現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > THE“ローコスト”ナナハンキラー……「カワサキ・ニンジャe-1」はサーキットでこそ輝く

ここから本文です

THE“ローコスト”ナナハンキラー……「カワサキ・ニンジャe-1」はサーキットでこそ輝く

掲載 6
THE“ローコスト”ナナハンキラー……「カワサキ・ニンジャe-1」はサーキットでこそ輝く

カワサキはエコよりも趣味性

カワサキモータースジャパンは、「ジャパン・モビリティ・ショー2023」で2台のEVバイク「ニンジャe-1」「ニンジャ7ハイブリッド」を国内初公開した。

カワサキが市販間近のEVバイクを発表![EICMA(ミラノモーターサイクルショー)レポート:その1]

現在日本で普及しているEVバイクはスクーターが中心だと言ってよい。カワサキにも実は「J300」というスクーターモデルもあるのだが、そこには手を出さずにスポーツモデル「ニンジャ」のブランドで登場させた。

カワサキは、バイクは趣味のものとして割り切っている傾向が強い。カーボンニュートラルももちろん意識しているのだろうが、それよりも“面白いものをより面白く作る”というスタイルを優先しているように感じる。スーパーチャージドエンジンを積んだ「ニンジャH2」は最たる例だろう。

今回発表した2台のEVバイクも電動の面白さを優先したものだ。会場で2台のバイクを見ていると楽しい気持ちが生まれ、購入後のバイクライフが頭に浮かんできた。今回は「ニンジャe-1」が創り出すバイクライフを考察してみたい。

コンパクトな着脱式バッテリーの採用はスポーツへのこだわりからか

「ニンジャe-1」は、強力な加速性能と軽さからくる異次元の運動性を味わえるはずだ。航続距離はフル充電で72kmと一般的なガソリンモデルよりも短いが、軽量の市販EVスポーツバイクとしてみれば立派な数値と言える。もちろんパワーを抑えればこれ以上の航続距離も出せただろう。しかしそれではカワサキらしさが損なわれると設計陣は考えたのではないだろうか。

その代わり……と言えるかは微妙なところながら、バッテリーは着脱交換式を採用している。残念ながら「JMS」の会場では、バッテリーまわりはマル秘であったが、フランス・フォーシーパワー製のものを採用したことが明らかにされた。

着脱交換式といえばホンダが「モバイルパワーパックe:」を開発し、メーカーを超えて採用が進んでいるが、カワサキは独自にフォーシーパワー製を採用した。同社のバッテリーは薄型なので、ニンジャのスタイルを崩さずに搭載することが可能。この特徴が採用の決め手のひとつとなったのではないだろうか。詳細の正式発表が待たれる。

航続72kmは30分の走行枠なら十分では

航続距離72kmとは、エンジン車に比べれば正直寂しい数字だ。スポーツバイクでも街乗りが中心となってしまう。しかし見方を変えれば、これほど便利なスポーツEVバイクはないだろう。

「ニンジャe-1」が輝く場所を考えると、ズバリ「サーキット」である。これから本格的にサーキットデビューを考えているユーザーにとっては、この上ないローコストでサーキットを走れるかもしれないのだ。

72kmではサーキットまで行けないと思うかもしれないが、愛好家のほとんどは、マシンを「ハイエース」などのバンに積んでサーキットに行っている。「ニンジャe-1」もそれに倣えばよい。車重は140kgなので、クルマへの積み下ろしもラクに行なえるだろう。

サーキットのスポーツ走行枠は30分程だろうか。72km分のエネルギーがあれば十分に走ることができるだろう。「それでは足りない」と思うなら、交換式バッテリーを余分に買って持っていけば良いのだ。

度肝を抜いた過給エンジンを市販したメーカーだからこそ

極限状態で車両を走らせるなら、エンジンでもモーターでも故障リスクは避けられない。しかしモーターであれば構造が単純なので、エンジンほどのリスクを負わずに済むのではないか。何より悪燃費かつ高額の給油がないのはもちろん、エンジンオイルの交換やオーバーホールもいらないので、かかるコストは、例え余分のバッテリーを買ったとしても段違いの差が出てくるだろう。エンジンの状態やお金を気にせず走りに打ち込めるとは、これ以上の幸せはないような気がする。

もちろん走りも面白いだろう。詳しい諸元値は第1報を確認して欲しいが[詳細はこちら<click>]、カワサキのアンダー400ccの中で最高のトルクを備えているため、強烈に加速するのは間違いない。ボトムエンドに限っては250cc4気筒のスーパースポーツ「ニンジャZX-25RR」よりも速い可能性さえある。さらに短時間の出力向上ができる「e-boost」機能を立ち上げれば、低中速のコースならば上のクラスを追い回す“ナナハンキラー”となるかもしれない。

想像で書いてみたが、「72kmでは実用性が足りない」とは、カワサキ自身がよく理解しているはずだ。だからこそ、サーキット走行を想定し「ニンジャ」の意匠と冠を与えたのだと考えたい。

繰り返すが、エコに全振りしたモデルは漢カワサキに必要ない。何せ前例のないスーパーチャージドエンジンの「ニンジャH2」を出し世界をあっと言わせたメーカーだ。電動にしかできない価値を追求しているはずだ。

こんな記事も読まれています

バイクの未来は電動で楽しくなる!? モビリティショーで見た期待の電動マシン7選
バイクの未来は電動で楽しくなる!? モビリティショーで見た期待の電動マシン7選
WEBヤングマシン
[ハーレーカスタム] ターボチャージャー搭載で別次元へ!〈イビサモトファクトリーM8スポーツグライド〉
[ハーレーカスタム] ターボチャージャー搭載で別次元へ!〈イビサモトファクトリーM8スポーツグライド〉
WEBヤングマシン
バイクの「クラッチ操作」革命? ホンダの新機構「イークラッチ」がライダーの左手を解放する
バイクの「クラッチ操作」革命? ホンダの新機構「イークラッチ」がライダーの左手を解放する
Merkmal
刺激は少ないけど所有感を満たすバイクだった 1992年ヤマハ「SRV250」【柏 秀樹の昭和~平成 カタログ蔵出しコラム Vol.3】
刺激は少ないけど所有感を満たすバイクだった 1992年ヤマハ「SRV250」【柏 秀樹の昭和~平成 カタログ蔵出しコラム Vol.3】
WEBヤングマシン
軽快でコーナリングが楽しい! ヤマハから新発売された原付二種ネイキッドスポーツ『MT-125』に乗ってみました!!
軽快でコーナリングが楽しい! ヤマハから新発売された原付二種ネイキッドスポーツ『MT-125』に乗ってみました!!
バイクのニュース
「エンジンのホンダ」は幻となった「スポーツ360」から始まった! 昭和のカリスマ本田宗一郎のスピリットとは?
「エンジンのホンダ」は幻となった「スポーツ360」から始まった! 昭和のカリスマ本田宗一郎のスピリットとは?
Auto Messe Web
【ボクらの時代録】2011年の日本カー・オブ・ザ・イヤー。日産リーフ ( ZEO型)のヒトに優しいゼロエミッション
【ボクらの時代録】2011年の日本カー・オブ・ザ・イヤー。日産リーフ ( ZEO型)のヒトに優しいゼロエミッション
カー・アンド・ドライバー
6MT搭載! ホンダの「先進的スポーツカー」が凄かった! 斬新ボディに“走りの良さ”実現した「個性派クーペ」の反響は?
6MT搭載! ホンダの「先進的スポーツカー」が凄かった! 斬新ボディに“走りの良さ”実現した「個性派クーペ」の反響は?
くるまのニュース
ヤマハYZF-R15試乗「125から排気量31ccアップ、約3万円アップ」その差分に価値はどれくらいあるか?
ヤマハYZF-R15試乗「125から排気量31ccアップ、約3万円アップ」その差分に価値はどれくらいあるか?
モーサイ
ヤマハのスーパースポーツバイク「YZF-R1」に新色が登場! フラッグシップモデルにふさわしい質感の高いカラーの魅力とは?
ヤマハのスーパースポーツバイク「YZF-R1」に新色が登場! フラッグシップモデルにふさわしい質感の高いカラーの魅力とは?
VAGUE
夢の「V12ドリフト」ができた時代…30年ぶりの変革も“超キープコンセプト”だったトヨタ センチュリー【推し車】
夢の「V12ドリフト」ができた時代…30年ぶりの変革も“超キープコンセプト”だったトヨタ センチュリー【推し車】
MOBY
エンジン屋でありレース屋のホンダ かつて高回転を極めたふたつの「ビート」とは
エンジン屋でありレース屋のホンダ かつて高回転を極めたふたつの「ビート」とは
バイクのニュース
ホンダが2030年までに大型スーパースポーツを含む電動バイク30機種をリリース! 5000億円の投資とともにコスト50%減やコネクティビティを強化を目指す
ホンダが2030年までに大型スーパースポーツを含む電動バイク30機種をリリース! 5000億円の投資とともにコスト50%減やコネクティビティを強化を目指す
WEBヤングマシン
累計1450万台の人気者もEVへ 航続395km ヴォグゾール(オペル)・コルサ・エレクトリックへ試乗
累計1450万台の人気者もEVへ 航続395km ヴォグゾール(オペル)・コルサ・エレクトリックへ試乗
AUTOCAR JAPAN
同じ名前で生まれ変わったモデル!?同名の先祖がいるバイク5選
同じ名前で生まれ変わったモデル!?同名の先祖がいるバイク5選
バイクのニュース
電動時代を占うベンチマークとして見逃せない! マツダ・MX-30 ロータリーEV 試乗インプレッション
電動時代を占うベンチマークとして見逃せない! マツダ・MX-30 ロータリーEV 試乗インプレッション
月刊自家用車WEB
「アルピナ」に負けない「M」の乗り心地! BMW「M3ツーリング」は長距離よしサーキットよしの最強の乗用車でした
「アルピナ」に負けない「M」の乗り心地! BMW「M3ツーリング」は長距離よしサーキットよしの最強の乗用車でした
Auto Messe Web
ZXR風の特別カラー「ニンジャZX-4RR 40th Anniversary Edition」が12月に117万7000円で発売!専用の緑色ホイール、専用ロゴにも注目
ZXR風の特別カラー「ニンジャZX-4RR 40th Anniversary Edition」が12月に117万7000円で発売!専用の緑色ホイール、専用ロゴにも注目
モーサイ

みんなのコメント

6件
  • 四輪のEVではサーキット走行の場合、カタログスペックの1/5ぐらいの電費になる事も普通にあるけど軽量な二輪ではどうなんだろう。 仮に同等だとすると30分枠はちょっと難しいかという事になりそう。
  • 二輪はまだまだガソリンだな、と思わせられるな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

850.5955.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

122.01200.0万円

中古車を検索
H2の買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?

あなたの愛車いまいくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで! 登録してお得なクーポンを獲得しよう
マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

ログイン

中古車探しをもっと便利に

  • 中古車お気に入り管理
  • おすすめ中古車の表示

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

850.5955.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

122.01200.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車いまいくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村