アストンマーティンF1のマイク・クラック代表は、現在F1で3番目に任期の長いチーム代表だ。さて、この文章をもう一度読み返さざるを得ないだろうが、正しく読めば、ハースF1チームの創設以来チーム代表の地位にあったギュンター・シュタイナーの衝撃的な離脱の後、アストンマーティンF1チーム代表のクラックが3番目のポジションについたのだ。
ご存知のとおり、クラックがアストンマーティンのチーム代表に就任してまだ2年だ。つまり2022年のスタートから現在までの間に、F1の8チームがチーム代表を変えたという前例のない現象が起きたということだ。このことは、長い間サッカーにおけるアプローチとされていたことを、F1チームの株主たちが採用する傾向が強まっていることを示している。結果に満足できなければ、コーチを辞めさせるということだ。
年末に解職通知を受けたシュタイナー「ハースF1のメンバーに挨拶できなかったことが辛い」
2022年の冬、フェラーリがマッティア・ビノットを解任し、当時まだザウバー/アルファロメオの契約下にあったフレデリック・バスールを起用するという決定を下したことで、チーム代表市場では目まぐるしい動きがあった。契約が成立すると、ザウバーを買収したばかりのアウディはマクラーレンからアンドレアス・ザイドルを数年早くマクラーレンから解放した。ザイドルの後任としてアンドレア・ステラが新たにマクラーレンのチーム代表に就任し、これで3つのチームが一挙にチーム代表を変えたことになる。
その後、ウイリアムズからヨースト・カピートが離脱し、ジェイムズ・ボウルズが後任として招かれたため、F1チームの40%は2023年を2022年シーズン終了時とは異なるチーム代表の下でスタートした。
2023年シーズン中には、アルピーヌが大きな変化を遂げた。オットマー・サフナウアーはチームから離脱した3人の幹部のひとりとで、ブルーノ・ファミンがアルピーヌグループ内部の他のポジションと兼任でチーム代表に就いた。
そして現在は、2024年の初めにローレン・メキースがアルファタウリでチーム代表としての新たな仕事を始め、小松礼雄はシュタイナーと入れ替わり、ジーン・ハースのために彼の指針に沿ってチームを運営することになった。
つまりレッドブルF1のチーム代表として20シーズン目を迎えるクリスチャン・ホーナーと、2013年初頭からメルセデスF1を率いているトト・ウォルフを除けば、他のチーム代表は全員が就任から2年も経っていない、あるいはようやく2年を過ぎたことになる。これほど安定していないということは、F1チームの新オーナーたちがはるかに批判的になっており、大規模な投資や会社のビジネスモデル変更を検討することなく、すぐに結果を求めることを示している。
また、マクラーレン、アストンマーティン、ウイリアムズ、そしてフェラーリなど、2023年の結果が判断の正しさを示しているケースがあることも事実だ。たとえアストンマーティンの主な変更点が投資と、もはやセバスチャン・ベッテルが自身に見いだせなかったモチベーションを持っていたフェルナンド・アロンソの起用だったとしてもだ。
それでも8人の“新”代表たちは、すぐにパフォーマンスを発揮しなければならないというプレッシャーにさらされ、落ち着いて必要と思われる大きな変化を起こす時間を与えられないことを認識している。したがって、すべてを自分の好みに合わせるための時間があると知っていたとしても、それほど効率的にはならないかもしれない。
これは新たな現実だ。F1は、オーナーがチームを運営し、成功するために自身のお金と首を賭けていた時代から完全に離れている。
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