2024年11月3日(現地時間)、F1世界選手権第21戦ブラジルGP決勝がサンパウロ郊外インテルラゴスのアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェで開催され、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝、2位にはエステバン・オコン、3位にもピエール・ガスリーが入り、アルピーヌ勢がダブル表彰台となった。午前中に行われた予選で自己最上位グリッドの3番手からスタートした角田裕毅(RB)は赤旗中断後のペースが今ひとつだったものの7位でフィニッシュしている。
17番グリッドからの大逆転、フェルスタッペンが第10戦以来の勝利
土曜日の予選は雨で日曜日に延期。またも雨となったその予選でまさかのQ2落ちを喫し、パワーユニット交換のペナルティと合わせて17番グリッドからのスタートとなったフェルスタッペンが、奇跡的な勝利で選手権防衛を大きく手繰り寄せた。
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大逆転劇の鍵となったのは雨、ターン1での大胆なオーバーテイク、そしてレース中盤のバーチャルセーフティカー時のステイアウトの好判断だった。
予選同様に降り続く雨の中で始まったレースは、無理をしてオーバーテイクを試みれば即コースアウトの危険を孕む状況。各ドライバーが慎重になる中で、スタートで大きくポジションを上げたフェルスタッペンはその後もコーナーへの飛び込みでオーバーテイクを連発、11周目には早くも6番手まで順位を上げる。
その後はしばらくシャルル・ルクレール(フェラーリ)を抜きあぐねていたが、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)のコースアウトによってバーチャルセーフティカーが発動されると、多くのクルマがピットインしてタイヤ交換するのを横目にステイアウトを選択。同じくステイアウトを選択したオコンに続く2番手に浮上する。
そして、バーチャルセーフティカーがセーフティカーに変わった直後にフランコ・コラピント(ウイリアムズ)のクラッシュによってレースが赤旗となったことで、この判断は吉と出た。
ドライバーズ選手権でのノリスとのポイント差は62点に拡大
赤旗時にピットレーンで難なくタイヤ交換を済ませたフェルスタッペンの残る仕事はオコンを攻略するのみ。その瞬間はカルロス・サインツのクラッシュで再び出たセーフティカーが退去した43周目にやってきた。
レース後に「レーシングラインはひとつしかなかったし、リスクはあったけど(抜ける)自信はあった」と本人が振り返ったターン1の飛び込みで鮮やかにアルピーヌを抜き去ると、その後はファステストラップを連発しながら独走。実に6月のスペインGP以来となる久しぶりのトップチェッカーを受けることになった。
レース前半に首位争いを展開していたランド・ノリス(マクラーレン)が43周目のレース再開時に痛恨のコースオフを喫して6位に終わったことにより、ドライバーズ選手権での両者のポイント差は62点へと再び拡大。残り3戦(+スプリント1戦)でのノリスの逆転は厳しくなってきた。
角田裕毅は自己最上位の3番グリッドから7位フィニッシュ
RBの角田裕毅は土曜日の雨のため日曜日の午前中に行われた予選で、ノリス、ジョージ・ラッセル(メルセデス)に次ぐ自己最上位の3番グリッドを獲得。決勝では雨の中で上位をキープしていたが、赤旗中断後のリスタートでオーバーランして8位に後退。それでも7位入賞を果たし6ポイントを獲得した。
もうひとつの注目はアルピーヌ・ルノーの健闘。2位にオコン、3位にガスリーが入り、アルピーヌはコンストラクターズ選手権でハースとRBを上回り6位に浮上を果たした。ガスリーはスプリントでも6位に入賞している。
なおそのスプリントでは、スプリント予選でポールポジションを獲得したオスカー・ピアストリと2番手のノリスがレースをリード。最終的にはチームオーダーで2人が順位を入れ替えてフィニッシュした。
次戦第22戦ラスベガスGPは、11月23日、アメリカ合衆国ネバダ州ラスベガスのラスベガス・ストリップサーキットで開催される。(文:新村いつき)
2024年F1第21戦ブラジルGP リザルト
2024年F1第21戦ブラジルGPスプリント 結果
1位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス) 24周[8]
2位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス) +0.539s[7]
3位16 C.ルクレール(フェラーリ)) +5.656s[6]
4位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT) +6.497s[5]
5位 55 C.サインツ(フェラーリ)+7.224s[4]
6位 63 G.ラッセル(メルセデス)+12.475s[3]
7位 10 P.ガスリー(アルピーヌ・ルノー)+18.161s[2]
8位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)+19717s[1]
─────────────
9位 30 L.ローソン(RB・ホンダRBPT) +20.773s
15位 22 角田裕毅(RB・ホンダRBPT)+41.374s
※[ ]=獲得ポイント
2024年F1第21戦ブラジルGP決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)69周[25]
2位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+19.477s[18]
3位10 P.ガスリー(アルピーヌ・ルノー)+22.532s[15]
4位 63 G.ラッセル(メルセデス)+23.265s[12]
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+30.177s[10]
6位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+31.372s[8]
7位 22 角田裕毅(RB・ホンダRBPT 11 )+42.056s[6]
8位81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+44.943s[4]
9位 30 L.ローソン(RB・ホンダRBPT)+50.452s[2]
10位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+50.753s[1]
─────────────
11位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)+51.331s
ファステストラップ 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)[1]
※[ ]=獲得ポイント。
2024年F1ドライバーズランキング(第21戦終了時)
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル) 393
2位 4 L.ノリス(マクラーレン)331
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ)307
4位 81 O.ピアストリ(マクラーレン)262
5位 55 C.サインツ(フェラーリ)244
6位 63 G.ラッセル(メルセデス)192
7位 44 L.ハミルトン(メルセデス)190
8位 11 S.ペレス(レッドブル)151
─────────────
11位 22 角田裕毅(RB)28
2024年F1コンストラクターズランキング(第21戦終了時)
1位 マクラーレン 593
2位 フェラーリ 557
3位 レッドブル 544
4位 メルセデス 382
5位 アストンマーティン 86
6位 アルピーヌ 49
7位 ハース 46
8位 RB 44
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