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「キミは三菱トレディアを知っているか!?」コルディアの兄弟車として登場したマニアすぎる4ドアセダン【ManiaxCars】

掲載 更新 46
「キミは三菱トレディアを知っているか!?」コルディアの兄弟車として登場したマニアすぎる4ドアセダン【ManiaxCars】

コルディアとの違いが分かればキミも変態だ

“エレクトロジェット”エンジンの走りは超軽快!

「キミは三菱トレディアを知っているか!?」コルディアの兄弟車として登場したマニアすぎる4ドアセダン【ManiaxCars】

車名が似てるだけに、「むむ、どっちがどっち?」と思わず混同する、うろ覚えな兄弟車ってのがごく稀にある。その代表格が三菱のコルディア/トレディアだ。覚え方としては『コルディア=3ドアハッチバック』、『トレディア=4ドアセダン』となり、今回取材したのはトレディアだ。

初代ミラージュをベースに開発されたトレディア(とコルディア)の登場は1982年2月。エンジンは1.4LのG12B型(82ps/12.1kgm)、1.6LのG32B型(88ps/13.5kgm)とそのターボ仕様(115ps/17.0kgm)、1.8LのG62B型(100ps/15.0kgm)が用意され、全9グレードで展開した。

その後、1983年10月に早くもマイナーチェンジ。G12B型とG32B型ターボに代わり、新たに1.8LのG37B型(105ps/15.0kgm)とG62B型ターボ(135ps/20.0kgm)が加わった。グレード展開は1.8Lモデルが4WD FXツーリング/GT-Xターボ/スーパーサルーン、1.6Lモデルがスーパーサルーン/FXの計5モデルに集約。取材車両は廉価グレードFXの5速MTになる。

搭載されるG32B型は地味に改良が行われ、まずダウンドラフト式2バレルキャブはそのままに電子制御化。シリンダー内に強力な噴流を起こして燃焼効率を高めるジェットバルブと合わせて“エレクトロジェット”と呼ばれた。

また、圧縮比も高められたことで(8.5→9.0)、前期型の88ps/13.5kgmから、後期型では92ps/13.6kgmへとスペックが微妙に向上。それぞれの発生回転数も500rpm高まり、最高出力を5500rpmで、最大トルクを3500rpmで発揮するようになった。

スタイリングは直線基調でオーソドックスなものだが、スラントしたフロントマスクはコルサとかリベルタビラとかに似ているし、「北米仕様!?」と思えるような5マイル風バンパーの取って付けた感もハンパではない。何より、純正ホイール仕様のトレディアなどレアすぎて笑ってしまったほどだ。

ダッシュボードは横長で直線基調。兄弟車コルディアとはデザインを大きく変えているところに三菱の気合を感じる。助手席の目の前にデジタル式時計が備わるが、運転席からは見づらい。

メーターパネルは各種警告灯を中心に、右側にタコメーター、水温計と燃料計のコンビメーター、左側にスピードメーターとミツビシ車のお約束エアフローインジケーター(カタログでは“空調絵表示”と表記)が配置される。

センターコンソールは上下分割式。上からマニュアル式エアコン操作パネル、AM/FMラジオチューナーとシガーライター、引き出し式灰皿が並ぶ。下段には後づけ感たっぷりのカセットプレイヤーも…。

表皮にベロア調ニットを採用することで高級感を演出したシート。座り心地はソフトで身体を包み込むようにサポートする。

トランクリッドのヒンジに技あり。側面にスライドレールを設けたリンク式とすることで、開閉に伴うラゲッジルーム側へのアームの張り出しを最小限に抑えているのだ。さらに、スペアタイヤを縦置き収納とすることでラゲッジフロアを低く設定。大型スーツケースを立てて積める555mmという深さを実現している。

はやる気持ちを抑えて試乗に出る。よほど程度が良いのか、G32B型“エレクトロジェット”エンジンの実力なのかはよく分からないが、たった970kgしかない車重もあって走りは軽快そのもの! しかも、明らかに燃費重視の3.470というハイギヤードファイナルによって、5速(ギヤ比0.855)100キロ巡航時のエンジン回転数はわずか2500rpm弱に抑えられる。

さらに、しなやかにストロークする前ストラット式、後トレーリングアーム式4輪独立サスが見せる抜群の接地性。これなら街乗りから高速巡航まで、今でも快適に乗れるのは間違いない。

そうすると気になるのがG32B型ターボ搭載の前期型GSR/GTターボや、G62B型ターボを載せる後期型GT-Xの走り…いや、その前にまずはコルディアとの比較試乗か…、と新たな野望がふつふつと湧いてくる。よし、取材できそうなコルディアを探すとしましょうか!

■SPECIFICATIONS

車両型式:A212A
全長×全幅×全高:4380×1660×1370mm
ホイールベース:2445mm
トレッド(F/R):1410/1375mm
車両重量:970kg
エンジン型式:G32B
エンジン形式:直4SOHC
ボア×ストローク:φ76.9×86.0mm
排気量:1597cc 圧縮比:9.0:1
最高出力:92ps/5500rpm
最大トルク:13.6kgm/3500rpm
トランスミッション:5速MT
サスペンション形式(F/R):ストラット/トレーリングアーム
ブレーキ(F/R):ディスク/ドラム

●TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)

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みんなのコメント

46件
  • コルディアは見た目も全く違うクーペ。
  • CMキャラクターは、俳優としても活躍したプロテニス選手のビンス・ヴァン=パタン。お父さんはアメリカの角野卓造さんとも言うべきおじさん俳優のディック・ヴァン=パタンで、当時のアメリカ人にとって鉄板の「親戚のおじさんの車」だった、GMの典型的ファミリーセダン、オールズモビル・デルタ88のCMに出ていた。「ブレザー感覚」というキャッチフレーズからも、三菱自身がこの車のポジションの微妙さを自覚していたことがわかる。カタログも雄大な風景にちっちゃく映った車を背景に空疎なリード文が踊る、ムード広告の最たるものであった。あれはマツダ・エチュードのそれと双璧だと思う。でも、これの次のモデルが"インディヴィデュアル"ギャランなのだ。

    コルディアは見た目の大きく異なるクーペなので、むしろ見分けがつかない方がおかしい。ミラージュⅡのセダンや初代ランサーフィオーレとの見分けが付くのならマニアかもしれないが……。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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