「AXCRの参戦を通じて得たノウハウを市販車の開発にフィードバックし、いっそうタフで力強く頼もしい三菱車をつくっていきたいと思います」(増岡総監督)
三菱自動車が技術支援するチーム三菱ラリーアートは、11月21日~26日にタイおよびカンボジアで開催されたアジアクロスカントリーラリー2022(以下AXCR)に「トライトン(T1仕様=改造クロスカントリー車両)」で参戦。総走行距離1524km、うち競技区間637kmを走破し、チャヤポン・ヨーター選手(タイ)が合計タイム8時間22分42秒で総合優勝を飾った。また、リファット・サンガー選手(インドネシア)は17分14秒差の総合5位となった。
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3年ぶりの開催となったAXCRは21日、タイ東北部のブリラムで大会最初のスペシャルステージ(SS)を行った後、セレモニアルスタートを実施。翌22日のレグ1から24日のレグ3までは、ブリラムを起点として周辺に設定されたSSで競った。25日のレグ4はブリラム周辺でのSSを終えた後にカンボジアとの国境線を超え、26日のレグ5ではカンボジア北西部のシェムリアップ周辺でSSを行った後、観光名所アンコールワットの近くで華々しいセレモニアルゴールを迎えた。
タイでの前半戦は荒れた乾燥未舗装路での高速ステージが主体で、後半戦は大雨によるぬかるんだ路面に大きく深い水たまりなども点在するなど難易度が増し、カンボジアではそれまでの5つのステージに比べてより厳しいコースが待ち受けていた。
トライトンの105号車を駆るチャヤポン・ヨーター選手は、初日のSS1を5位で終えて好感触を掴むと、2日目の今大会最長となる約203kmのSS2でトップタイムを記録して総合首位に浮上。その後、トライトンの力強い走りと軽快なハンドリングで、SS3を7位、SS4を6位、SS5を5位、SS6を5位と安定して上位でゴールし、SS2で築いたリードを守り切って総合優勝を果たした。
一方、118号車のリファット・サンガー選手はSS1でチームメイトに続く6位となり上位を目指すも、SS2でパンクを喫した後、足まわりを損傷させるなどで8位に後退。チームの修復作業により翌日以降も競技を続行すると、SS3を4位、SS4を5位、SS5を4位、SS6を7位と安定したタイムで総合5位まで浮上し、ラリーを通じてトライトンのタフさを証明した。また、119号車のサクチャイ・ハーントラクーン選手はSS1終了後に体調不良を訴え、新型コロナウイルスの検査結果で陽性となり、残念ながらリタイヤを余儀なくされた。
チーム三菱ラリーアートの増岡浩総監督はこのようにコメントしている。
「今回は市販車の高い信頼性と耐久性をベースに、エンジンや足まわりをチューニングした比較的市販車に近い仕様でAXCRに臨みましたが、2台のトライトンは力強い走りを披露して上位完走を果たしたことを大変誇らしく思います。トライトンの性能を引き出して素晴らしい走りを見せてくれたドライバー、ラリー車を毎日完璧に仕上げてくれたエンジニア、サポートしてくれたスタッフすべての素晴らしいパフォーマンスがあったからこその結果、そして三菱自動車が長年培ってきたノウハウによる賜物です。そして協賛各社様からの多大なるご支援、世界各地のファンのみなさまからの熱い応援メッセージがあったからに他なりません。AXCRの参戦を通じて得たノウハウを市販車の開発にフィードバックし、いっそうタフで力強く頼もしい三菱車をつくっていきたいと思います」
●AXCR2022 四輪部門 総合成績1位 チャヤポン・ヨーター選手(三菱トライトン) 8時間22分42秒2位 ジャラス・ジェンカモルクルチャイ選手(トヨタ・ハイラックスRevo) 8時間28分29秒3位 塙郁夫選手(トヨタ・フォーチュナー) 8時間28分34秒4位 青木拓磨選手(トヨタ・フォーチュナー) 8時間38分26秒5位 リファット・サンガー選手(三菱トライトン) 8時間39分56秒6位 タウィー・ネワンナ選手(いすゞD-Max) 8時間51分24秒
なお、三菱自動車の公式YouTubeチャンネルでは、11月21~26日のハイライト動画を配信しているほか、同社のAXCRスペシャルサイトでは、大会初日から最終レグまでのデイリーレポートが公開されている。
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