現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 今もVIPカーは人気? シャコタン&ツライチは当たり前! 海外でも注目なワケ

ここから本文です

今もVIPカーは人気? シャコタン&ツライチは当たり前! 海外でも注目なワケ

掲載 更新 79
今もVIPカーは人気? シャコタン&ツライチは当たり前! 海外でも注目なワケ

■日本独自の文化、そのルーツは暴走族?

 高級セダンをベースに、極端に低い車高や派手なエアロパーツなど、特徴的なカスタムスタイルの「VIPカー」というジャンルが人気を集めています。

なぜ「族」仕様のランボ&フェラーリが人気? スーパーカーのカスタム事情とは?

 ベースとなるのは、トヨタ「セルシオ」や「アリスト」、「クラウン」、レクサス「LS」、日産「セドリック/グロリア」、「シーマ」、「スカイライン」などの国産セダンが中心となっています。

 外観上の大きな特徴である極端に低い車高は、車高調整式サスペンションや、通常のサスペンションとは構造が異なる「エアサスペンション」を装着して実現。

 また、シルバーなどでメッキされた大径ホイールと、扁平率の低いタイヤを組み合わせ、ボディとホイールのデザイン面をスレスレにする「ツライチ」というカスタマイズも重視され、クルマの外観を低く、シャープに見せる特徴があります。

 さらに、スポーティなエアロパーツを装着したもの、純正色にはない派手なカラーリングに全塗装したものや、さらにはトランク内に大型スピーカーや高級オーディオシステムを装着するカスタマイズも存在。

 こうしたVIPカーにはいくつかのルーツがありますが、代表的なものはかつて暴走族と呼ばれるユーザーの間で流行したスタイルとされています。

 1960年代、当時「カミナリ族」と呼ばれていた暴走族は、バイクを中心としたグループでした。しかし、次第にクルマに乗る暴走族が増え、マフラーをはじめとした個性的な外観の改造がおこなわれるようになります。

 1970年代には「富士グランドチャンピオンシリーズ」などのレースが数多く開催され、国産車や輸入車の乗用車が、車高を低くして大きなホイールとタイヤを装備し、レーシングカーへと姿を変える例もありました。

 VIPカーの外観的特徴に、極端に低い車高や大径ホイールを装着するものがありますが、こうしたルーツはレーシングカーにあるともいわれています。

 なお、こうしたレーシングカーの外観に着想を得たとされるカスタムスタイルのひとつに「街道レーサー」というものもあり、低い車高や「ツライチ」など、VIPカーに通じる特徴を持っています。

 その後、暴走族は社会問題化。警察による取り締まりが強化されたことで、暴走族は数を減らしていきました。しかし、低い車高やツライチといったカスタム方法の人気は保たれ、VIPカーのスタイルが形作られていきます。

 では、現在のVIPカー事情はどのようになっているのでしょうか。中古車販売店のスタッフは以下のように話します。

「現在、VIPカーを楽しむユーザーは昔からのファンだけでなく、会社員などのいわゆる『普通の人』も多い印象です。

 VIPカーは威圧的な見た目から怖い人が乗っていると思う人もいるかもしれませんが、あくまで自分の個性を主張しているにすぎず、誰かを威圧しているわけではありません。

 私の知っているお客さまのなかには社会人1年目の男性や、女性もいます。ファッションのようなスタイルや、自分がこだわる好きなもののひとつとして、VIPカーに乗っているという感じです」

※ ※ ※

 実際に、カスタムカーの祭典「東京オートサロン」でも、ほぼ毎年のようにVIPカーが展示され、ブースは盛況となっています。その発祥は古くとも、若い世代や性別を問わずに今でも一定数の人気があるようです。

■海外でも人気なVIPカー文化

 過去に東京オートサロンに出展した経歴を持つ、首都圏のカスタム店スタッフは以下の通り話します。

「今やVIPカーは、日本が誇る立派なカスタムの一種です。以前、オートサロンに出展した際は、外国人からその場で受注したこともありますし、年々海外からの問い合わせは増えています。

 しかし、発祥が暴走族ですから、マイナスイメージが多いのは仕方ありません。ただ走っているだけで怒鳴られたり、クルマを蹴られたり、なかには駐車中にペンキをかけられていたという話も聞いたことがあります。

 クルマだけでなくドライバーの見た目も好き嫌いが分かれるのはわかります。ただ、今は昔と違って純粋にクルマを愛している人も多いことを伝えたいです」

 高級セダンをベースに車高を低くし、きらびやかな見た目を楽しむVIPカーは、海外にも影響を与えるほどのカスタムスタイルとなっています。

 実際に、アメリカでは車高の低さとツライチを組み合わせたカスタムスタイルが「ヘラフラッシュ」や「Boso Zoku(暴走族)」という名前で人気を集めているようです。

 なお、ヘラフラッシュという言葉はアメリカのアパレルショップが生み出したともいわれており、クルマのカスタムがファッションスタイルのように楽しまれていることが伺えます。

 国内外を問わず人気となったVIPカーですが、個性を主張する楽しみ方は、ファッションにも通じるところがあります。ルーツがルーツなだけにネガティブな印象も残っているものの、今なお進化し続けている文化ともいえます。

こんな記事も読まれています

日産、EV需要変動に「柔軟に対応」 電動化のペース調整? 中国市場は "独自モデル" で販売強化へ
日産、EV需要変動に「柔軟に対応」 電動化のペース調整? 中国市場は "独自モデル" で販売強化へ
AUTOCAR JAPAN
ベントレーの次世代モデル、新V8ハイブリッド搭載へ…パワーは750馬力以上
ベントレーの次世代モデル、新V8ハイブリッド搭載へ…パワーは750馬力以上
レスポンス
マツダ「RX−7」ベースの貴重なRE雨宮「幻気-7」を熱意で譲ってもらいました! サーキットからストリートまで快適仕様で楽しんでます
マツダ「RX−7」ベースの貴重なRE雨宮「幻気-7」を熱意で譲ってもらいました! サーキットからストリートまで快適仕様で楽しんでます
Auto Messe Web
あおり運転の如くに車間距離を詰められた時どうしたらいい? その対処法と運転免許を保有している意味について解説
あおり運転の如くに車間距離を詰められた時どうしたらいい? その対処法と運転免許を保有している意味について解説
LE VOLANT CARSMEET WEB
矢野特殊自動車、荷室側面が1枚パネルの温度管理トレーラーを開発
矢野特殊自動車、荷室側面が1枚パネルの温度管理トレーラーを開発
日刊自動車新聞
【最新モデル試乗】新たなメルセデスの形。環境性能と快適性を徹底追求したEクラスの気になる完成度
【最新モデル試乗】新たなメルセデスの形。環境性能と快適性を徹底追求したEクラスの気になる完成度
カー・アンド・ドライバー
日産内田社長、ホンダとの協業「スピード感を持って結論を出したい」[新聞ウォッチ]
日産内田社長、ホンダとの協業「スピード感を持って結論を出したい」[新聞ウォッチ]
レスポンス
バイクニュース今週のダイジェスト(5/6~10)
バイクニュース今週のダイジェスト(5/6~10)
バイクブロス
「ガソリン安くなるし最高!」意外と知らない人多し! 運転免許には隠れた秘密? ちゃんとした人が受けられる優遇とは
「ガソリン安くなるし最高!」意外と知らない人多し! 運転免許には隠れた秘密? ちゃんとした人が受けられる優遇とは
くるまのニュース
最近気温が高い…!涼しいツーリングスタイル
最近気温が高い…!涼しいツーリングスタイル
バイクのニュース
めちゃ売れてる! “MTアリ”の日産「最小&最安SUV」! アンダー120万円&全長4m以下ボディの「マグナイト」が印で愛される理由とは
めちゃ売れてる! “MTアリ”の日産「最小&最安SUV」! アンダー120万円&全長4m以下ボディの「マグナイト」が印で愛される理由とは
くるまのニュース
NOKとENEOS、摩擦40%低減の「自己潤滑ゴム」開発
NOKとENEOS、摩擦40%低減の「自己潤滑ゴム」開発
レスポンス
メルセデス元技術責任者のパディ・ロウ、古巣の”復活”は簡単ではないと推測「F1で良いマシンを手にでき時、それは幸運だと思わなければいけない」
メルセデス元技術責任者のパディ・ロウ、古巣の”復活”は簡単ではないと推測「F1で良いマシンを手にでき時、それは幸運だと思わなければいけない」
motorsport.com 日本版
ホンダ新型「カクカクSUV」ワイルド&上質な“縦グリル”がスゴい! 新型「WR-V」人気のカスタム仕様とは?
ホンダ新型「カクカクSUV」ワイルド&上質な“縦グリル”がスゴい! 新型「WR-V」人気のカスタム仕様とは?
くるまのニュース
自立する電動3輪特定小型原付「ストリーモS01JT」 580台の数量限定販売 申込期間は5月31日まで
自立する電動3輪特定小型原付「ストリーモS01JT」 580台の数量限定販売 申込期間は5月31日まで
バイクのニュース
レクサスのミニバン『LM』に6座仕様、価格は1500万円
レクサスのミニバン『LM』に6座仕様、価格は1500万円
レスポンス
日産のカーボンフリーへの取り組みがガチ! 工場をエタノール燃料の燃料電池で稼働させる仕組みを公開
日産のカーボンフリーへの取り組みがガチ! 工場をエタノール燃料の燃料電池で稼働させる仕組みを公開
WEB CARTOP
ヤマハの隠れたヒット商品!? レクサスも純正採用する「パフォーマンスダンパー」はどんな効果があるのか
ヤマハの隠れたヒット商品!? レクサスも純正採用する「パフォーマンスダンパー」はどんな効果があるのか
モーサイ

みんなのコメント

79件
  • VIPはこんな車乗りません! 意味知ってるんですか?
  • VIPカーって名のついたカスタムの一ジャンルに過ぎないのに
    本物のVIPはこんなの乗らないとか当たり前のコメント書いてるアホなのが沢山いて笑える
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村