1気筒当たり500ccという排気量には意味がある!
昔から、エンジン1気筒当たりの排気量が500ccというのは、一つの目安になっていた。象徴的なのは、直列4気筒は2000ccまでというのがある。2000ccを超える総排気量の場合には、直列6気筒やV型8気筒、V型12気筒などのエンジン形式が選ばれてきた。ただし、アメリカ車でV8の6リッターエンジン(1気筒750cc)などという例もあった。
同じ排気量のエンジンでもクルマによってレッドゾーンが異なるのはなぜ?
同時にまた、かつては総排気量が2000ccでも直列6気筒エンジン車があって、トヨタのクラウンやマークII、あるいは日産スカイラインGTやフェアレディZなどが搭載し、その場合は1気筒の排気量は333.3ccになる。
現在、1気筒当たりの排気量を500ccとし、そこから3気筒、4気筒、6気筒などへ展開し、排気量を1500cc、2000cc、3000ccとしていく手法は、ドイツのBMWに限らず、メルセデス・ベンツやイタリアのアルファロメオなども同じような対応をしている。ただし、メルセデス・ベンツの1300ccは4気筒であるし、アルファロメオの6気筒エンジンは2900ccと、若干異なる仕様もある。スウェーデンのボルボは、1気筒500ccの直列4気筒エンジンのみで、すべての車種に出力を適合させる戦略だ。
今日の1気筒当たり500ccという排気量には、それなりの意味があるだろう。
一つは、出力と損失の調和だ。排気量が500ccより小さくなれば、出力も落ちる。そのうえで、エンジンの効率(燃費と考えてもいい)を考えたとき、燃料をいかに燃やし尽くすかという燃焼技術だけでなく、エンジンという原動機を動かすための機械の損失、たとえば、シリンダーのなかのピストンの往復運動はもちろんのこと、カムシャフトやクランクシャフトを回すときに生じる摩擦損失を考えなくてはならない。それら損失は、3気筒であれば3組の機械部分が損失を出し、4気筒なら4組の機械部分が損失を出すことになる。そこで、総排気量が同じ2000ccであるなら、6気筒にするより4気筒のほうが損失は少なくなるので、総合的な効率(燃費)を改善することができる。
とくに近年では、燃費規制が厳しくなっているので、損失という無駄な部分を減らすことがより重要になっている。
今はピストンの往復距離を長くしたロングストローク傾向
次に、レシプロエンジンはシリンダーのなかをピストンが往復運動をしているが、ピストンが往復する速度には限界がある。一般的に、秒速22~25mといわれる。これには、エンジンのなかでピストンがどれくらい移動しているかという距離が一つの条件として関わってくる。
1気筒500ccの場合、そのボア(シリンダー直径)×ストローク(ピストン移動距離)が同じスクエアと呼ばれる関係の場合、どちらも約86mmになる。たとえば、ピストンの平均速度を秒速22mとした場合、そのエンジン回転数の限界は約7600回転/分(rpm)と計算できる。市販量産車のエンジンとしては、高回転で回せるエンジンといえる。
ピストンの往復距離をさらに短くしていくと、もっと高回転で回せるようになる。しかし逆に、シリンダー直径が大きくなって、燃焼が悪化し、使った燃料を燃やしきれなくなる懸念も生じる。昔であれば、燃費がよくなくても高回転で回して出力を大きくする考えもあったが、現在は逆にピストンの往復距離を長くしたロングストローク傾向にし、シリンダー直径を小さくして燃料を燃やし尽くす考えのエンジンがほとんどだ。なおかつ出力が足りないときは、ターボチャージャーなどの過給機や、モーター駆動などを加えることで補っている。
1気筒500ccという排気量は、出力と損失の調和、あるいは気持ちよく高回転まで回せる味わいなど、気筒数で総排気量を調整しながら総合的に性能をまとめるうえで都合のいい排気量といえる。なおかつメーカーとしては、別の排気量での性能試験という手間をかけず、総排気量の異なるエンジンを量産できる利点も生まれる。それもある種の、経営上の効率化だ。
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