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唯一の燃リス車両ながらトップ争いで魅せたNiterra Z、ランク首位陥落も高星明誠「悔しいけど、劣っているとは思わない」

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唯一の燃リス車両ながらトップ争いで魅せたNiterra Z、ランク首位陥落も高星明誠「悔しいけど、劣っているとは思わない」

 10月15日に大分県のオートポリスで行われた2023スーパーGT第7戦『AUTOPOLIS GT 450km RACE』の決勝。GT500クラスで唯一の燃料リストリクターワンランクダウンながら、3号車Niterra MOTUL Zは予選でニッサン勢で最上位となる予選9番手でレースに臨み、決勝でも3位表彰台を獲得。ランキング2位で最終戦のチャンピオン争いに望みをつないだ。そのオートポリスのレース終盤、トップ争いを演じた高星明誠に話を聞いた。

 3号車Niterra MOTUL Zは決勝の第1、第2スティントを千代勝正が担当すると一時トップに立つまでポジションを上げ、63周目に高星に交代。ピットアウト直後には5番手まで順位を下げるも、「38号車(ZENT CERUMO GR Supra)を抜いたときは少し興奮しました。前を走る16号車(ARTA MUGEN NSX-GT)よりもペースが良かったので、前に出られれば優勝できると思いました」との言葉どおり、高星は2番手まで順位を上げ、トップの16号車ARTA MUGEN NSX-GTとの差を詰めていく。

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 しかし、その後方から高星を上回るペースで追い上げてきたのが、チャンピオンシップを争う36号車au TOM’S GR Supraを駆る宮田莉朋。

「ランキング争いをしているので、素直に負けたくなかった」と高星が話すように、後ろから36号車宮田に何度も並ばれつつも絶妙なブロックで抑え、1コーナーでもインを譲らない見事なディフェンスを見せていた3号車。しかし、77周目にストレートで並ばれ、その後サイド・バイ・サイド状態でバトルを続けながら、高星は第2ヘアピンで36号車宮田に先行を許してしまう。

「抜かれる前の周回から、36号車の(第2ヘアピンでの)ブレーキングとトラクションが良いことは分かっていたので、警戒して走っていました。相手の気持ちいいところでアクセルを踏ませないトライもしましたけど、それでも負けてしまったので素直に悔しいです」

 その高星を追い抜いた宮田の勢いは衰えず、87周目の第2ヘアピンで16号車を交わしてトップに立つと、高星の前は大津弘樹がステアリングを握る16号車に変わる。

「2位に上がることができれば(36号車との)ポイント差を縮めることができますし、16号車が(タイヤが)タレていることは分かっていました」(高星)

 しかし、16号車を目の前にしながら高星はそのままフィニッシュを迎え、3号車は2位と0.380秒差の3位でオートポリス戦を終えた。「16号車をオーバーテイクしたかった」と悔しさを見せる高星。決勝でもやはり、唯一燃料リストリクターが入ったクルマでエンジン出力面で厳しかったことと、ピックアップにも苦しめられたことを明かしながらも、レース内容はポジティブにも捉えているようだ。

「オートポリスで3位になれるとは思っていなかったので、自分たちのベストを尽くせたと思っています。ただ、36号車に順位もランキングも負けてしまったので、そこに関しては悔しいです」

「36号車を抑え、かつ16号車をオーバーテイクできていれば完璧でしたけど、抜かれてしまったので完璧ではありません。自分たちのやれることはやりましたけど、今回はそれでは足りなかったです」と高星。

 これで最終戦を前にしてランキング2位後退となった3号車は、最終戦で36号車がノーポイントの場合、4位以上で自力チャンピオン獲得となる。高星はもてぎ決戦に向けて意気込みを語る。

「今回の1回のレースだけで(36号車に)劣っているという思いはありません。僕は毎戦『自分たちのベストを尽くす』レースをするというスタンスなので『最終戦だから何が何でもチャンピオンを』という思いよりも、『最終戦でも自分たちのベストを尽くす』気持ちで臨みたいです」

 ランキングが逆転されてしまったとはいえ、燃料リストリクター付きでエンジン出力が制限されている状態ながら、ストレートではそこまで大きく他車に遅れることなく、レースでも順調にポジションをアップさせた3号車。ノーウエイト勝負となる最終戦もてぎで、どんなパフォーマンスを見せるのか。

 昨年の最終戦もてぎではランキング首位でレースを迎え、チャンピオンにもっとも近いと思われていた3号車。昨年の決勝では1周目の接触でドライブスルーペナルティを科されたことが響き、タイトルを獲得することはできなかったが、今年はそのリベンジに加え、GT500最終年となるミシュランタイヤのためにもチャンピオン獲得は至上命題と言えるだろう。

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