最終ラウンド“チャンピオンシップ4”に向け8名の熾烈なポストシーズン勝ち抜き戦が続く2023年のNASCARカップシリーズだが、今季限りでの引退を表明している2014年チャンピオンのケビン・ハーヴィック(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)に対し、所属先のSHRとメインパートナーであるバドワイザー/ブッシュ・ライトがサプライズ企画を用意。
次の週末に訪れるホームステッド=マイアミ・スピードウェイがかつてのタイトル獲得の地であることから、同地で2014年にチャンピオンシップを獲得した際のカラーを彷彿とさせる“スローバック・スキーム”で出場すると発表した。
これぞ大一番での勝負強さ。カイル・ラーソンが0.082秒差勝利で次ステージ1番乗り/NASCAR第33戦
また、同じくホームステッドで併催されるNASCARクラフツマン・トラック・シリーズの第22戦『バプティスト・ヘルス200』と、続く第23戦『チャンピオンシップ・レース』の今季最終2戦には、マルコ・アンドレッティがスパイア・モータースポーツの7号車シボレー・シルバラードRSTで復帰参戦することがアナウンスされている。
今週末のホームステッド、そして11月最初の週末に決着を迎えるフェニックス・レースウェイでの最終戦に向け、名門一家の36歳が7月のミドオハイオ以来のクラフツマン・トラック・シリーズ再挑戦を果たす。
「夏のミドオハイオでのドライブは、スパイア・モータースポーツのおかげで本当に楽しかったね」と、そのデビュー戦を19位でフィニッシュしていたマルコ。
「最終結果は僕らのスタートからのペースを反映していなかったけれど、こうしたトラックがどんなハンドリングを示すのか、さらに何が期待できるのかについて多くのことを学んだよ」
「限られたストックカーの経験をさらに広げて、より大きなオーバルを何周も走りたいと思っているんだ。ホームステッドとフェニックスは、僕がSRXのシリーズで経験したものとは大きく異なるし、当然ミドオハイオとも全然違う。それが僕の望んでいることだ」
そんなマルコは2006年から2010年シーズンまで、インディカーでホームステッドを5戦経験し、2016年から2018年にかけてフェニックスに3度出走している。
「僕はインディカーでこのレーストラックの双方をドライブしたことがあるが、より高いGフォースとより多くのスロットル開度が要求される。プラクティスは20分だけですぐに予選に入るし、また深いところ(グリッド後方)に突き落とされることになるだろうが、それが学ぶための最良の方法だ」と続けた元インディ500のポールシッター。
「レースシミュレーターにもしばらく時間を費やしたが、それは有望だったし、トラックにどのように反映されるか見てみよう。僕のやり方で言えば、まだすべては始まったばかりさ」
■ホームステッドでの第34戦は、ハーヴィックにちなんだ大会名称に
一方、勝者総取り方式の初年度となった2014年に、最終戦でレッド&ホワイトのバドワイザー・カラーの4号車でNASCARカップシリーズ初制覇を果たしたハーヴィックだが、チャンピオンシップを獲得するには勝利が必要だった。これまでのところ、その“Winner-takes-all”のフォーマットで優勝を飾ったのが、マイアミでの唯一の成功として記録されている。
「すべてが順調に進んだこと、そして素晴らしいコール(ピット戦略)とシーズン最後のレース、そしてスチュワート・ハース・レーシングへの移籍初年度で起こったすべてのことについて、鮮明に記憶しているよ」と振り返ったハーヴィック。
「年の初めに僕らが経験したすべての逆境、それに対するマシンの速さ、そしてそれを一日でまとめてチャンピオンシップを獲得したことを考えれば、おそらくこのシングルレースがキャリア最高のハイライトだと言えるね」
「あの年、ボルトやナットの手配からドライバー、クルーチーフの雇用、さらにはレースカーさえ持たない状況から始めた。それでも僕らは最速のマシンを持っていたと思うが、多くの失敗や思いどおりにいかない場面もたくさんあった。それがポイント構造とプレーオフの仕組みによりチャンピオンシップへの道を勝ち獲ることができ、システムの設計方法のおかげで僕らの欠点をすべて覆すことができたんだ」
「48号車のチーム(ジミー・ジョンソン)を見て『ああ、あの人たちは地球上でもっとも幸運な人々だ』と思ったことがある」
「実際、2015年と2020年はおそらく僕らにとって最高の年だったが、チャンピオンシップを獲得することはできなかった。それが実際に僕らがいるシステムだ。最高の年を過ごすことが重要なのではなく、適切なタイミングで勝利し成功することが重要なんだ」
今週末のホームステッド=マイアミ・スピードウェイは、ハーヴィックにちなんでその名称を第34戦『4EVER 400』にすると表明している。
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