ロードレース世界選手権のMotoGPクラスに2チーム体制で参戦しているKTMは、6月25日に2021年シーズンを戦うライダーラインアップを明かした。レッドブルKTMファクトリー・レーシングはブラッド・ビンダーとミゲール・オリベイラ、レッドブルKTMテック3はイケル・レクオーナ、さらにダニロ・ペトルッチを新たに迎えるサプライズ発表を行った。
これにより、レッドブルKTMファクトリー・レーシングはビンダーが継続参戦するが、ポル・エスパルガロが離脱することに。KTMはこのラインアップ発表と同時に、4シーズンを過ごした後チームを去ることになったポル・エスパルガロに感謝の気持ちを伝えている。
MotoGP:KTMの2チームが2020年型マシン『RC16』を公開。テック3はカラーリング変更
来季、ポル・エスパルガロがKTMから抜けて1席空くことで、ドゥカティからペトルッチが移籍。来季はKTMのMotoGPマシン『RC16』を駆ることに決まった。
また、来季のMotoGPを走るKTMの4人全員が、2021年のみの1年契約となることもわかった。これまで2年ごとに契約が交わされていることが多かったが、KTMは2022年以降においてのライダーラインアップを来年もアナウンスすることになる。
「レッドブルKTMファクトリー・レーシングでもう1年間、RC16を走らせることができることに信じられないくらい興奮している。今シーズンが始まり、MotoGPで最初のレースを成し遂げることを本当に楽しみにしている」と2021年もKTMファクトリーで継続参戦するビンダー。
「この機会を得られたことは光栄であるし、KTMとともに明るい将来を見据え、素晴らしい時間を過ごすことを楽しみにしている」
サテライトのレッドブルKTMテック3から昇格したオリベイラは「KTMが今後2年間、参戦する機会を与えてくれたことに本当に満足している。このプロジェクトでライダーとしての価値を示してくれて、彼らに信頼されていると実感できた」とコメントした。
「加入して初日からバイクに対して最善を尽くし、良い結果に到達する可能性を信じてきたから、これらを近い将来に実現させたい。それをするためと、ライダーとしても成長するためにもふさわしい場所にいると思う。すごく大きな機会だ」
「まだ2020年に集中する必要があるが、この大きなチャレンジに感謝している。KTMファミリーに感謝したい」
レッドブルKTMテック3のレクオーナは「2021年のプロジェクトで、僕を信頼してくれたレッドブルKTMテック3に本当に感謝している。初日から新型RC16はすごく良い感触だったし、(代役で出場した)2019年の最終戦バレンシアGPで走らせたバイクよりかなり進化していた」という。
「このマシンでうまくレース運びができると思う。2021年の契約を交わしたことで、ルーキー・オブ・ザ・イヤーという目標に向けて戦うのに充分な安心感が得られる。素晴らしい家族に入れたような気がする」
KTMのモータースポーツディレクターを務めるピット・バイラーは「我々のMotoGPプログラムのために、ハングリーな4人のライダーを迎え入れることは大きな喜びだ」とライダーについて以下のように触れた。
「ブラッドとミゲールは、生産的な協力関係を持ち、グランプリのすべてのステージにおいて、勝利の意欲と才能を示している。彼らには我々のMotoGPプロジェクトを前進させるために必要な決断力があると信じている」
「同じことがレッドブルKTMテック3にも当てはまり、ダニロをファミリーに迎え入れることを嬉しく思う。彼の経験は非常に重要だが、我々は献身的で正しい姿勢を見せるライダーに頼る。彼がまだMotoGPで証明するものがあると信じている」
「一方で、我々は未来のフロントランナーたちに投資をするが、2021年にはスターになっている可能性があるため、それを見ることが楽しみだ。2チームのセットアップがあるが、実際には4人のアスリートは同じバイクを走らせ、同じ可能性を持つため大きな1チームとなる。ライダーの成長と成功はKTMの素晴らしい歴史となり、厳しい競争のなかで高みを目指しそこに導いてくれるだろう」
レッドブルKTMファクトリーのレースマネージャー、マイク・レイトナーは「2021年のレッドブルKTMファクトリー・レーシングには非常に才能のあるふたりがおり、Moto2とMoto3で彼らが何をしてきたかを確認した。両者をMotoGPクラスで起用できることは素晴らしい」とファクトリーチームで参戦するふたりについて述べた。
「ミゲールはすでにこのカテゴリーで一歩を踏み出しており、昨年のレッドブルリンクでは好成績(8位)を残した。残りのシーズンにおいて、肩の負傷に苦しんだから、シルバーストンでのクラッシュは不運だった。今年は良いチャンピオンシップとなり、2021年に向けてさらに準備が整うことを期待する」
「そして、ブラッドのスキルとポテンシャルはわかっている。もちろん彼は新人だが、2020年にスピードアップして、2021年により強くなれるようにカテゴリーで学べることを手助けする」
「現在のライダーラインアップにとても自信がある。さきほど言ったように、ビンダーは学ぶだろうし、ポルはまともな結果を得る大きなチャンスがある。レースが待ち切れない」
レッドブルKTMテック3のチームマネージャーを務めるエルベ・ポンシャラルは「MotoGPチームが将来のラインアップを発表する時はどれほど嬉しいだろうか。現在のライダー、ミゲール・オリベイラとイケル・レクオーナとともにヘレスでレースをスタートさせる。KTMにとって2020年は成功するシーズンになると信じており、レッドブルKTMテック3にも期待している」と語る。
「レース再開までの長い間、レッドブルKTMの組織と2021年のラインアップについて考えなければならなかった。リーダーのポル・エスパルガロが去るのを確認して、それ以来たくさんのミーティングを重ねて決定し、最終的にそれを発表することができ嬉しく思う」
「レッドブルKTMテック3については、ファンとメディアにとって少しサプライズだったと思う。MotoGPで最少年ライダーのイケル・レクオーナが2021年も我々と一緒に参戦する。彼にとってMotoGPへの昇格は大きな動きだったが、残念ながらまだ才能を発揮する機会がない。近い将来、イケルはMotoGPクラスのリーダーになる能力があると思っている」
「そして、大きなサプライズがある。2021年からダニロ・ペトルッチを迎え入れる。これは楽しみなことだ。ダニロは男らしく、私はとても尊敬している。彼は一見普通の男だが、みんなに挨拶ができ、カリスマ性とユーモアなセンスがある」
「その上、最も重要なこととして、彼はチームプレイヤーでありMotoGPウイナーでもある。彼が昨年ムジェロ(イタリアGP)で優勝したことを忘れてはいけない。マルク・マルケスとアンドレア・ドヴィツィオーゾを破り、簡単なことではないことを成し遂げた。イタリア人にとって非常に重要なレースだった」
「彼の経験と知識はMotoGPプロジェクトの成長と前進に役立つだろう。最後に、テック3に最も経験豊富なライダーがいるということは、今ではサテライトとファクトリーの隔たりはないということだ」
「4人のライダーたちは、同じサポートを受け、同じ機材が提供される。これはKTMファクトリーのサポートが受けられることを意味する。KTMに感謝する。これはエキサイティングなニュースであり、エキサイティングなプログラムだ。2020年シーズンをはじめ、2021年のクルーたちとはやく仕事を始めたい」
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さらに、常に市販車の販売を念頭に置きトラスフレームに拘る。
であれば、ライダーの育成も含め何故Moto2からシャーシビルダーを撤退したのかは謎。