現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【英国の新車販売は急減】1946年以来の最低を記録 新型コロナウイルスの影響 どこまで拡がる?

ここから本文です

【英国の新車販売は急減】1946年以来の最低を記録 新型コロナウイルスの影響 どこまで拡がる?

掲載 更新 1
【英国の新車販売は急減】1946年以来の最低を記録 新型コロナウイルスの影響 どこまで拡がる?

新車販売は急減 何を学べる?

新型コロナウイルス感染拡大を受けた都市封鎖の影響により、今年4月の英国新車販売は97.3%減のわずか4321台に留まっており、これは1946年以降、1カ月の新車登録台数としては過去最低を記録している。

【画像】英国4月のベストセラー テスラ・モデル3 全27枚

新車ディーラーはほぼ1カ月の休業を余儀なくされ、不要不急の場合を除いて英国では外出制限が課されていたのだから、こうした結果も当然だろう。

3月は都市封鎖の影響が一部期間に留まっていたにもかかわらず、その新車登録台数は対前年同月比で44.4%の減少に見舞われている。

こうした状況は新型コロナウイルス感染拡大防止策として都市封鎖を行った他の欧州各国も同様であり、フランスでは4月の新車販売が88.8%、イタリアでは97.5%減となった。

予想されたものだったとはいえ、英国自動車製造販売協会(SMMT)トップ、マイク・ホーズの言葉を借りれば、こうした結果は「さらに恐ろしい事態」を予想させるものだと言う。

では、ここからわれわれは何を学ぶことが出来るのだろう?

テスラ販売トップの理由

4月に英国で新車販売台数トップに立ったのはテスラ・モデル3だった。

だが、わずか658台でベストセラーという事実は、あまりにも寂しい結果だと言えるだろう。

2019年4月の販売台数トップ、フォード・フィエスタの登録台数は5606台だったのだ。

それでもこの658台というのは、販売台数2位となったジャガーIペイスの367台、同3位のヴォクゾール・コルサの264台の合計を上回っている。

テスラがトップに立った要因は、バックオーダーの存在と、そのオンライン販売システムにあった。

以前からテスラでは納車にダイレクト・デリバリー・システムと呼ばれる方法を導入していたが、都市封鎖が始まると直接会うことなくすべての納車手続きが完了できるようにしている。

この方法は自宅への納車でもディーラーでの車両受け取りでも行うことが出来、書類手続きはすべてテスラのアプリ上で完結させるとともに、クルマへのアクセスはスマートフォンで行うのだ。

モデル3とIペイスが販売台数1位と2位になったことが意味するのは、EV以外のモデルが対前年比97%以上の販売減に見舞われた一方、EVの減少率はわずか9.7%に留まっているということだ。

商用車は健闘

4月の商用車新車販売台数4321台のうち、個人顧客への納車分は871台に留まっている。

それ以外はすべてが業務用であり、その多くがNHS(英国国民保健サービス)などの医療機関や医療機関向けだった。

エッセンシャルワーカーと呼ばれるひとびとが、その役割を果たすことが出来るよう、こうした車両販売は許可されていたのだ。

それが普段あまり見慣れないモデルが販売台数トップ10に入った理由でもある。

モデル3やIペイスなどのEVは、その低いランニングコストによって業務用車両としての人気を高めており、ジャガーではNHS向けに自社製EVを供給する契約を数多く結んでいる。

その一例が、今年1月にノーサンブリア・ヘルスケアNHS基金と締結した700台ものIペイスのリース契約だ。

さらに、リース契約の普及がフォード・ツアーネオ・カスタムとプジョー・リフターというMPVモデルが、4月の販売台数ランキングで5位と6位に入った理由となっている。

自動車業界の苦境は続く

英国政府は外出制限の緩和に向かうようだが、自動車産業への影響はさらに続きそうだ。

SMMTでは2020年の新車販売予想を168万台へと下方修正しており、これは1992年以来最低となるだけでなく、2019年からは27%の減少を意味している。

自動車業界では外出制限の緩和後、ふたたび営業再開を許可される最初のグループに自動車ディーラーを含めるよう政府に求めており、個人リース契約の期間満了が迫ったドライバーの累積需要が、早期の販売台数増に結び付くことを期待している。

「力強い新車市場は健全な経済を下支えするものであり、英国が経済回復へと向かうなか、自動車ディーラーはその先頭に立つ必要がある」と、ホーズは話す。

英国内外での新車需要の創出は、自動車生産をふたたび回復させるためにも重要だ。

欧州全域で車両生産がふたたび開始されるなか、英国でも先週ロールス・ロイスが他社に先駆けて工場を再開しており、今週はベントレーとアストン マーティンがその後に続いている。

だが、こうしたメーカーは比較的小規模な生産ラインとバックオーダーを抱えたプレミアムブランドであり、日産では少なくとも6月までサンダーランド工場を再開させる予定がないことを発表するなど、英国の主要な自動車工場は依然として閉鎖されたままだ。

巨大な自動車工場内でもひととひととの距離を保つソーシャルディスタンシングなどの感染防止策を導入する必要があることと、新車需要の急減がこうした決断の背景となっている。

中国市場には明るい兆し

最初に新型コロナウイルス感染拡大が広がるとともに、厳しい外出制限を課した一方で、中国はいち早くこうした状況から脱した国となっている。

さらに、この国の新車市場は単なる回復に留まらない成長軌道を示し始めている。

もっとも厳しい外出制限が行われていた今年2月、中国の新車販売台数は対前年同期比で79%も減少している。

だが、2019年比では依然として1/3のレベルに留まるものの、制限緩和に伴い3月には427%もの回復を見せている。

さらには、ボルボの中国市場における販売台数が対前年同期比で20.8%も増加するなど、4月に入って中国新車市場は本格的な成長を始めたようだ。

こんな記事も読まれています

ポルシェ、新しい車両機能のキャリブレーション用AIエージェント開発
ポルシェ、新しい車両機能のキャリブレーション用AIエージェント開発
LE VOLANT CARSMEET WEB
高速の陸橋越えたら「え、終わり!?」32年ぶり解消!埼玉の“不思議な道路”なぜいま全線開通? やっぱり不思議な風景
高速の陸橋越えたら「え、終わり!?」32年ぶり解消!埼玉の“不思議な道路”なぜいま全線開通? やっぱり不思議な風景
乗りものニュース
アウトドアスパイス「ほりにし」がミニチュアチャームになってガシャポン(R)に登場!
アウトドアスパイス「ほりにし」がミニチュアチャームになってガシャポン(R)に登場!
バイクブロス
GWに送られてくる「自動車税」13年超の税金が高すぎる! まるで「旧車いじめ」!? 最高税額は一体いくら?
GWに送られてくる「自動車税」13年超の税金が高すぎる! まるで「旧車いじめ」!? 最高税額は一体いくら?
くるまのニュース
新型Eクラスの本命!? メルセデスAMG新型「E53ハイブリッド」欧州発売 トータル585馬力の快速PHEV
新型Eクラスの本命!? メルセデスAMG新型「E53ハイブリッド」欧州発売 トータル585馬力の快速PHEV
VAGUE
YADEA(ヤディア)のフラッグシップストア「YADEA表参道」がオープン! 5/12までオープン記念キャンペーンを実施
YADEA(ヤディア)のフラッグシップストア「YADEA表参道」がオープン! 5/12までオープン記念キャンペーンを実施
バイクブロス
DTMがル・マンに配慮しスケジュール変更。オランダから“テストデーへの往復”が可能に
DTMがル・マンに配慮しスケジュール変更。オランダから“テストデーへの往復”が可能に
AUTOSPORT web
日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したトヨタ新型「プリウス」をZ世代が試して感じた「令和のスペシャリティカー」とは
日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したトヨタ新型「プリウス」をZ世代が試して感じた「令和のスペシャリティカー」とは
Auto Messe Web
トヨタ アルファード/ヴェルファイア【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
トヨタ アルファード/ヴェルファイア【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
スマートから第5弾登場!フォーツーを超えてスマートはビッグサイズのモデルになる「スマート コンセプト#5」の全情報!
スマートから第5弾登場!フォーツーを超えてスマートはビッグサイズのモデルになる「スマート コンセプト#5」の全情報!
AutoBild Japan
追記あり【正式結果】2024年F1第6戦マイアミGP決勝
追記あり【正式結果】2024年F1第6戦マイアミGP決勝
AUTOSPORT web
サインツにペナルティ、ピアストリとの接触で4位から降格に。ペレスが繰り上がり/F1マイアミGP
サインツにペナルティ、ピアストリとの接触で4位から降格に。ペレスが繰り上がり/F1マイアミGP
AUTOSPORT web
スーパーGT、次期GT500車両の方向性を参戦メーカーと協議中。ハイブリッド化も依然として視野……導入は2029年か
スーパーGT、次期GT500車両の方向性を参戦メーカーと協議中。ハイブリッド化も依然として視野……導入は2029年か
motorsport.com 日本版
結局どっちがいいの? クシタニから登場した2024SSガーメントのジャケットを徹底比較
結局どっちがいいの? クシタニから登場した2024SSガーメントのジャケットを徹底比較
バイクのニュース
スープラなんて過去の遺物!? オカマホル エンコスルッテナンデスカ?? 10年前に予測した「ベストカー編集部の10年後」
スープラなんて過去の遺物!? オカマホル エンコスルッテナンデスカ?? 10年前に予測した「ベストカー編集部の10年後」
ベストカーWeb
【GT500 KEY POINT/ニッサン編】継続から一転、若手を加えた大シャッフルを実行
【GT500 KEY POINT/ニッサン編】継続から一転、若手を加えた大シャッフルを実行
AUTOSPORT web
クラシックベントレーが30台参加! 日本を縦断する「The Rising Sun Rally」が開催。100年乗っても大丈夫なフライングBを紹介
クラシックベントレーが30台参加! 日本を縦断する「The Rising Sun Rally」が開催。100年乗っても大丈夫なフライングBを紹介
Auto Messe Web
F1第6戦、フェルスタッペンはなぜ敗れたのか、ピレリの分析とドライバーのコメントからその要因を探る【マイアミGP決勝】
F1第6戦、フェルスタッペンはなぜ敗れたのか、ピレリの分析とドライバーのコメントからその要因を探る【マイアミGP決勝】
Webモーターマガジン

みんなのコメント

1件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村