1994年に誕生したケーニグゼグ
1994年、当時23歳という若さでスーパーカーメーカーを設立したクリスチャン・フォン・ケーニグゼグ。スウェーデンの地に誕生し、自らのファミリーネーム、ケーニグゼグの名を掲げたこのメーカーが、ここまで大きな成長を遂げるとは、ファーストモデルの「CC8S」が誕生した時に、いったい誰が予想することができただろうか。
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「CC8S」へのオマージュ
そのケーニグゼグが、CC8Sのデビューから数えて20周年となることを記念して、2022年のモントレー・カー・ウィークの幕開けとなる、「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」に、1台の限定車を持ち込んだ。
このモータースポーツ・ギャザリングはここ数年、そもそものコンセプトであるクラシック・スポーツカーのギャザリング(集まり)に加えて、自動車メーカーが新作を披露する、いわばモーターショーのような性格を兼ね備えるイベントへと変化し始めてきた。
ブースを設営する出品料はもちろん高額だが、それでもインターナショナル格式のモーターショーよりは相当に安く、かつ直接の顧客となる可能性の高いゲストが会場に多くいるのがその理由だ。ケーニグゼグの新作「CC850」もその1台だった。
ケーニグゼグといえば、これまでファーストモデルのCC8Sのほかにも、「CCR」、「アゲーラ」、「ジェスコ」、「ジェメラ」、「レゲーラ」といったモデルを生産してきたことで知られているが、今回のCC850はこれらのモデルと比較するとデザイン的には最も初期のCC8Sに似ている。
それもそのはずで、このCC850はCC8Sをオマージュしたデザインを採用しており、メカニズムは現代の最先端にあるものを使用するという、非常に趣味性の高いものに仕上がっているのだ。
当初発表された限定数は50台。しかしながらこの数は現在のケーニグゼグが持つVIPカスタマーの数には大きく足りず、モータースポーツ・ギャザリングの会場では、新たに20台をプラスした70台の限定生産が発表された。
ケーニグゼグ スタイルを随所に取り入れた「CC850」
CC850には、前で触れたとおりCC8Sから受け継がれた多くのデザイン面での特徴がある。まずは水中生物をモチーフとした、エアロダイナミクスに富むボディシルエット。これは現在に至るまで、ケーニグゼグが伝統的なスタイルとして用いているもの。
独特な「シンクロへリックス」ドアやダイヤル型のホイールなども、もちろんCC8Sから継承された機構、スタイルとなる。インテリアでも同様に、ダイヤル型のスイッチパネルやアナログ式のメーターパネルなど、懐かしくも機能的なデザインで、2シーターのキャビンは演出されている。
ミッドに搭載されるエンジンは、5L V型8気筒ツインターボ。ドライサンプを採用したこのエンジンは、最高出力では1385ps、最大トルクでは1383Nmを発揮。レブリミットは8500rpmに設定されているが、フライホイールを装備しないため、高速域でのフィーリングはケーニグゼグならではの独特なものになっているという。
組み合わせられるトランスミッションは、6速MTのほかに、9速ATの選択が可能になった。基本構造体はもちろんカーボン製のモノコック。これにカーボンとケブラーからなるボディパネルが組み合わされ、車重は1385kgと驚くべき軽さを実現している。
デビュー作のCC8Sを想起させる限定車を誕生させたことで、再びそのブランドに注目を集めされることに成功したケーニグゼグ。北欧の、孤高のハイパーカーメーカーの勢いは、これからも続く。
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