イングランド夏の風物詩として知られるモータースポーツイベント、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード。2022年のイベントでも、往年のF1マシンからお披露目されたばかりのポルシェLMDh車両など、様々なレーシングカーが一堂に会し、ヒルクライムコースを疾走した。
その中でも観衆の目を引いたのは、マクマートリー・オートモーティブが手がける小型EVマシン『スピアリング』。ひとり乗りのクローズドコクピットとなっており、プロトタイプカーのミニチュアのようなビジュアル。黒ずくめのカラーリングも相まって、欧州ではバットマンが運転する『バットモービル』にも例えられるこのマシンが、元F1ドライバーであるマックス・チルトンのドライブで従来のレコードを更新する39秒08でコースを駆け抜けたのだ。
【動画】マクマートリー・オートモーティブの小型EV『スピアリング』がグッドウッドでレコード更新!
従来の公式レコードは、1999年にニック・ハイドフェルドがマクラーレンの1998年型F1マシン『MP4/13』で記録した41秒6。また2019年には、グッドウッド用にチューニングされたフォルクスワーゲンのEVレーシングカー『ID.R』をドライブしたロマン・デュマが39秒9を記録していたが(シュートアウト前日の予選で記録されたため非公式)、今回チルトンはそのどちらも上回った形だ。
それもそのはず、『スピアリング』は驚異の走行性能を備えている。このマシンは、後部のファンを使って床下の空気を吸い出す“ファンカー”となっており、それにより2トンを超えるダウンフォースを得ることができる。また重量は1000kg未満であり、パワーウエイトレシオもF1並。0-100km/hの加速は最速1.5秒ほどであり、バンピーなグッドウッドのコースですら最初の100mを3.51で駆け抜け、240km/hほどまで加速した。
4歳の頃からフェスティバル・オブ・スピードを見てきたというチルトンは、次のように語った。
「こんなことが起こるとは思っていなかった」
「ある時誰かに『これまでこのヒルクライムを走ってきた全員を倒すことになる』と言われたら信じなかっただろう。本当に光栄だ」
「昨日は寝られなかった。ストレスで1時間くらいしか寝ていない。プレッシャーに耐え続ければやがてダイヤモンドになれるとはよく言ったものさ!」
なお、今年のグッドウッドも2019年のメルセデスのF1マシン『W10』が走った通り、現行モデルに近いF1マシンも出走している。しかし現在では安全上の理由から、F1マシンでのタイムアタックは行なわれていない。
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