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愛車の履歴書──Vol2.俳優・野村周平さん(後編)

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愛車の履歴書──Vol2.俳優・野村周平さん(後編)

気になる人の愛車などに隠された知られざるエピソードとは? 第2回目は俳優・野村周平さんが、日産の高性能モデル「GT-R」や愛車について語る。

F-150を購入したワケ

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前編では、“GT-R愛”をたっぷり語った俳優の野村周平さん。実生活では2台のアメリカ車を所有する。

「『頭文字D』の影響で“ドリ車”に興味を持ちましたが、アメリカ車も好きでした。免許取得前から、“アメ車を買うぞ!”と、決めていたほどです」

【前編はコチラ】

アメ車のなかでも、とりわけ興味を持ったのがピックアップ・トラックだった。「デザート・レースに出てくる“トロフィートラック”がめちゃくちゃカッコよかったのがきっかけです」。

デザート・レースとは、名前のとおりデザート(砂漠)で開催されるレースだ。野村さんは、カリフォルニアの「バハレース」やラスベガスの「ミント400」などで疾走する競技用に改造されたピックアップ・トラック、“トロフィートラック”に魅了されたのだ。

「トヨタ『タンドラ』や日産『フロンティア』などといった日本メーカーのピックアップ・トラックも検討しましたが、やっぱり“アメ車”がいいなぁ、というわけで今の愛車を選びました」

野村さんが購入したのはフォードのフルサイズ・ピックアップトラック「F-150」。2009年に登場した12代目、5.0リッターV型8気筒ガソリンNAエンジン(最高出力360ps/最大トルク515Nm)搭載モデルだ。通称、“コヨーテ”と呼ばれるこの高性能エンジンは、日本にも導入された6代目「マスタング」などにも搭載された。

「アメリカで販売されていた中古車を購入し、現地でカスタマイズしたものを輸入しました。見た目もさることながら、警告音がカッコいいんですよ!(笑) これはぜひ聴いて欲しいですね」

フルモデルチェンジした最新のF-150やタンドラに興味がある一方、ジープ「グランド・チェロキー」などはあまり興味がないそうだ。理由は簡単で“小さいから”。日本へも正規輸入されるキャデラック「エスカレード」には思うところがあるそうだ。

「そういえば日本で見かけるエスカレードは、“ギラギラ”にカスタマイズされたクルマが多いじゃないですか? これみよがしに大量のLEDライトを内外装につけたり、大幅にインチアップされた大径のアルミホイールに履き替えたり……内外装に手をくわえるのは好みではありません」

今、乗っているF-150も、カスタマイズしたとはいえ、内外装は大きく変わっていないという。前編でも話していたが、野村さんは、目に見えない部分のカスタマイズが好みなのだ。

「“RE雨宮”が手がけたFD(3代目RX-7)も気になりますね。日本車にしてもアメ車にしても、ちょっと古いモデルを購入するなら、できる限りノーマルな個体がいいですね。それのエンジンを徹底的にカスタマイズしたいです」

“RE雨宮”とは、千葉県富里市にあるRE雨宮自動車の通称だ。ロータリーエンジン車のカスタマイズを得意とするチューニングショップである。まさかRE雨宮まで知っているとは……東京オートサロンにも足を運ぶというから、カスタマイズにはかなり関心を持っているのだ。

1960年代の“アメリカ”にハマる

もう1台は、1969年型のダッヂ「コロネット」の2ドア・クーペだ。「日本であまり乗っている人がいないから」という理由もあって、選んだという。

コロネットはインターミディエート(ミドルクラス)モデル。野村さんが所有するのは1965年に登場した5代目で、セダンやクーペ、ステーションワゴンなどさまざまなボディ形状があった。

「1966年型のコロネットは所ジョージさんもお持ちなようです。僕が持っている1969年型は後期モデルで、フロントまわりなどのデザインが異なります。インターネットなどを駆使して、アメリカにあった中古車を購入し、並行輸入しました」

野村さんはクルマのほかに、バイクも1台所有している。こちらもアメリカ製だ。

「バイクはハタチを超えてから興味を持ちました。今乗っているのは1967年製のハーレーで、長瀬智也さんの紹介で購入しました。バイクはハーレー一辺倒ですね」

涼しくなってきた今の時期は、仕事の後やオフに、フラッとバイクに乗って、近場へツーリングに出かけるという。

「途中、高速道路のパーキングエリアに寄って、仲間とクルマ&バイク談義に花を咲かせることもありますよ」

やっぱりGT-Rが欲しい

野村さんが、今、気になるクルマとは?

「もう何度も話していますが、やっぱりGT-Rですね。いつか自分のものにしたい! という憧れは変わりません。次の日産『フェアレディZ』も興味あります。写真で見ただけですが、かっこいいですよね! ほかは、トヨタの『GRヤリス』や『GRスープラ』とか……」

すべて日本車だったのが興味深い。そして、GT-Rへの思いがこれほど深いとは!

取材日は、野村さん曰く“運良く”特別仕様車「Premium edition T-spec」(プレミアム・エディションTスペック)と「Track edition engineered by NISMO T-spec」(トラック・エディション・エンジニアード・バイNISMO・Tスペック)の発表日と重なり、本社ギャラリーに両モデルが展示されていた。

「これが噂の特別なボディカラーですか!」「専用デザインのアルミホイールがカッコいいですね!」と、各部を細かくチェックしていた。「叶うなら1台、購入したいですね! 高倍率の抽選になるので当たりそうもないですが……」と、まさかの“購入希望宣言”まで飛び出した。

せっかくなので、GT-R NISMOにも試乗してもらった。当初は日産本社周辺だけの予定だったが、「せっかくならもう少し乗りたい!」ということで、横浜から都内の次の現場まで運転した。

「事務所が所有する移動車の後ろに座っているより、GT-R NISMOのステアリング・ホイールを握っている方が断然いいですね!」と、運転しながら笑顔で話す。

「やっぱりGT-R NISMOは最高ですね! アクセルペダルを踏み込んだときのハンパない加速、いつ乗ってもシビれます」

野村さんは慣れた手つきで、インパネ下部の“セットアップスウィッチ”を操作した。ここでは、ショックアブソーバーの減衰力や横滑り防止装置「VDC-R」などを調整出来る。

「やっぱり“Rモード“でないと、ね」と、野村さん。Rモードとは、もっともハードな設定で、サーキット向けのモードだ。

車内で、野村さんが出演する新ドラマについても訊いた。野村さんは10月21日から配信されるABEMAオリジナルドラマ『会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』で、主演を務める。若手起業家の鶴田祐介役だ。

「巷で“若手起業家”と言われる人が出演するYouTubeなどを見て役作りに活かしています。もっとも、それらに出演する人で“カッコいいなぁ”と思う人がほとんどいないので、どのように演じるべきか、色々と考えています(笑)」

起業家の役を演じるにあたり、ビジネスシーンでの“移動”について考えるようになったという。

「移動時、車内でノートパソコンを使った仕事をするならば日産『エルグランド』やトヨタ『アルファード』といった大型ミニバンがベストでしょうね。エルグランドにも、3列目のシートを外した特装車があるじゃないですか? あれなら仕事が捗りそうです」

野村さんが話す特装車とは「エルグランドVIP」だ。3列目シートをすべて取り外し、2列目シートは、電動調整式のキャプテンタイプに換装された特別モデルである。フロントシート背後にはマガジンラックや収納ボックスを備えたキャビネットも付く。

起業家には、クルマ好きも多い。ブガッティやフェラーリなどのスーパーカーを何台も所有する人もいる。もし、野村さんが起業家として成功したら欲しいクルマは?

「莫大な収入を得ても周囲にひけらかすようなスーパーカーを買いたいとは思わないですね。もし買うとしたら? うーん……やっぱりGT-Rですかね(笑)」

いつの日か、徹底的にチューニングされた野村さんのGT-Rを見られる日が楽しみだ。

【プロフィール】俳優・野村周平

2010年に俳優デビュー。BMX(バイシクルモトクロス)やスケートボードなどをこよなく愛し、ストリートカルチャーにも精通する。

2021年10月21日(木)夜10時よりスタートのABEMAオリジナルドラマ最新作『会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』に主演。仕事に熱狂する若者のリアルを描いた完全オリジナルストーリーで、ビジネスの厳しさを知り、苦悩しながらも一人のビジネスマンとして前向きに成長していく若き起業家・鶴田祐介を演じる。

【衣装】シャツ¥121,000(セリーヌ オム バイ エディ・スリマン|セリーヌ ジャパン Tel:03-5414-1401) 他、スタイリスト私物

文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.) ヘア&メイク・矢口憲一 スタイリスト・清水奈緒美

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