2023年9月15日金曜日、F1第16戦シンガポールGPがシンガポール市街地のマリーナベイ・ストリート・サーキットで開幕、9月17日日曜日にナイトレースとして決勝が行われる。欧州最終ラウンドを終えたF1は、このシンガポールGPからフライアウェイ戦に突入し、11月末の最終戦第23戦アブダビGPで迎えるクライマックスへと向かう。
レッドブルは不利と言われた高速のイタリアGPでもフェラーリを完全攻略
前戦イタリアGPでは、今季負けなしのレッドブルが地元フェラーリを完全攻略。1-2フィニッシュで昨年最終戦からの連勝記録を「15」に伸ばした。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はレース序盤は無理せず2番手で走行を重ね、DRSが解禁となるやチャージを開始。15周目にあっさりトップに立つと、タイヤが消耗しつつあったフェラーリとの差を一気に広げて勝負を決めてしまった。
フェルスタッペンは10連勝となる今季12勝目のチェッカーを受け、2位にチームメイトのセルジオ・ペレスが入り、またもやレッドブルの完勝となった。
こうなるとフェルスタッペン&レッドブルの連勝がどこで止まるかだが、シンガポールGPでその可能性はあるのだろうか。
2023年F1第15戦イタリアGP決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT) 51周
2位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)+6.802s
3位 55 C.サインツ(フェラーリ)+11.082s
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+11.508s
5位 63 G.ラッセル(メルセデス)+18.294s
6位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+38.903s
7位 23 A.アルボン(ウイリアムズ・メルセデス)+45.080s
8位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+45.212s
9位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)+46.370s
10位 77 V.ボッタス(アルファロメオ・フェラーリ) +64.764s
・・・・・・・・・・・・・
12位 40 L.ローソン(アルファタウリ・ホンダRBPT)+70.638s
リタイア 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダRBPT)
ファステストラップ 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス
2023年F1ドライバーズランキング(第15戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)364
2位 S.ペレス(レッドブル)219
3位 F.アロンソ(アストンマーティン)170
4位 L.ハミルトン(メルセデス)164
5位 C.サインツ(フェラーリ)117
6位 C.ルクレール(フェラーリ)111
7位 G.ラッセル(メルセデス)10
2023年F1コンストラクターズランキング(第15戦終了時)
1位 レッドブル 583
2位 メルセデス 273
3位 アストンマーティン 228
4位 フェラーリ 217
エンジンパワーよりもダウンフォースとトラクションが重要
シンガポールGPはどんなグランプリなのだろうか。
シンガポールGPは公道サーキットを使ったナイトレース。開催されるマリーナベイ・ストリート・サーキットは全体的にコース幅が狭く、路面はバンピーで、コンクリートウォールが間近に迫るため、少しでもグリップを失えばクラッシュのリスクが高まり、セーフティーカー出動率が高い。
また、ストレート区間が短いため追い抜きが難しく、予選リザルトが重要となるのもこのコースの特徴だろう。
コーナーが多く、ストレートがそれほど長くないため、ダウンフォースの大きさと低速コーナーからのトラクションの良さが重要と言われ、マシンセッティングに定評のあるレッドブルが伝統的に強さを見せる。
ドライバーにとっては、ナイトレースとはいえ、高温多湿の気候も大きな問題となる。レース中のコックピット内の気温は50度を超えると言われるが、そんな中でドライバーはわずかなミスも許されない戦いを強いられる。
ペレスにとっては「自分自身のベストレース」
3年ぶり開催となった昨年のシンガポールGPは、ヘビーウェットのコンディションでスタートが1時間遅れ、全車インターミディエイトでのスタートなったレースも2度のセーフティカーが出るなどの大混乱。
レースはポールポジションのシャルル・ルクレール(フェラーリ)がスタートで失敗する中、2番グリッドから首位を奪ったセルジオ・ペレス(レッドブル)が抜きにくいコースを生かしてルクレールの追撃を振り切った。ペレスは「自分自身のベストレース」と顔をほころばせた。
燃料不足で予選Q3の最終アタックを諦め、8番グリッドからのスタートとなったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、スタートで失敗し12番手まで後退。そこからの追い上げもまずはセバスチャン・ヴェッテル(アストンマーティン)に、続いてフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)に阻まれて思うように浮上できず、終盤にはランド・ノリス(マクラーレン)を抜こうとしてコースアウト。その後、追い上げたものの7位まで挽回するのが精一杯だった。
角田裕毅(アルファタウリ)は10番グリッドからの上位入賞が期待されたが、濡れた路面に足下をすくわれてコースアウト、リタイアとなった。
【参考】2022年 F1第17戦シンガポールGP 決勝 結果
1位 11 S.ペレス(レッドブル)59周
2位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+2.595s
3位 55 C.サインツ(フェラーリ)+10.305s
4位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+21.133s
5位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)+53.282s
6位18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)+56.330s
7位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)+58.825s
8位5 S.ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス)+60.032s
9位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+61.515s
10位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・レッドブル)+69.576
・・・・・・・・・・・・・
リタイア 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル )
ファステストラップ: 63 G.ラッセル(メルセデス)1:46.458
雨が降った場合にはグリップ レベルに影響を与える可能性が
タイヤを供給するピレリは「他のストリートサーキットと同様、シンガポールで最もソフトな3つのコンパウンドを用意します。ハードがC3、 ミディアムがC4、 ソフトが C5 です。シンガポールGPは夜に開催されますが、強烈な湿気、高温、そしてトラックを囲む壁による保温性により、このレースはドライバーにとって肉体的に厳しいレースとなります。今年コースレイアウトが少し変更され、ターン16と19の間のトラックセクションは約397mのストレートになり、 これでコース全長が5.063kmから4.940kmになりました。マリーナ ベイ サーキットは公道を使うため、塗装された白線やマンホールなどの「ストリート ファーニチャー」がたくさんあり、特に雨が降った場合にはグリップ レベルに影響を与える可能性があります。約28秒というピットストップロスタイムが大きいことからも、1ストップ戦略が正解となるでしょう。 路面がドライであれば、ハイドタイヤがメインとなるはずです。追い越しの機会が限られているため、スタートグリッドの位置は重要です」と分析している。
さて2023年はどんなレースとなるのか。第16戦シンガポールGPは9月15日17時30分(日本時間18時30分)から始まるフリー走行で開幕する。
2023年F1第16戦シンガポールGP タイムスケジュール
フリー走行1回目:9月15日17時30分~18時30分(日本時間18時30分~19時30分)
フリー走行2回目:9月15日21時~22時(日本時間22時~23時)
フリー走行3回目:9月16日17時30分~18時30分(日本時間18時30分~19時30分)
予選:9月16日21時~22時(日本時間22時~23時)
決勝(62周):9月17日20時~(日本時間21時~)
[ アルバム : F1第16戦シンガポールGPプレビュー はオリジナルサイトでご覧ください ]
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