■ホンダを代表するVTECエンジンを搭載したトヨタ「MR2」
トヨタ初のミッドシップスポーツカー「MR2」に、ホンダを代表する高回転エンジン「VTEC」を搭載。そんな奇抜な発想の中古車がオークションサイト「ebay」に出品されました。
【画像】超カッコイイ! ホンダエンジン搭載のトヨタ「MRスポーツカー」を画像で見る(77枚)
トヨタ初となるミッドシップスポーツカーが発売されたのは1984年のこと。「Midship Runabout 2 Seater」の頭文字をとって「MR2」が誕生しました。
2ドアクーペのボディにミッドシップレイアウトのパッケージは、スポーツカー好きから大きな人気を集めます。
初代MR2の後期型では、スーパーチャージャーを搭載したパワフルな走行性能を楽しめるモデルも登場。1986年には2代目が発売し、初代よりも拡大されたボディサイズは全長4170mm×全幅1695mm×全高1235mmでした。
ウェッジシェイプの直線的なフォルムとリトラクタブルヘッドライトが特徴的な初代のエクステリアは、2代目で流線形のデザインに一新。リトラクタブルヘッドライトは継承され、よりスポーティさが増しています。
そんなMR2の心臓部にホンダが誇る「VTEC」エンジンを搭載したカスタムカーが、オークションサイト「ebay」に出品されました。
今回MR2に搭載されたK20A型のVTECエンジンは、主にタイプRを名乗った「シビック」をはじめ、2001年の「インテグラ」、2002年の「アコードEuro-R」にも搭載されていました。
ホンダ独自の可変バルブタイミング・リフト機構を持つエンジンで高回転と低回転の2種類のカムを使い分け、高次元で両立させることができます。
2007年のシビックで使用された「VTEC」は、フラッグシップスポーツカー「NSX」で使用されている製法を取り入れて吸排気効率を向上し、最高出力は225psを発揮。先代と比較すると約10psも向上しています。
今回登場したMR2は、世界中から愛好家が集まる「MR2 DC National Day」に参加し、コンテストで受賞しました。また雑誌での掲載経歴を持っています。
イギリスから出展された1998年式の2代目で、落札価格は約204万円でした。エクステリアはすっきりと仕上げられており、フロントはハロゲンライトが取り除かれ、大型化されたリップスポイラーが目を惹きます。
リアウイングも大型化されたエアロパーツを装着。リップスポイラーと相まって、空力効果を上げているといえるでしょう。
サイドは、エアダクトが大型されているほか、本来ブラックで仕上げられているカラードサイドガードがボディと同色のシルバーで塗装されたことで、一体感のある仕上がりです。
20mmローダウンされていることと、タイヤホイールもスタイリッシュな見た目に大きく影響しています。
LEDライトを車の底部に取り付けたアンダーグロウが個性を引き出しているようです。個性的な特徴はボンネット裏に貼られたステッカーにも表れています。ゲーム「Sonic×SHADOW GENERATIONS(ソニック×シャドウ ジェネレーションズ)」のキャラクターが所狭しと、綺麗にまとめられている様子は圧巻です。
エンジンルームにはLEDライトが取り付けられていています。これはエンジンルームのコンポーネントを照らす役割もありますが、むしろステッカーを際立たせることでカスタムショーでの映えを狙っているといえるでしょう。
インテリアもノーマルに近い状態ですが、シフターはアメリカでホンダ車用のパフォーマンスパーツを手掛ける「ハイブリッドレーシング社(Hybrid Racing)」の「V2シフター」に変更されていることが分かります。
「V2」のショートシフターは、よりクイックで正確なシフト操作を可能にするだけでなくスプリングが強化されているので、より堅牢な作りになっているのが大きな特徴です。
ギアボックスはシビック タイプRの6速MTに変更され、また強化クラッチに取り替えられました。これにより高い摩擦力や着圧力でクラッチの滑りを防ぎ、パワーロスにも貢献しています。
スワップされたVTECエンジンのさらなる進化を期待して変更されたのは、アメリカのチューニングカー御用達の「AEM」が製造する「V2インダクションシステム」です。これによりエンジンの全回転域でのパワフルな走行性能が期待できます。
インジェクターには「ボッシュ」の1000ccを使用し、霧状の細かな多段噴射で燃焼効率を向上。またエンジンコントロールユニット(ECU)には、アメリカでホンダ車専門にチューニングを行っている「HONDATA(ホンダータ)」の「K-PRO V4制御」が使用されています。
「K-PRO V4制御」はKシリーズエンジンに対応するもので、大きな特徴としてはマッピングをカスタマイズできること。燃料供給や点火のタイミングなど詳細な調整を可能にしています。また走行中のデータロギングもできるので、解析に役立つ仕様です。
今回出展されたMR2は、ミッドシップのエクステリアをそのまま生かし、エンジンや走りに直結するパーツをスワップした仕様の一台でした。
海外では「VTEC」エンジンの流通量が多く、また比較的手に入れやすいことから、MR2や「MR-S」などにホンダのエンジンを搭載するカスタムが見られます。ホンダを代表するミッドシップにもNSXがありますが、そんな名車たちとも異なる走りを楽しめる一台に仕上がっているものと期待したいものです。
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みんなのコメント
なんだ、そういうモデルが発売されたのから思ったらただの改造車の話か。つまらん。