乗る人と使い方を選ばない 懐の深さがカングーにはある
先日も紹介したルノー・ジャポン主催の「カングー キャンプ2020」。カングーを使って「ワーケーションを楽しむ」をテーマに据えたキャンプイベントだ。参加車両は同社のオフィシャルサイトにて募集され、当選したユーザー車によって構成。当日はそれら車両それぞれを見聞きしていったのだが、とにかく年代や職業、キャンプ歴など実に様々。その中から今回、初めてのクルマがカングーという羨ましい若者、キャンプは恐らく初心者、でもハンドメイドを添えてとことん楽しむ夫婦、キャンプ歴は40年にもなる父と娘という3組にクローズアップする。
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「サウナキャンプ」の相棒として選んだ自身初めてのクルマ
初めて買ったクルマがこのカングーというAさんは、今回のキャンプの告知を見つけて応募して参加。会場の空気を楽しみながらワーケーションをしている姿が印象的だった。 カングーをマイカーに選んだ理由を聞くと「いまソーシャルアパートメントに住んでいますが、その住人仲間と一緒に“サウナキャンプ”をするんですよ。みんなでサウナテントを立てて、川や湖に飛び込んだり。最高ですよ。その際の足としてカングーいいなって。かわいさ重視でボディカラーはイエロー(ジョン アグリュム)を選びました」。 大所帯になる「グルキャン」の際はタープを広げ、さらにテントまで建てるが、今回は彼女と2人での参加。車中泊をメインにした、最低限のギアのみで構成。お気に入りだというヘリノックスのチェアに座り、キャプテンスタッグの焚き火台をテーブルで囲み、日が沈んだ頃に火を囲んで過ごすというシンプルスタイル。 この日は「ふらっと参加のノリ」だったので、薪もサイト内の販売所で買っているが、「サウナをする時ってめちゃめちゃ使うんです。なのでいつもはAmazonで何十キロと大量買い(笑)。でも、そっちの方が断然安く買えますよ」。
夫婦が描くキャンプの世界観をご主人お手製の小技で盛り上げる
ほとんどのカングーオーナーに当てはまるだろうが「この形に魅せられた」のが選んだ理由。 以前から興味があったキャンプも、相棒を得たことで本格始動。この日は新しいテント、OGAWA「グロッケ」の本格デビューの日でもあった(その他にもカーサイドシェルターも所有しているとか)。
ご主人はとにかく手先が器用。奥様が「いいな」と思ったものを形にしていく。例えばこの日に開催していた「ガーランド(旗や飾りのついたひも状の装飾品)」づくりにも参加して、それを「グロッケ」につなげたり。ちょっぴり早いが(撮影は11月20日)雰囲気を盛り上げるクリスマスの装飾が、シンプルなテントに華を添えていた。
使っているテーブルも何ともオシャレ。チェアは「そこはカングーに合わせなきゃ」と思い、アパレルや雑貨などを展開する「niko and…」で展開していた、カングーとのコラボチェアを購入。テーブルの上にはやはり販売されていたカプセルトイがきっちり全台並ぶ。ちなみにカプセルトイを置いているコルク板のアレンジもご主人作。
ここでカングーに目を向ける。ラゲッジスペースはベットキット化されているのだが、面白いのがその下側。収納と使い勝手を考えて、引き出しが両サイドに奢られていた。片側は簡単な流し台、もう片側にはコンロとドリッパーが置かれる。「美味しいコーヒーを入れて、暗くなって照明の明かりのなか、主人と会話するのが今から楽しみです」とは奥様。 ちなみにベットキットに敷かれたマットレスは奥様お手製。間接照明として使っているミニランタンはマルチカラーに光るLEDタイプ。クルマ全体の雰囲気にマッチしていた。
長くやっているからこそ辿り着いた、肩肘張らないスタイル
キャンプ歴、40年以上。いわゆる第1次キャンプブームの少し前に始めて今に至るというオーナー。そもそも四駆とキャンプが好きで、3年前にカングーを買う以前は約20年かけてランドローバー・ディスカバリーを3台乗り継いでいる。
「たまには四駆以外の車もいいかな、と選んだのがカングー。これは家族での移動とキャンプがメインです。他にスズキ・ジムニーを最近買ったのと、マニュアルに乗りたい時用にMINIも持っています。根っからのクルマ好きなんですね。ソロキャンは興味はあるけどやってないです。だからキャンプするなら家族とだからカングーです」。 車内でキャンプの際に重宝する工夫発見。荷台部分にはホームセンターで買ってきた、ステーと棒を使ったお手製ハンガーパイプが奢られる。シートには純正オプションのシートカバーが付いていた。「本当はもう少しカスタマイズもしたいんですけど、そっちは家族の承認が貰えないんです(笑)」。 外装は荷台にイノーのルーフラックを付けて積載性をさらに上げる。ちなみにクルマと比べて妙に年季が入っているのは、ディスカバリー時代に地元のフリーマーケットで安く買い、ずっと使い続けてきたからだ。
キャンプ歴が長いのもきっとあるだろう、広げたキャンプギアはシンプル。焚き火台とそれを囲む椅子にウォーターサーバー、そして就寝用のテント。「本当はタープも広げる予定だったけど、風が強いからナシでいいかな、と。今日はそのポールだけを使ってランタンとマグを立てる事にしました」。「テントは知人が勧めてくれたケシュア製。いわゆるワンタッチ系のテントなんですけど、安くて丈夫なのがいいですね。昔は最近流行のペグ打ちが必要なタイプを買って頑張った時期もありますが、結局手軽な方がいいな、って」。
数年前にセールで買ったというコールマンの「ファイアーディスク」。形が形なだけに少々かさばるが、カングーの収納力なら問題なし。 この日使う薪は「家の近くでたまたま拾ったもの」で間に合わせた。空前のキャンプブームという事もあり、薪の値段はかなり上がっているそうだ。「そのせいか、最近は滅多に捨てられてないけど、今日はラッキーでしたね」。ブームのそれとは違う、恐らく本来のキャンプスタイルがそこにはあった。
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