2021年内にLMDhマシンのロールアウトを行う予定だったポルシェは、その計画を延期したことをソーシャルメディアをとおして明らかにした。
ドイツのメーカーは当初、2023年のWEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参加する、マルチマチック製シャシーをベースにしたプロトタイプマシンの初走行を今年中に済ませるつもりだった。
ポルシェ、LMDh開発を加速。2名のワークスドライバーを加え1月から集中テストを開始へ
しかし、タイトなスケジュールが組まれている新車の開発プログラムの中で、非常に大きな課題に直面したという。そのためポルシェは、LMDhのロールアウトが2022年1月上旬まで実施できなくなったと説明している。
なお、その後に控える集中的なテストプログラムがこの影響を受けることはないという。
ポルシェは今月19日にカモフラージュ柄をまとったLMDhマシンを一部公開した。その際に記録された同プログラムのマネージャー、ウルス・クラトルのインタビューによると、当時は明らかにスケジュールどおりに進んでいたようだ。
実際にインタビューの中でクラトルは、プログラムは「予定どおりに行われている」と述べ、最初のテストが年内に実施されることを示唆していた。一方、彼は計画の遅延が容易に起こり得ることも認めていた。
「状況に応じて計画を変更することもある。いまは非常に重要な局面にあるんだ」とクラトルは語った。
「クリスマス休暇の後、おそらくバイザッハで簡単なシェイクダウンを行うだろう。それから非常に野心的なテストプログラムが開始される予定だ」
「ヨーロッパと北米の両方でテストをする予定だが、それには承認が必要だ。その他にも多くの締め切りがある。2022年も退屈しないことは確かだろう」
既報のとおり、ポルシェは“名門”チーム・ペンスキーとパートナーシップを結び、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツとしてWECとIMSAの最高峰クラスに各2台のマシンを送り込む。また、メーカーは2023年の参戦初年度からLMDhマシンをカスタマーチームに販売することも計画している。
クラトルは、カスタマーチームの重要性をそれが「ポルシェにとってつねに大きな意味を持つ存在である」と述べた。
「それは、私たちが意識的に最初からカスタマーチームにマシンを販売することを決めていたことからも示されている。我々はカスタマーチームと一緒に最高のパフォーマンスを発揮するために、彼らと非常に密接に連携しているんだ」
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