現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ほとんどはミニバンの代わりにならない! 注意すべき3列シートSUV選びと数少ない使えるモデルとは

ここから本文です

ほとんどはミニバンの代わりにならない! 注意すべき3列シートSUV選びと数少ない使えるモデルとは

掲載 更新 6
ほとんどはミニバンの代わりにならない! 注意すべき3列シートSUV選びと数少ない使えるモデルとは

 SUVの3列目席は緊急席である場合がほとんど

 一大SUVブームのなか、これまでミニバンを愛用していた人が、3列シートのSUVを検討するケースが増えている。だが実際に見て、3列目席に乗り込み、座ってみるとミニバンの3列目席とはまったく別物ということに気付くはずだ。

この後席は狭すぎる! 一見ファミリー向けなのに家族で使うには厳しいクルマ6選

 そもそもSUVの3列目席は格納前提、緊急席である場合がほとんど。ミニバンなら大人が無理なく座れたとしても、SUVの3列目席はスペース的にも着座姿勢にしても、子供やペット向けなのである。ミニバンとの違いはそれだけではない。乗降性が大きく異なる。ミニバンは多くの場合、全高、室内高ともに余裕があり、低くフラットなフロアに両側スライドドアから乗り込める。3列目席のアクセスにしても、2列目席ウォークイン、2列目セパレートシートなら2~3列スルーでも快適に乗り降りできるのだ。

 ところが、SUVは最低地上高をかせぐため、フロアは高めで、なおかつヒンジ式のリヤドアから乗り降りするため、かなりアクロバティックな姿勢を強要される。足腰が弱ったシニアには薦められない。

 なんとかSUVの3列目席に乗り込んだとしても、フロアが高いため、室内高と格納の関係で、ただ狭いだけではなく、フロアに対してシートを低くセットせざるをえないため、ひざをかかえた体育座り姿勢になりがちだ。つまり、ちゃんと椅子に座るのと違い、お尻だけで体重を支えることになり、決して快適な着座とは言えないのである。

 たとえば、ホンダCR-Vの3列シート仕様の3列目席を例に挙げると、乗降のための間口は、2列目席ダブルフォールディング格納時の下端で190mm、2列目席ダイブダウン格納時の上端で380mmだ。ダイブダウンを格納すれば、そこそこ広い間口があることが分かる。

 が、3列目席に着座してみると、身長172cmの筆者で、頭上に100mm(サンルーフ装着車)は十分だが、ひざまわりスペースは、2列目席を最前端位置までスライドさせた状態で最大90mmでしかない。シートサイズにしても、座面長430mm、シート幅1020mm、シートバック高560mmと、決してゆったりとしたサイズとは言えない。フロアは幸いフラットだが、足もとはかなり窮屈な印象なのである。

 ちなみにホンダのオデッセイの3列目席は頭上に145mm、ひざまわりスペースは最小でも140mmあり、シートサイズも座面長530mm、シート幅1210mm、シートバック高540mmと、大人2人が着座してもゆったりできる空間というわけだ。フロアからシート先端までの高さ=ヒール段差も325mmあり、ひざを大きく抱える姿勢にはなりにくく、リラックスできるのである。Mクラス以上のミニバンには3列目席専用のエアコン吹きだし口もあるから、快適度はさらに高まる。

 マツダCX-8はしっかり使える3列目席を備える!

 とはいえ、どうしてもSUVの3列シート仕様が欲しい……というなら、国産SUVであればマツダCX-8を薦める。全長4900mm、全幅1840mm、全高1730mm、ホイールベース2930mmという、大柄なアメリカンサイズ!? のSUVだが、2018年3列シートSUV販売台数No.1というだけあり、じつはしっかり使える3列目席を備えているのだ。

 具体的には、3列目席の乗降は2列目席ウォークインによる最小間口190mm、2列目セパレートシートの2~3列スルー幅225mmの2ウェイの乗車方法があり、とにかくリヤドアが巨大で(それゆえ、狭い駐車スペースでドアを全開にするのは困難!?)、リヤドア部分のステップ高はSUVだけに480mmと高めなものの、3列目席の乗降はまずまず快適なのである。

 着座すれば、身長172cmの筆者で頭上に80mmはともかく、ひざまわりには、2列目席のひざまわりスペースを180mm(最大250mm)にセットした場合、120mmを確保。シートサイズも座面長450mm、シート幅1100mm、シートバック高620mmと、かなり立派。とくに背もたれのサイズがたっぷりしていて、かけ心地がよい。さらにフロアからシート先端までの高さ=ヒール段差は、一般的なセダンの後席並みと言える340mmもあり、ほぼフラットなフロア形状と合わせて、かなり自然な姿勢で乗車できるのである。

 そう、国産SUVで3列目席に大切な友人や家族を躊躇なく招き入れることができ、ロングドライブをこなせるのはズバリ、CX-8ぐらいのものなのである。

 もちろん、3列目席はめったに使わない、でも何かのときにあったほうが便利そう、乗せるのは小さな子供だけ……というなら、CR-V、レクサスRXを推奨。レクサスRX450hL 3列目席には、片側だけだが、エアコン吹きだし口も用意されている。

 最後に本格SUVの走破性を持ちながら、広大で快適な3列目席を持ち、両側スライドドアまで備えているクルマを紹介したい。それは三菱デリカD:5の新型クリーンディーゼルモデル。それってミニバンでしょ……という声が聞こえてきそうだが、確かにパッケージングは3列シートミニバンながら、プラットフォームはアウトランダーと共用で、走破性は本格SUVそのもの。デビュー前にパリ・ダカールラリーを並走車として走り抜いた伝説すらあるほどだ。

 その3列目席は、乗降間口330mm、身長172cmの筆者で頭上に100mmはともかく、ひざまわりスペースは最小195mm、最大260mmに達する。シートサイズは座面長490mm、シート幅1180mm、シートバック高570mmと、大人2人の着座でも十分なサイズ。本格SUVの性能と走破性、3列目席を含むミニバンの居住空間を併せ持つのがデリカD:5であり、3列目席を常用する人にとって、ある意味、これぞベスト! な本格SUVでもあるのだ。特別参加として、3列シートSUV選びの候補に挙げるのはいかがだろうか?

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース

みんなのコメント

6件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

415.7473.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.9678.0万円

中古車を検索
デリカD:5の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

415.7473.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.9678.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村