前で(他車が)オイルを吹いたので慎重に走りました。モリワキで走れたことを誇りに思います。皆さまのご声援をありがとうございました」
トロイ・ハーフォス #19 KYB MORIWAKI RACING(9位)
「とても幸せな気分です。モリワキのチームでよい結果を残せたことを誇りに思います。チーム及びライダーみんながミスもなく、最高の仕事をしたことで得られた結果だと思います。暑くて、非常にペースの速いレースでしたが、9位という結果を残せたことを祝福したいです。また、チャンスがあれば是非、来年も走りたいですし、さらにいい結果を残したいです」
ザクワン・ザイディ #22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWA(11位)
「今年のレースはとてもタフでした。アンディ(イズディハール)の状態が100%でなかったので、レース中は(名越)哲平と僕だけで走りました。最初にセーフティカーが入って、上位との差が広がるまでは順調なレースでした」
「2台目のセーフティカーの後ろについてしまったので、トップグループからほぼ1周引き離されてしまいました。しかし、決してあきらめませんでしたし、一方でフィーリングを崩すほどプッシュはしませんでした。マシンはシフターとギアレシオの問題を抱えていましたが、最後まで走りきることができました」
「チームをサポートしてくれたスポンサーの皆さんと、玉田監督に大いに感謝したいです。チームのメンバーは、レースウイークで一生懸命にがんばりました。来年は確実に力強くなるでしょうし、よりよい結果になると思います」
アンディ・イズディハール #22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWA(11位)
「レースを走ることができず、とても残念です。レースに挑みたかったのですが、まだ手が治っておらず、痛みがありました。チームとしてそばにいましたが、ザクワン(ザイディ)と(名越)哲平だけが走ることになりました。ザクワンと哲平が走りきってくれて感謝しています。改めて、レースを走れなかったことは申し訳なく思っています」
名越哲平 #22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWA(11位)
「ザクワン(ザイディ)と僕だけで走ることになったので、とても厳しいレースになりました。チームのみんなはすばらしい仕事をしました。今日の経験で多くのことを学ぶことができたので、とてもうれしいです。このレースウイークは一生懸命がんばりました。チームとファンに感謝したいです。疲れてぐったりしていますが、いい一日になりました」
玉田誠 #22 Honda Asia-Dream Racing with SHOWA 監督
「ライダーとスタッフ全員に多大な感謝をしたいです。今年の8耐はとても厳しい戦いでした。(予選で)アンディ(イズディハール)にトラブルがあって、2人のライダーで戦うことになりました。マシンは完ぺきな状態ではなく、トラブルも抱えていました」
「しかし、ライダーたちはあきらめることなく、完走までマシンを導いてくれました。結果にはとても満足しています。メカニックたちにとってもとてもいい経験になったと思います。このチームはよくなっていくでしょうし、来年の8耐ではもっといいパフォーマンスをみせられると思います」
ランディ・ドゥ・プニエ #111 Honda Endurance Racing(13位)
「どのセッションでもトラブルを抱えていたので、厳しいレースウイークでした。決勝に向けて、セッティングを大幅に変え、マシンは少しよくなりましたし、ペースもはるかによくなりました。ヨニー(ヘルナンデス)のクラッシュや技術的な問題がなければ、トップ10入りも可能だったと思います」
「結果は悪くありません。ヨニーのクラッシュは問題ではないし、それもレースだと思います。彼はいいペースを保とうとしていました。私も過去にクラッシュしましたし、いつでも起こりうることなので、どうしようもありません」
「チームも、ライダーも、クルーも、本当にいい仕事をしたと思います。厳しい状況から始まったレースウイークでしたが、レース向けのセッティングを改善してから、セッションの結果もよくなりました。多くのことがわかりましたし、この経験をもとにさらに改善ができると思います」
ヨニー・ヘルナンデス #111 Honda Endurance Racing(13位)
「上位チームと真っ向から戦える可能性があったと思うので、決してうれしいレースではありませんでした。フリー走行から決勝まで、厳しいレースウイークになりました。レースそのものがハードでしたし、いいペースをキープするのは特にたいへんでした」
「マシンを理解することに最善を尽くしていました。プッシュしていきたかったですが、今日はこれが限界でした。ポジティブな要素は、セッティングをよりよくしようとチームがレースウイークを通じてコミュニケーションを重ねたことです」
「チームに大いに感謝しなくてはなりませんし、8時間を走り切ったことを誇りに思わなくてはなりません。最終的な順位を考えればそれほど悪い結果でもありません。もっとうまくやれるチームだと思っているので、ボルドールまでに解決策を見つけないといけません」
セバスティアン・ジンバート #111 Honda Endurance Racing(13位)
「複雑なレースウイークでした。常にチャタリング(微細な非常に速い機械的振動)と戦っているようで、マシンのフィーリングがおかしな状態でした。他チームと比べてラップタイムが遅すぎたと感じています」
「目指していた結果ではなかったのでうれしいとは言えませんが、チームとしてまず完走を果たせたことをよしとしなくてはなりません。シーズンの終わりとしては微妙な結果です」
「しかし、今はボルドール24時間に集中しています。おそらく、ボルドールが僕にとって最後のレースになるでしょうし、キャリアを最高の形で終えるためにも、優勝したいです。僕を支えてくれる、強力なチームメートがいることはうれしいことです。なので、自信をもってボルドールに臨みたいです」
ジョニー・トゥエルヴツリーズ #111 Honda Endurance Racing 監督
「本当にタフなレースウイークになりました。フリー走行も予選もうまくいきませんでしたし、少し勢いづいたと思ったら、クラッシュしたり、ラップタイムが頭打ちになったりしてしまいました。今日のレースもそうでした。クラッシュや、燃費、さらに技術的な問題もありました」
「トップ10も目指せるのではないかと思いましたが、そうはいきませんでした。最終盤になって、ほかのチームのトラブルなどでレースが終わってしまいました。レースというものがどれほど不運かと感じています。これを糧にして、ボルドールへの課題としたいと思います」
秋吉耕佑 #090 au・テルル SAG RT(32位)
「結果は残念ですが、チーム、ライダーは、よくやってくれたと思います。いいものはそろっていましたし、ライダーもみんな速かったので、監督してうまくコントロールできなかった僕の責任でもあります。決勝のペースはトップとそん色のないものでしたし、表彰台という目標に向かって進んでいきたいと思います」
長島哲太 #090 au・テルル SAG RT(32位)
「ウォームアップは、気をつけていましたし、周りと同じようなスピードで走っていたのですが、予期せぬ転倒でした。チームが懸命にマシンを修復してくれたので、そのあとは、燃費を見ながら2分08秒台から09秒台で周回することができました。転倒がなければと悔しい思いでいっぱいです。また来年、チャンスがあれば表彰台を目指したいですね」
羽田太河 #090 au・テルル SAG RT(32位)
「29周を2スティント担当させていただきました。ペース差のあるライダーを抜きながら、タイムを上げていくことが、こんなに難しいことかと痛感しました。初めての鈴鹿8耐でしたが、秋吉選手、長島選手と一緒に走ることができ、非常にいい経験になりました。この経験を全日本(ロードレース選手権)後半戦に活かしていきたいと思っています」
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