「ワイスピ」の世界が日本にやってきた
映画『ワイルド・スピード』の世界観をそのまま再現する世界最大級のカーフェス「FUELFEST(フューエルフェスト)」が、2022年8月11日に富士スピードウェイにおいて日本初開催された。
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このFUELFESTは映画『ワイルド・スピード』シリーズのブライアンを演じていた故ポール・ウォーカーが2010年に設立した非営利災害支援団体「Reach Out World Wide(ROWW)」を存続させるため、弟であるコディ・ウォーカーと、友人であり映画にも出演するタイリース・ギブソンが立ち上げたカーフェスである。当日は、観客3万人オーバー、総勢2000台を超える様々なジャンルのカスタムカーが勢揃いし、映画さながらの0−200mストリート・ドラッグレースや、日本発祥の激しいドリフトパフォーマンスなど、各エリアごとのさまざまなコンテンツが大いに盛り上がった。
本物の劇中車がFSWに降臨
われわれAMWが注目したのは、2017年に公開されたシリーズ8作目となる『ワイルド・スピード・アイス・ブレイク』で実際にドミニク(ヴィン・ディーゼル)が操った主役車「ダッジ・チャージャー」だ。
この作品では、氷河の上でカーチェイスを繰り広げるために改造を施したフルカスタムのダッジ・チャージャーが登場。巨大潜水艦との氷河チェイスや爆破シーンといった激しすぎるストーリーが展開された。
氷上仕様のダッジ・チャージャーということで、通称「アイス・チャージャー」とも呼ばれるこの劇中車、じつは日本でアメ車専門店を営む「KG BASE」が所有しており、今回はFUELFEST開催に合わせて特別にお披露目されたというわけだ。
間近に見るアイス・チャージャーの姿はオーラが違った。仕様についてはあまり明かされていないが、その作り込みの完璧さ。見てくれだけのハリボテ車ではなく、すべてにおいてきちんと走れるように完璧なカスタムが施されている。
圧巻の超幅広フェンダー
アイスチャージャーのベースになっているモデルは、1968年型のダッジ・チャージャーだ。そして、氷上仕様として駆動方式は驚くことにAWDになっている。
また、サスペンションも前後ともにコイルオーバー(ショックアブソーバー+スプリング一体式)の車高調式サスペンションに変更され、氷上においてエンジンパワーを無駄なく路面に伝え、それをきっちりコントロールすることができるように強力な機械式LSDもセットする。
一方、迫力のエクステリアは、フロントマスクが固定式の4灯LEDヘッドライトモデルで、ボンネットにはダクトを追加。前後フェンダーに超幅広なオーバーフェンダーを装着し、リヤエンドにはスポイラーやディフューザー等を追加している。また、すべての窓の縁には、パンチングパネルを装備させて装甲車を連想させるイメージに仕上げているのもポイントだ。
さらにトランクスペースには、劇中で重要な役割を果たす「電磁パルス砲」を搭載。その隣にはアフターバーナー・エフェクト装置付きジェットタービンもセット。ここには巨大なマフラーが取り付けられているが、本当のマフラーエンドは、右側リヤフェンダーを貫通出しするサイド管の方だ。排熱を考慮し、リヤフェンダーを遮熱板で覆ってるところもリアルさを追求している。
* * *
実在するクルマを改造し、手に汗握るド派手なカーアクションを繰り広げるワイルド・スピードシリーズ。我々のようなクルマ好き、改造車好きにとって、劇中車はカスタムカーとしても見応え十分。映画に登場するすべてのマシンはカッコ良くて魅力的だが、アイスチャージャーはその最たる1台と言っていいだろう。
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