ジュネーブ・モーターショー2019で揃ってワールドプレミアされたプジョー208と五代目ルノー・ルーテシア(日本名:ルーテシア)。フランスのみならず、世界を代表するBセグメント・ハッチバックとして、熾烈なセールス争いを繰り広げている2台である。今回は、ひとまず明らかになっているボディサイズに絞って、この2台を比較してみたい。
プジョー208 全長4055×全幅1745×全高1430mm ホイールベース2540mm
往年の「スピードスター」をイメージした、スマート・フォーイーズ+が登場!!【ジュネーブ・モーターショー2019】
ルノー・クリオ 全長4050×全幅1798×全高1440mm ホイールベース2583mm
全長と全高はほぼ同じサイズ
全長
208 :4055mm
クリオ:4050mm(−5mm)
全幅
208 :1745mm
クリオ:1798mm(+53mm)
全高
208 :1430mm
クリオ:1440mm(+10mm)
ホイールベース
208 :2540mm
クリオ:2583mm(+43mm)
※()内は208に対するクリオの差
先代はクリオがひとまわり大きかった印象だったが
上記の通り、全幅を除いてほぼ同じボディサイズということになった。「がっぷり四つのライバルなんだから、サイズが似るのは当たり前じゃない?」と思った方もいらっしゃるかも知れないが、この2台の過去を振り返ると意外とそうとも言い切れない。
先々代の207はとにかく全体的に大型化(肥大化と言いたくなるレベル)で、三代目クリオを大きく凌駕していた。しかし機動性や省スペース性が重要になるこのクラスでは巨体が致命的となり、207は大きくセールスを落としてしまった。その先代にあたる小柄だった206をベースに207風のフロントマスクを与えた「207プラス」なるモデルを出さざるを得ず、そちらがけっこうなセールスを記録するという皮肉な結果を招いていた。
その反省から、続く先代208では一気にダウンサイジングを敢行。一方の四代目クリオは、クラス随一の流麗なスタリングを実現する目的もあり、全長とホイールベースを大幅に延長していた。全幅は208とほぼ同じだったのだが、パッと見た印象は、まるでひとつ上のクラスに見えたものだった。それでいて、フランス国内において販売台数トップをモデル末期に至るまで堅持していたのもルノーの自信となっていただろう。
とはいえ縦列駐車する場面の多い欧州では、全長は短い方が有利。ホイールベースをそれほど短縮せずにオーバーハングを切り詰めることで、スペース性に影響を及ぼすことなく全長を縮めたということだろう。一方の全幅の拡大はハンドル切れ角の増大をもたらし、むしろ最小回転半径が小さくなっている可能性もある。
こうした経緯を経て現在のサイズに落ち着いた2台の最新フランス製Bセグメントハッチ。日本の都市部、入り組んだ住宅地、そして山間部の酷道険道など、一日も早くその機動性を試してみたいものだ。
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