今の時代の日本を代表するホットハッチと言えばスズキスイフトスポーツにとどめを刺す。6MTモデルなら先進の安全装備を装着しても200万円を切る新車価格も魅力的だ。
スイフトスポーツを購入しようと考えた時に、新車価格も手ごろ感があるため、新車にするか、中古にするかという点でまず悩む。
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そのいっぽうで、小気味よい走りが健在な先代モデルの存在も気になる。
現行モデルを新車で買うか、中古で買うか? また、中古車なら先代にするか、現行にするか? と悩みは尽きない。
本企画は中古車のスペシャリスト、萩原文博氏がスイフトスポーツ購入術に関してアドバイスを贈る。
文:萩原文博/写真:SUZUKI、ベストカー編集部
スイフトスポーツは国産ホットハッチの救世主
【画像ギャラリー】:スイフトスポーツ
スイフトスポーツは現行モデルで4代目となるが、日本車では貴重なホットハッチで走りの気持ちよさは格別。若い世代にも注目してほしい1台だ
まもなく50歳となる筆者は、昭和が終わる1カ月前に運転免許証を取得した。
やがて、国産車のビンテージイヤーと言われる1989年(平成元年)を迎えて、トヨタセルシオ、日産スカイラインGT-R、ユーノスロードスターなど平成が終わり令和となっても名車と呼ばれるクルマが続々登場した。
しかし名車が立て続けに登場しても、そんなクルマを購入できる資金もなく、愛車は自宅にあったワンダーシビック25iだった。
当時はAE86レビン/トレノに搭載された4A-G、シビックSiに搭載されたZC型のテンロクと呼ばれた1.6L直列4気筒DOHCエンジン搭載車が若者の憧れの的であり、国産ホットハッチの代表格だったのだ。
これら2つのエンジンを搭載した中古車は、若者でも手の届くクルマであったし、購入後にチューニングするパーツも豊富だったこともあり当時ボーイズレーサーと呼ばれた若者の人気車となった。
その後、4A-Gはスーパーチャージャーの装着や5バルブ化されレビン/トレノに搭載。そしてシビックはEF、EG型ではホットハッチのSiRにB16A、そしてホットハッチの完成型とも言えるEK型タイプRにはB16B型エンジンを搭載し、さらなる高性能化によって走りに磨きを掛けていった。そして、現在でもEK型初代シビックタイプRは中古車となっても非常が高くなっているのだ。
ホンダ、いや日本のホットハッチとして完成された究極の1台といっていいのがシビックタイプR。現在も中古マーケットで人気が高く高値安定
マシンの高性能化に伴い車両本体価格も高騰し、いつの間にかなかなか若者に手の届くホットハッチやスポーツカーが続々と生産終了し絶滅してしまった。
そんな停滞感があった2005年9月に2代目スズキスイフトに1.6L直列4気筒DOHCエンジンを搭載したホットハッチのスイフトスポーツが登場。初代スイフトにもスポーツが設定されていたが、初代スイフトはSUVルックだったこともあり、ホットハッチと呼べるスイフトスポーツはこのモデルからと言える。
専用チューニングが施されたエンジン、専用のサスペンションやエアロパーツを採用。高性能ながらしかも価格は200万円以下という若者でも手の届く価格設定のホットハッチが復活したちまち大ヒットした。
スイフトスポーツの凄さはこれだけトランスミッションはAT(CVT)が主流となっている時代に、流通している中古車の多くはMT車だという点。このスイフトスポーツに対する走りの期待値の高さが表れている点だ。
今回1度は絶えてしまった国産ホットハッチの救世主、スズキスイフトスポーツの中古車事情について迫ってみる。
現在スイフトスポーツの中古車の中心となっている2011年に登場した先代モデル、そして2017年9月に登場した現行モデルについて紹介しよう。
2005年9月にデビューした2代目スイフトスポーツがマーケットに与えたインパクトは大きかった。それ以来現在まで同じコンセプトで進化を続けている
先代は50万円以下のモデルもある
2代目からのキープコンセプトのデザインで登場した3代目。全長3890×全幅1695×全高1510mmのジャストサイズ。2011年のデビュー時の価格は168万円
まずは先代スイフトスポーツから。
3代目となる先代スイフトスポーツは2011年11月に登場。搭載する1.6L直列4気筒エンジンは可変吸気システムや吸気VVT制御の最適化、バブルリフト両の増加、冷却システムの改善などによって最高出力136ps、最大トルク160Nmを発生。
組み合わされるトランスミッションも一新され、新開発の6速MTとCVTとなった。さらに、サスペンションも旋回時の安定性を高めるため専用設計のリアサスペンションを採用、そしてブレーキの大容量化などまさにホットハッチに相応しい高いパフォーマンスを発揮した。
エンジンはスズキの名機の誉れ高きM16A型で、1586cc、直4DOHCは136ps/16.3kgmのスペック。パワフルではないが回転フィールが気持ちいい
現在、先代スイフトスポーツの中古車の流通台数は約345台で、MT車は77%の約266台と圧倒的に多く、CVT車は約79台となっている。
中古車の価格帯はMT車が約35万~約190万円で、50万円以下のプライスが付いたクルマが9台あった。
いっぽうのCVT車の価格帯は約40万~約145万円で50万円以下のクルマは4台と少なめだ。MT車の高額車の中には後付けでターボを装着したモデルがあるように、アフターパーツが充実しているのが先代スイフトスポーツの魅力となっている。
ヨーロピアンハッチバックを彷彿とさせるリアビュー。ギュッと凝縮された塊感により小さくても存在感があるデザインとなっている
現行型はシリーズ初の3ナンバーボディ+ターボ
現行モデルになってエクステリアの質感は大幅にアップ。全長3890×全幅1735×全高1500mmと全長は先代と同じながらシリーズで初めて3ナンバー化された
続いては2017年9月に登場した現行型スイフトスポーツだ。
ホットハッチをより進化させるために、ハーテクトと呼ばれる軽量・高剛性の新プラットフォームを採用し、歴代モデルで初の3ナンバーボディとなった。
搭載されているエンジンは1.4L直列4気筒直噴ターボに変更され、最高出力140ps、最大トルク230Nmを発生する。組み合わされるトランスミッションの6速MTは先代と同じギア比を採用。
エンジンはM16AからK14Cに変更。1371cc、直4DOHCターボは140ps/23.4kgmをマーク。ターボによりトルクバンドが広がり運転しやすくしかも速い!
CVTは最適なギア比を設定し、鋭い加速が得られる6速ATへと変更されている。
また、現行型スイフトスポーツは安全性能も向上しており、オプションで衝突被害軽減ブレーキなどがセットとなったセーフティパッケージを設定しているのが特徴だ。
現行型スイフトスポーツの中古車は登場してまもなく2年を迎えるが、流通台数早くも200台を突破している。スイフトスポーツが約89台、オプションのセーフティパッケージ装着車が約112台となっている。
トランスミッション別に見てみると、6速MT車は何と約175台で何と87%という驚異的な数字となった。旧型でもMT車比率は高かったが、ターボエンジンとなった現行型ではその比率はさらに高くなっているのだ。
続いては中古車の価格帯。MT車のベースモデルは約120万~約220万円、セーフティパッケージ装着車が約129万~約238万円。AT車のベースモデルは約155万~約219万円、セーフティパッケージ装着車が約156万~約202.7万円となっている。
さすがに現行モデルはまだ100万円を切る物件は市場に出回っていない。
誰が見てもスイフトスポーツというデザインを踏襲して登場。しかし細部のデザイン処理などこだわりが盛り込まれ、ひとクラス上の質感となっている
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予算、好みに合わせて自在に選べる
では、中古車でスイフトスポーツを購入する場合、どちらを選べばいいのかということだが、やはり先代は安くクルマを手に入れて、サスペンションやブレーキそしてエンジンなど不満に思う部分が出てきたら、カスタマイズしていくのが良いだろう。
予算100万円ならば、できるだけ車両本体価格を抑えてれば、それだけアフターパーツ費用にまわすことができる。
先代モデル、現行モデルに共通するのは6MTの比率が異常なまでに高いことで、中古マーケットでもほとんどが6MT。現代のクルマでは珍しいケースだ
いっぽう現行型はさすがにまだ100万円を切る中古車はなく、しばらくはノーマルで乗り、お金が貯まったら不満を感じる部分をチューニングしていくというプランがオススメだ。
また、現行型スイフトスポーツは新車と中古車どちらが狙い目かという選択肢もある。
中古車の中には走行距離がわずか10kmという未使用中古車も多数出回っているので、車検期間が短くなっても割安で、一秒でも早く手に入れたい!という人には未使用中古車がオススメだ。
幸いボディカラーも豊富だし、オプションのセーフティパッケージ装着車もオプション代よりも価格差が縮まっているからだ。
希少な存在となった国産ホットハッチのスイフトスポーツ。仕事で筆者も運転したことがあるが、これほど安定感があって速いクルマが今どきこの価格というのは我々から見ればうらやましい限りである。
バランスのよさで定評のあるスイフトがベースだけあってスイフトスポーツは誰が乗っても楽しめるFFスポーツに仕上げられているのでおススメだ
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