現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > ヒョンデ傘下ジェネシス、新開発のLMDh車両にV8エンジン搭載へ。WRCからの知見活かして開発スケジュール短縮

ここから本文です

ヒョンデ傘下ジェネシス、新開発のLMDh車両にV8エンジン搭載へ。WRCからの知見活かして開発スケジュール短縮

掲載 2
ヒョンデ傘下ジェネシス、新開発のLMDh車両にV8エンジン搭載へ。WRCからの知見活かして開発スケジュール短縮

 2026年から世界耐久選手権(WEC)ハイパーカークラスに参戦するヒョンデ傘下の高級車ブランド・ジェネシスは、新開発のLMDh車両“GMR-001”にヒョンデが世界ラリー選手権(WRC)で培った経験を活かした技術を活用すると明かした。

 ジェネシスのLMDhプログラムを統括するヒョンデ・モータースポーツでテクニカルディレクターを務めるフランソワ=グザビエ・ドゥメゾンは、ハイブリッドパワートレインに採用される内燃機関として、WRCのヒョンデi20 N Rally1で使用されている直列4気筒1.6リッターターボの技術を応用した3.2リッターツインターボV8エンジンを開発していると説明した。

■マグヌッセン、次の活躍の場は耐久レース。BMWのLMDhプロジェクトに加入し、WECかIMSAに参戦へ

「ピストンやシリンダーライナー、コンロッド、燃焼チャンバー、バルブトレインに関しては、ラリー用エンジンとLMDh用V8とで1対1の互換性がある。もちろん、改良されているけどね」

 ドゥメゾンはmotorsport.comにそう語った。

「例えば、シリンダーの間隔を変更する必要があるが、エンジン主要部分は問題を避けるために非常に似た作りをしている」

 この背景についてドゥメゾンは、GMR-001開発プログラムのスケジュールが短く設定されたため、Rally1車両の2倍の排気量となるV8エンジンに、実績のある技術を採用することにしたと明かした。

 そして9月1日のプログラム始動から、来年末に予定されている2026年のWECエントリーへ向けたGMR-001のホモロゲーション獲得までの16ヵ月というスパンを考えると、ゼロからエンジンを設計することは不可能だとドゥメゾンは強調した。

「我々の時間的猶予では、あまりにもリスキーだっただろう。我々はすぐに安全策を採ることにした」とドゥメゾンは語った。

 GMR-001のV8エンジン開発は全体のプログラムが始動する直前に開始され、来年の夏に予定されている実車投入に先立ち、2月に初めてテストベンチに載せられる予定だ。

 ヒョンデ・モータースポーツのシリル・アビテブール代表は、全てを1から作り上げるル・マン・ハイパーカー(LMH)規定ではなく、LMDh規定に基づきORECA製のシャシーをベースにした車両を開発することを決定したのも、エンジンと同様の理由だと説明した。

 アビテブール代表はmotorsport.comに対して「本社からの最初の関心は、(LMH規則で認められている)デザインに関して、もう少し自由度と権限を持ちたいというモノだった」と語り、次のように続けた。

「しかし我々がどのようなタイミングについて話しているのかによるため、『3年くれるならイエス、1年ならノーだ』と私は伝えた」

「我々は非常に現実的で謙虚だ。我々の今のスタート位置からは、LMDhが間違いなく正しい方向性だとハッキリ言っていた」

 しかしアビテブール代表は、ジェネシスがシャシーとエンジンの両面で、耐久レースの最後方に長期的に参加するための選択肢をオープンにしているとして、次のように語った。

「我々は既に長期的な計画を考えていて、このエンジンの次にどのようなパワープラントが考えられるかを考えている」

 そしてジェネシスが2026年にWECへの参戦を開始し、2027年にはIMSAスポーツカー選手権に進出するという“段階的なアプローチ”を選択した背景にも、GMR-001の開発期間が短かったということが関係しているという。

 WECではジェネシス・マグマ・レーシングと呼ばれる自社チームを運営する一方、IMSAにはパートナーチームと協力することになるため、これは理に適った判断と言える。

 アビテブール代表は、ヒョンデ・モータースポーツが2026年に投入するGMR-001を「可能な限り製品版に近い」状態まで仕上げたいと説明した。

「我々とクルマの間にフィルターやウォールを設けたくない」とアビテブール代表は言う。

「それがWECを(最初に)やるという決断の背景にある。IMSAでは、そのようなやり方は決してできないと分かっている」

 ジェネシスは来年、フランス籍のチームであるIDECと協力し、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)のLMP2クラスでORECAのギブソン07を共同で走らせ、WEC参戦に向けた準備を進める予定だが、これについてアビテブール代表は“自給自足で”レースチームを持つためのステップだと語った。

 アビテブール代表は、IMSAのパートナー候補とは既に話し合いを行なっていると明かしたが、協力チームを絞り込む正式なプロセスは新年まで始まらないと説明した。

 ただ、IMSAとWECでキャデラックとの4年にわたる協力関係を解消したチップ・ガナッシ・レーシングは、ジェネシスが接触しているチームのひとつだと噂されている。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

生産終了決定もGRスープラ・スーパーカーの開発は継続「2026年に予定どおり登場する」/RSC
生産終了決定もGRスープラ・スーパーカーの開発は継続「2026年に予定どおり登場する」/RSC
AUTOSPORT web
【お待たせー!】5年の待ち時間を経てアストンマーティンからついに1,079馬力V8搭載スーパースポーツカー「ヴァルハラ」正式デビュー!
【お待たせー!】5年の待ち時間を経てアストンマーティンからついに1,079馬力V8搭載スーパースポーツカー「ヴァルハラ」正式デビュー!
AutoBild Japan
サルーンやSUV、コンセプトカーもアリ! WRCの新規則が公開。新メーカー参入を目指しベース車両条件を緩和……予算上限も
サルーンやSUV、コンセプトカーもアリ! WRCの新規則が公開。新メーカー参入を目指しベース車両条件を緩和……予算上限も
motorsport.com 日本版
F1メカ解説|RBがシーズン最終戦に投入した”2025年に向けたテスト”用フロントウイング。その狙いは?
F1メカ解説|RBがシーズン最終戦に投入した”2025年に向けたテスト”用フロントウイング。その狙いは?
motorsport.com 日本版
あのWRCで活躍した「ルノー5ターボ」が電気自動車となって復活! 日本導入は、あるか?
あのWRCで活躍した「ルノー5ターボ」が電気自動車となって復活! 日本導入は、あるか?
Webモーターマガジン
【業界初の循環型リサイクル】JLR新しいシートフォームを開発、製造 生産規模テストは2025年初頭
【業界初の循環型リサイクル】JLR新しいシートフォームを開発、製造 生産規模テストは2025年初頭
AUTOCAR JAPAN
1970年代の名車復活 初代フォード・エスコートRSが「新車」で150台限定販売 レトロな2ドア・スポーツ
1970年代の名車復活 初代フォード・エスコートRSが「新車」で150台限定販売 レトロな2ドア・スポーツ
AUTOCAR JAPAN
アストンマーティンが新型プラグインハイブリッド・ハイパーカー「ヴァルハラ」の概要を発表
アストンマーティンが新型プラグインハイブリッド・ハイパーカー「ヴァルハラ」の概要を発表
カー・アンド・ドライバー
【この伝説的F1マシンなんぼ?】ファンジオやスターリング モスが運転したF1マシン「メルセデスW196」がオークションに その驚異の価格は?
【この伝説的F1マシンなんぼ?】ファンジオやスターリング モスが運転したF1マシン「メルセデスW196」がオークションに その驚異の価格は?
AutoBild Japan
アウディ、最後の納車でR8 GT3時代に幕……他プログラム廃止でF1計画“オール・イン”。その価値はあるのか?
アウディ、最後の納車でR8 GT3時代に幕……他プログラム廃止でF1計画“オール・イン”。その価値はあるのか?
motorsport.com 日本版
幻のターボバイク「スズキ リカージョン」2013年東京モーターショーに突如出現した白銀のマシンを覚えているか?
幻のターボバイク「スズキ リカージョン」2013年東京モーターショーに突如出現した白銀のマシンを覚えているか?
モーサイ
150台限定! ボアハム・モーターワークスが新型「フォード・エスコートMk1 RS Continumod」発表
150台限定! ボアハム・モーターワークスが新型「フォード・エスコートMk1 RS Continumod」発表
LE VOLANT CARSMEET WEB
600馬力級!! 新型[GRスープラ]はトヨタ新開発2Lターボ搭載か! ハイブリッド化で予想価格600万円超え!?
600馬力級!! 新型[GRスープラ]はトヨタ新開発2Lターボ搭載か! ハイブリッド化で予想価格600万円超え!?
ベストカーWeb
スポーツツアラー「NT1100」が変更!低中回転域の扱いやすさが向上!1,848,000円で2025年1月発売!  
スポーツツアラー「NT1100」が変更!低中回転域の扱いやすさが向上!1,848,000円で2025年1月発売!  
モーサイ
2014年公開のトヨタ「“ミッドシップ”スポーツカー」コンセプトに反響殺到! 「夢がある」「技術すごい」 1t切り超軽量ボディד画期的ユニット”搭載! めちゃ楽しそうな現代版“ヨタハチ”「TE-Spyder 800」とは
2014年公開のトヨタ「“ミッドシップ”スポーツカー」コンセプトに反響殺到! 「夢がある」「技術すごい」 1t切り超軽量ボディד画期的ユニット”搭載! めちゃ楽しそうな現代版“ヨタハチ”「TE-Spyder 800」とは
くるまのニュース
F1オーナーのリバティによるMotoGP買収、『待った』かかる? EU反トラスト当局による調査が第2段階に進むと海外報道
F1オーナーのリバティによるMotoGP買収、『待った』かかる? EU反トラスト当局による調査が第2段階に進むと海外報道
motorsport.com 日本版
カワサキ「Z2」走行僅かでも「排気バルブガイド」にはガタが発生!! ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.26
カワサキ「Z2」走行僅かでも「排気バルブガイド」にはガタが発生!! ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.26
バイクのニュース
グッドスマイルレーシング、2025年もスーパーGTは不変の体制。小林可夢偉を加えて鈴鹿1000kmとスパ24時間にも参戦へ
グッドスマイルレーシング、2025年もスーパーGTは不変の体制。小林可夢偉を加えて鈴鹿1000kmとスパ24時間にも参戦へ
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

2件
  • まいにち
    WRCは2025年以降も継続するんでしょうか?
    WECに全力入れるために撤退といううわさもあるようですが、是非継続してほしいですね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村