自由なライフスタイルにスポーティさを
周囲とは異なる、オシャレでラグジュアリーな中型SUVをお探しなら、メルセデス・ベンツGLCのクーペはいかがだろう。実用的なワゴンボディのGLCをベースに、広いリアシートと荷室を多少犠牲にしつつ、緩やかに傾斜したルーフラインで着飾っている。
【画像】目を潰れる価格差? メルセデス・ベンツGLC 300 クーペ 競合クラスのSUVと比較 全153枚
このようなクーペSUVは、目新しい存在ではないかもしれない。アウディQ5のスポーツバックや、BMW X4、ポルシェ・カイエン・クーペ、フォルクスワーゲンID.5など、同様に仕立てられたモデルを各社がラインナップしている。
より自由なライフスタイルを求めつつ、スポーティさも望むユーザーに対して、訴求力を強めたモデルだ。英国で提供されるパワートレインの選択肢は、基本的にワゴンボディのGLCと大きくは違わない。
今回試乗したGLC 300 クーペが搭載するのは、258psを発揮する2.0L 4気筒ガソリンターボ。ほかに、GLC 200d クーペでは196ps、300d クーペでは258psに設定された、2.0L 4気筒ディーゼルターボも用意される。
プラグイン・ハイブリッドのGLC 300eも、2023年末頃に英国では販売が始まる。駆動用バッテリーだけでの走行可能距離は最長127kmがうたわれ、こまめに充電していれば日常的にエンジンを回さず移動できるはず。
GLC 300 クーペの場合、0-100km/h加速は6.2秒。トランスミッションは、9速オートマティックが組まれる。
大きなボディでも走りは活発 乗り心地は硬め
実際に走らせてみよう。出だしは、アクセルペダルを傾けてから進み始めるまでの間に、僅かな躊躇がある。緩やかな傾斜では、ブレーキペダルを放してからほんの少し後退する場面もあった。
それ以降は、4気筒ターボエンジンが大きなボディを活発に動かす。9速ATはシームレスにギアを替え、変速を知覚できないほど。
見た目に合わせるため、スポーツサスペンションが標準装備。タイヤのサイドウォールが高めの19インチ・ホイールを履いていても、乗り心地は硬めに感じられた。アスファルトが酷く傷んだ状態を、シートを通じてドライバーへ伝える。
振動は、我慢を強いるほどではない。だが、エアサスペンションやアダプティブダンパーが組まれたライバルの方が、快適なことは事実ではある。
GLC クーペでも、オプションでエアサスは選べる。短時間試乗してみた限り、しなやかに路面の不整をいなしていた。ところが、ワゴンボディのGLCと同様に、英国仕様ではオプションでも選べないそうだ。
カーブの連続する道へ進むと、スポーツ・サスペンションの効果が表れる。1925kgと軽くないボディをしっかり支えつつ、安定したグリップ力を生み出す。
通常のGLCと同じく、ステアリングのレシオは可変式。ただし、スポーティな走りを意識して、クーペでは特性が変えられている。正確性が高いことに変わりはないが、切り始めでは軽く、そこから若干不自然に重みが増していくように思えた。
とはいえ、意欲的にカーブは縫える。ポルシェ・マカンほどではないけれど。
ファッショナブルで上質なインテリア
インテリアは、期待通りファッショナブルで上質。特にフロントシート側は広々としており、英国ではエントリーグレードになるAMGラインですら、ライバルを忘れて商談を進めたくなる雰囲気を放っている。
じっくり観察を始めると、素材の質感がさほど高くない部分も見えてくるが、居心地は良い。リアシート側も、傾斜したルーフラインでありながら、上下方向にも余裕がある。
ただし、小さめのリアウインドウも傾斜しており、後方の視界は限定的。駐車時は、パーキングセンサーとバックカメラの映像が大いに活躍してくれる。
ダッシュボードの中央には、11.9インチのインフォテインメント用タッチモニターが据えられる。バックカメラの高精細な映像のほか、ナビはもちろん、アップル・カープレイとアンドロイド・オートにも標準対応。必要とするであろう機能は網羅している。
車両価格は、ワゴンボディのGLCより少々お高め。英国の場合、約7000ポンド(約122万円)の上乗せになる。乗り心地や実用性などを冷静に比較すると、GLC クーペを選ぼうという気持ちは揺らぐかもしれない。
それでも、クーペSUVのスタイリングに強く惹かれるなら、目を潰れる価格差なのかもしれない。感じ方は、人それぞれだ。
執筆:Dan Jones(ダン・ジョーンズ)
メルセデス・ベンツGLC 300 4マティック・クーペ AMGライン(欧州仕様)のスペック
英国価格:5万1025ポンド(約893万円)
全長:4731mm
全幅:1890mm
全高:1600mm
最高速度:239km/h
0-100km/h加速:6.2秒
燃費:13.3km/L
CO2排出量:171g/km
車両重量:1925kg
パワートレイン:直列4気筒1999ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:258ps
最大トルク:40.7kg-m
ギアボックス:9速オートマティック/四輪駆動
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みんなのコメント
最近の記事って日本語すら不自由な人多いね。
それ、「瞑れる」です。