ハイパーカー18台、LMGT3も18台の合計36台のマシンがはるばる海を越え、WEC世界耐久選手権の日本ラウンド『富士6時間耐久レース』のために富士スピードウェイに集結。13日、残暑厳しい9月の富士で熱戦の火蓋が落とされた。
そんな第7戦富士のレースウイーク初日のパドックから最新情報や気になるトピックをお届けする。
WEC富士は空前のロッシ・フィーバー!「テクニカルな区間は難しいけど、ここは楽しいコースだね!」
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13日の金曜日に富士で行われた2回目のプラクティスで、ドリス・ファントール駆る15号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームWRT)によって記録された1分29秒577という走行初日のベストタイムは、2023年のWEC富士の初日それよりわずかに遅かった。昨年の初日最速タイムは、セバスチャン・ブエミ(TOYOTA GAZOO Racing/8号車トヨタGR010ハイブリッド)によって記録された1分29秒523だった。
TGRのチーム代表兼7号車のドライバーである小林可夢偉は、9月13日に38歳の誕生日を迎えた。チームから手荒い祝福を受けた後、イベント前の記者会見に出席した可夢偉は、今週末の結果により来年のWEC富士でどのホテルに泊まるかが左右されることが、“ホーム”で勝利を手にするためのさらなるモチベーションになると冗談交じりに語った。
「去年の富士で優勝したので、今年は富士スピードウェイホテルに泊まっています」と可夢偉。「普段はビジネスホテルを利用していますが、そこは本当に小さなホテルです。今年優勝できなければ来年はそこに戻らなければなりません!」
■元御殿場市民のチーム代表に敬意を示す
平川亮は土曜日に自身初めて予選アタッカーを担当する予定だ。セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレーと8号車トヨタGR010ハイブリッドをシェアする彼はSportscar365に対して次のように語った。「このポジションに就くことができて光栄です。チームに入って3年目になりますが、この仕事をさせてくれることをとても嬉しく思います。予選で上位に入り、チームメイトに(決勝で)楽な時間を与えられることを願っています」
平川は、今週末の富士レースに向けて気管支炎を患っていることを明かしたが、トヨタ8号車の自己ベストタイムを記録した金曜日のパフォーマンスには影響しなかったと語った。
ユナイテッド・オートスポーツから母国ラウンドに臨む佐藤万璃音は、チームの共同オーナーであるリチャード・ディーンを驚かせた。彼は1993年から95年までの3シーズン、フォーミュラ3、フォーミュラ3000、ツーリングカーで日本のレースを戦ったイギリス人に敬意を表した特別デザインのヘルメットを発表したのだ。
■チームもドライバーも学びの真っ最中
アルピーヌ・エンデュランス・チームのフィリップ・シノー代表はSportscar365に対し、ジュール・グーノンとポール・ループ・シャタンを富士と交代させるという決定はシーズンオフの時点で決まっていた「当初の計画」だったと語った。
「ジュール(・グーノン)はフェルディナンド・ハプスブルクの怪我のために(第2戦イモラと第3戦スパ)レースをしたが、私たちはポール・ループ(・シャタン)の全面的な同意を得たうえで計画を変更しないことに決めた」
同氏は次のように付け加えた。「私たちはまだプログラムの1年目だ。ドライバーも含めてまだ学びの最中にある。だからこそ、リザーブドライバーを起用したかったのだが、彼はただのリザーブではない。ジュールのレベルを分析するためのデータを得るために、彼にハイパーカーで走る機会をもっと与えたかった。彼のことをもっと理解するためには、このレースが必要なんだ」
シノーによると、シャタンは今週末のレースに向けて来日しておらず、フランスの自宅からビデオ中継を通じてアルピーヌの報告会に参加するという。
■2023年の富士は大苦戦
フェラーリの耐久レースおよびテスト・オペレーション・マネージャーを務めるジュリアーノ・サルヴィは、第5戦サンパウロでフェラーリ499Pに導入されたブレーキ冷却のアップデートが、昨年フェラーリが苦戦した日本サーキットで実を結ぶと考えている。しかしサルヴィは、次のバーレーンが新しいパッケージの究極のテストになると語った。
「(アップデートは)パフォーマンスに影響を与えるものではないが、ある程度役に立つと思う」とサルヴィはSportscar365に語った。「以前よりもオープンで幅広いセットアップウインドウを持つことができるはずだ。私たちは方向性を見つけた。去年はここでかなり苦労した。最初の年だったので浮き沈みがあったが、それは『499P』を理解するためのプロセスの一部だった」
Sportscar365は、ハイパーカーにタイヤを供給しているミシュランが来月ポール・リカールで1日のみのウエットタイヤテストを予定しており、2026年に向けた新しいコンパウンドの開発プロセスの一環として多くのハイパーカーメーカーが参加することを理解している。ミシュランのテストに続いてさらに2日間の通常テストが行われ、ポルシェとトヨタはその全日程に参加することが確認されている。
■ポルシェが強い理由
金曜日にLMGT3クラスのBoP(バランス・オブ・パフォーマンス=性能調整)が改訂され、アストンマーティン・バンテージAMR GT3とポルシェ911 GT3 Rのベースパワーが変更された。また、9モデル中5つのクルマのパワーゲインについても今週初めに発表された数値から修正されている。
マンタイEMAのドライバーであるヤセル・シャヒンは、今週末のレースに向けてトラックを学ぶために、先月富士で行われたランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアに参加した。彼と91号車ポルシェ911 GT3 Rをシェアしているリヒャルト・リエツは、それが今シーズンのポルシェLMGT3の大規模なテストプログラムの一環であると説明した。
リエツはSportscar365に対し次のように語った。「新車のテストには多大な労力を費やしてきた。シーズンが始まる前に50時間のテストを行った。また、チャンピオンシップの最中にブラジルに行き、さらにCOTAを2日間貸し切ってテストをしている。他のドライバーたちがどの程度テストを行っているのかはわからないが、我々のブロンズドライバーたちはやる気に満ちておりパフォーマンス面でベストを尽くしている。その結果、これまでのところ良いシーズンを過ごすことができている」
マンタイ・レーシングが運営する92号車と91号車はLMGT3クラスでランキング1位と2位を独占しており、今大会の結果次第ではマンタイ・ピュアレクシング92号車のクルーが最終戦を待たずにドライバー選手権とチーム選手権の両タイトルを確定させる可能性がある。
WEC富士の予選日となる9月14日(土)は、10時20分からフリープラクティス3回目が行われたあと、14時20分からLMGT3、ハイパーカーの順に予選と二次予選のハイパーポールが実施される予定だ。
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