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ロータス・エヴォーラよ永遠に MR 2+2のグランドツアラー 500kmの旅 後編

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ロータス・エヴォーラよ永遠に MR 2+2のグランドツアラー 500kmの旅 後編

小ぶりで活発な本物のロータス

ロータス・エヴォーラは、AUTOCARの英国編集部でもお気に入りのモデルだ。年末恒例の英国ベスト・ドライバーズカー選手権でも、好成績を残している。確かなグリップ力と正確なステアリング、はつらつな動力性能というレシピは、理想的といえる。

<span>【画像】生産終了を迎えるロータス・エボーラ GT410 エリーゼとエキシージも 全92枚</span>

エリーゼやエキシージと比べて乗り降りしやすいという点も、触れるべきだろう。押出成形材を接着剤で組み合わせたアルミニウム製のプラットフォームは、3モデルの展開が前提となっていた。

2+2のシートレイアウトを選ぶことで、シャシー長は200mmほどプラス。重さも100kgほど増えた。独特のプロポーションのおかげで、少し魚っぽい見た目に仕上がっていると、筆者は思う。

そんなことを考えながら、フォトグラファーのマックス・エドレストンと合流するため、英国の国道A417を西へ走る。途中でA438号線を経由し、エラン渓谷の中心に位置するラアアデルの街へつながるA44号線を進む。道中、エヴォーラは完璧なクルマに感じられた。

ステアリングは極めて正確。全幅は1850mmしかないから、狭い道でもすり抜けやすい。ホイールベースが長く、運転席が中央に位置しているため、乗り心地もフラット。本物の活発なロータスだ。

ACBCという、ロータス創業者であるアンソニー・コーリン・ブルース・チャップマンのイニシャルがあしらわれたモデルを、筆者がこれまで8台も乗り継いできた理由も同じだった。

古さを隠せないインテリア

英国西部のウェールズ地方は、ドライバーのためのエリアとは呼びにくくなっている。かつてとは違い、速度取り締まりカメラが点在し、地元民の目も厳しい。

それでも、舗装したての美しい路面にいくつかのカーブが連続する、人影の殆どない道もなくはない。住民や家畜を驚かせることなく、ロータス・エヴォーラを積極的に楽しむことができたことも、認めよう。

機会があれば、是非読者も一度経験して欲しい。英国はまだ、ロータスの国だ。

ポルシェ718ケイマンのように、純粋で最新の2シーターモデルと比べると、インテリアの古さは隠せない。メーカー純正のインフォテインメント・システムは、明らかに時代遅れに見える。

少し不格好なアルミ製のシフトノブは操作しやすい。だが、センターコンソールの雰囲気は、家庭用の電動工具のようにも思えてしまう。最新モデル、ロータス・エミーラの車内が、遥かに未来的に感じられても当然だろう。

そもそも10年前の発表間もない頃から、新しさに欠けるインテリアだと指摘されていた。だが、エヴォーラの魅力を削ぐほどではない。

エヴォーラで、最も気になる欠点とはなんだろう。エンジニアの1人は、サイドウインドウ前端の、少しぎこちない納まり処理を指摘したことがあった。その付近で発生する風切り音を解消するのに、苦労したという。

最後まで最高のドライバーズカー

試乗車は走行距離が2万kmを超えていたが、確かに運転席の右前から風切り音が聞こえていた。でも、助手席側はだいぶ静かだった。ジーリー・ホールディングス以前の、ロータスらしい不備かもしれない。ただし、耳障りなほどではない。

それ以外のエヴォーラは素晴らしい。見事な仕上がりの中にある、昔ながらの弱みに過ぎない。もし操縦性が悪ければ、10年ほど前にエヴォーラは消滅していたかもしれないけれど。

マックスと合流し、エラン渓谷で終日エヴォーラを撮影した。10月の素晴らしい景勝地で過ごす家族を避けつつ、ステアリングフィールを楽しんだ。

運転する時間が過ぎるほど、筆者はロータスと打ち解けていった。自宅へ戻る時間が来る頃には、古くからの友人と過ごしたように感じられた。

朝の6時に出発してから14時間後、コッツウォルズの自宅へ戻る頃には、インフォテインメント・システムのことなど忘れていた。ドライバーの背後に積まれた、V6エンジンの洗練されたサウンドと力強さを、本能的に味わっていた。

スーパーチャージャーの存在感はほぼない。リアウインドウ越しに、ブロワーの膨らみが見える程度だ。

筆者が考える、ロータス・エヴォーラ最大のストロングポイントは、やはりシャシーにある。10年以上のモデルライフの間に、何台ものライバルが登場した。しかし、スタビリティに優た最高のドライバーズカーであることは、変わらなかった。

生産終了を迎えた今、改めてその事実を確認できてうれしかった。

ロータス・エボーラGT410(英国仕様)のスペック

価格:8万2900ポンド(約1260万円)
全長:4390mm
全幅:1850mm
全高:1240mm
最高速度:280km/h
0-100km/h加速:4.2秒
燃費:9.1km/L
CO2排出量:248g/km
乾燥重量:1361kg
パワートレイン:V型6気筒3456ccスーパーチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:415ps/7100rpm
最大トルク:40.7kg-m/3500rpm
ギアボックス:6速マニュアル

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みんなのコメント

2件
  • 名前が悪かった上に、ミドの2+2と言う、車市場ヒットした試しの無いレイアウトが失敗だった。
    どう見てもホイルベースとリアのボリュームおかしいもん。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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