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打倒ホンダの切り札 Z伝説の始動:[’69-]カワサキ Z1/Z2シリーズ【青春名車オールスターズ】

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打倒ホンダの切り札 Z伝説の始動:[’69-]カワサキ Z1/Z2シリーズ【青春名車オールスターズ】



CB750フォアを尖兵に、ホンダ/ヤマハ/スズキ/カワサキの日本4大メーカーが世界の頂点に君臨する時代が幕を開ける。大排気量空冷マルチエンジンを搭載した公道の王者たち、その雄姿をご覧いただこう。本記事では、現代にまでその血統が引き継がれる「Z」シリーズの始祖を取り上げる。 ※本記事はヤングマシン特別号 青春単車大図鑑からの転載です。

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●文:ヤングマシン編集部

ホンダを完全に打ち負かすべし【カワサキ Z1 900 スーパー4】

ホンダCB750フォアは世界を驚かせた怪物だった。最も驚いたのはカワサキの技術陣だったろう。同社が水面下で開発していたN600は750ccのDOHC4気筒だったからだ。「ホンダを完全に打ち負かすには、さらに完璧を期すべし」と急遽開発方針を修正し、1000ccへの展開も考慮して900ccの排気量がZ1に与えられた。

このため発売は予定よりも遅れたが、’72年秋に米国や欧州で発売されるやいなや、爆発的な人気を得たのは言うまでもない。特にエンジンの耐久性については今もなお定評がある。これはすなわちチューニング素材としても最適なことを表す。各地のレースでも大いに猛威を振るい、先鞭をつけたのはホンダCBだったが、日本製4気筒車の優秀性は後発のZで強く決定づけられたとも言える。

外観も特筆に値する。4本マフラーはホンダも採用していたが、ティアドロップ型燃料タンクとテールカウルを備えた流麗なボディデザインは、明らかにその後の潮流を変えた。高性能と高い信頼性、多くが格好良いと認めるデザイン。この三拍子を揃えたモデルを30年以上前に実現したことが、偉大な名車として賞賛される所以だ。現在につながるカワサキのイメージは、この空冷Zシリーズから構築されたといっても過言ではない。

また、この年代の中古車の中ではとりわけ人気が高く、例外的に市場が活性化している点も注目に値する。優れた製品は時を越えて人々に愛される。まさにZはその好例である。

―― 【’73 KAWASAKI Z1 900 Super4】ショートピッチの燃料タンク形状とオレンジの塗色から「火の玉オレンジ」と呼ばれた人気のカラーリング。■空冷4スト並列4気筒 DOHC2バルブ 903cc 82ps/8500rpm 7.5kg-m/7000rpm ■タイヤF=3.25-19 R=4.00-18 ※輸出モデル

―― T-103試作車(後のZ1)とCB750フォアの性能を比較。ここでは750ccだが、DOHCエンジンによりゼロヨン、最高速度ともにホンダを上回っていたことがわかる。このメモはZ1開発計画に関わった大槻幸雄氏のものと思われる。 [写真タップで拡大]

―― メーターは速度計(左)と回転計(右)の2眼式。マイル表示の速度計は160mph=256km/hまで刻まれた。903ccの大排気量ながらレッドゾーンは8500rpmからとなり、DOHC面目躍如だ。 [写真タップで拡大]

Z1 900 スーパー4の系譜

―― 【’74 Z1[A]】2年目のZ1Aはキャブレターの設定を小変更。火の玉パターンからストライプ入りのグラフィックに替えた。エンジンは黒→銀仕上げに。 [写真タップで拡大]

―― 【’75 Z1B[B]】変更点は車体色やエンブレムのほか、Oリング式ドライブチェーンの採用など。それに伴ってドライブチェーンへの自動給油装置が撤去された。 [写真タップで拡大]

―― 【’76 Z900[A4]】吸排気系や外装、灯火類を変更してモデルチェンジ。3系統ヒューズも装備する。欧州向けは前輪をダブルディスク化。以降の北米向けはKZが車名に。 [写真タップで拡大]

◆排気量が1000ccを超え、名称もZ1からZ1000へ

初期型からZ900A4までは小変更を繰り返し、’77年には排気量をアップさせたZ1000A1にフルモデルチェンジされた。4mmボアアップでリッターオーバー化して、エンジン内部も強化。リヤディスクも新採用され、欧州仕様はフロントにダブルディスクも装備した。

―― 【’77 Z1000[A1]】903cc→1016ccにスケールアップ。排気騒音を低減し、マフラーは2本出しに変更。フレームも強化されたほか、後輪にもディスクブレーキが与えられた。 [写真タップで拡大]

―― 【’78 Z1000[A2]】フロントブレーキキャリパーをフォークの後ろ側に移設してステアリング周辺の慣性モーメントを低減。フロントブレーキのリザーバータンクを角型に変更。 [写真タップで拡大]

国内に君臨したゼッツー【カワサキ Z2 750RS】

排気量自主規制により、903ccのZ1は国内販売できず、スケールダウンの746ccが用意された。これが750RS、型式名Z2である。

車体構成に関してはZ1とほぼ共通とされたものの、排気量はZ1の903cc(66×66mm)に対して746cc(64×58mm)とショートストローク化され、キャブレターもZ1とは異なる専用のVM26SCを備えて69psを公称。当時は逆輸入車も一般的ではなく、Z2は事実上の最速マシンに君臨し、大人気を得たのである。’76年からはZ750フォアとなり、FX登場後も併売された。

―― 【’73 KAWASAKI Z2 750RS】■空冷4スト並列4気筒 DOHC2バルブ 746cc 69ps/9000rpm 5.9kg-m/7500rpm ■230kg(乾) ■タイヤF=3.25-19 R=4.00-18 ●価格:41万8000円

Z2 750RSの系譜

―― 【’74 Z2[A]】前期はグラフィックがオレンジの火の玉から黄色のタイガーストライプに。後期はストライプパターンが変更され茶と青の2色になった。 [写真タップで拡大]

―― 【’76 Z750FOUR】外装の意匠やメーター、電装系などを一新して装備を近代化している。Fダブルディスクや新型キャブレター、Oリング式ドライブチェーンも採用。 [写真タップで拡大]

◆新世代 弾丸ザッパー登場

―― 【’76 Z650[B1]】軽量スポーツの通称はザッパー。メタル支持の一体型クランクを採用したエンジンは、Z750FX-II以降、ゼファー750やZR-7に至るカワサキ738ccシリーズの基となった。 [写真タップで拡大]

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みんなのコメント

6件
  • 借り物のZ2で友達と一緒に富士スピードウェイへ2人乗りで行ったのが初めてのZ2。余裕あるパワーと乗り心地の良いシート、4本マフラーからのやや凄みのある排気音を楽しみながら疲れは感じなかった。購入を考えていた時にZ1Rの存在を知り迷わず決定。十分楽しんだが子育てや仕事都合で実家保管、定年後にレストア開始、フレーム単体まで分解しキャブ、ブレーキキャリバー、マスターシリンダーも自力オーバーホール。走り出した時は感激、独特の排気音やエンジン音はもちろんだがそのスタイルを最高に楽しんでいる。
  • ドライブチェーンに走行中に少しずつオイルをたらす装置がついていて「これによりチェーンの寿命が延びた」と言っていた。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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