登場が予告されたレクサスの新しいSUV「TX」について、今尾直樹が考えた!
3列目シートの可能性
5月9日、米国でレクサスがTXなる新型車の登場を予告した。いわゆるティーザーである。とはいえ、第1弾で明かされたのは、“Coming Soon! The First-Ever Lexus TX(近日公開! 史上初のレクサスTX)”というコピーとリヤクオーターの写真だけだ。う~む。これではぜんぜんわからんではないか。
それでも世のなかの進歩は目覚ましい。「レクサスTX ライバル」と、検索サイトに打ち込むと、チャットGPTを使わずとも、たちどころにレクサスTXについて報じている自動車サイトが出てきた。それらはいずれも、これがトヨタ「グランド・ハイランダー」のレクサス版で、ドイツのBMW「X7」やメルセデス・ベンツ「GLS」をライバルとする3列シートのSUVであると予想している。このリヤセクションの写真だけで、わかっちゃうのだからたいしたもんである。
ただし、今年2月に米国で発表されたグランド・ハイランダーの写真と見比べると、レクサスTXのボディパネルは別物のようである。リヤのドアもテールライトも形状が異なっていて、新型「RX」とか「RZ」とかとも共通の、折り紙のようなパキパキのラインと面が、レクサスであることを主張している。バッジとシート表皮を変えるだけで、トヨタとレクサスブランドを差別化するようなことを、最近のトヨタはしていないわけで、それも当然といえば当然だろう。
プラットフォームを共有するグランド・ハイランダーは全長5.0mを超える、日本だとずいぶんでっかい3列シートのSUVで、3列目にも大人が乗れるスペースと広い荷室を持っている。それが最大のアピールポイントで、ミニバンのクロスオーバー、あるいはSUV風のミニバンと考えることができる。
ミニバンだったら、今秋日本でも発売予定のレクサスの新型「LM(ラグジュアリー・ムーバー)」を米国に投入すれば、かの地でもウケそうだけれど、そうしないのはかの地のミニバン人気がすっかり下火になっているからだ。女子サッカーとか少年野球とか、近所の子どもを含むクラブ活動の送り迎えみたいなことにも、最近はSUVが使われているらしい。自動車というのは流行商品だから、流行り廃りは致し方のないところだ。
つまるところ、ミディアム・クラスの3列SUVのマーケットはもっと広がる可能性がある。なぜって、少なくとも米国のベスト・セリング・カーのトップ25とかを見ている限り、そういうタイプのクルマはまだ数少ないからだ。新たに発見された未開拓地、といってもいい。
だって、X7やGLSのライバルだったら、レクサス「LX」、トヨタ「ランドクルーザー」のレクサス版があるではないか。だけど、BMWにもメルセデスにも、3列目にも大人が乗れる居住空間のあるSUV、またはクロスオーバーは、いまのところ存在していない。だからこそ、トヨタはグランド・ハイランダーとレクサスTXの両面作戦によって、より広い陣地を築こうとしているのではあるまいか。
レクサスがBMW X7やメルセデスGLSを視野にまったく入れていないわけではない。その場合、レクサスTXの長所は、エンジン横置きのプラットフォームということになる。横置きだから、エンジン縦置きのドイツ勢より、ボディが多少小さくても、居住空間は広くとれる。米国のレクサスとしては、かつてFWDの「ES」でBMWの「5シリーズ」やメルセデスの「Eクラス」と、真っ向勝負を避けつつ、エグゼクティブ・サルーンとして第3の地位を築いたことの再現を狙っているのかもしれない。
SUVクーペの元祖最後に、なぜレクサスはSUVの3列シートは出すのに、クーペを出さないのか?
最近、フェラーリの「プロサングエ」とかアストンマーティン「DBX707」とか、高性能SUVが大いに話題になっているのに……。という質問を編集部からいただいたので、お答えしたい。
それは、レクサスこそSUVクーペの元祖だからです。レクサスRX。日本では「ワイルド・バット・フォーマル」で人気を集めたトヨタの初代「ハリアー」。あれこそ、こんにちに連なるラグジュアリーSUVの嚆矢である。少なくともトヨタはそう自負している。現行レクサスRXも、EVのRZも、いかにもSUVクーペのかたちをしているではありませんか。
繰り返しになるけれど、BMWのX5もポルシェ「カイエン」も、それ以降のベントレーとかジャガーとかマセラティとか、ロールス・ロイスもフェラーリもラグジュアリーSUVは、すべてワイルド・バット・フォーマルなかりせば、生まれていなかった……かもしれない。トヨタ&レクサスにとって、SUVクーペはすでにあるどころか、元祖なんである。
もちろん、SUVクーペで製品レンジを広げる手もある。でも、すでにRXからNX、UXと広げている。だから、新ジャンルに挑戦する。それがミニバンとSUVをかけ合わせたTXなのだ。たぶん。
文・今尾直樹 編集・稲垣邦康(GQ)
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所詮国産車メーカー。