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トヨタ「bZ4X」登場は新時代の幕開け? もはやSUVと呼ぶべきか悩みそうな電動SUV3選

掲載 更新 14
トヨタ「bZ4X」登場は新時代の幕開け? もはやSUVと呼ぶべきか悩みそうな電動SUV3選

■斬新なデザインの最新電動SUVを振り返る

 2021年10月29日、トヨタは同年4月19日に世界初公開した新型EV「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」の詳細な情報と日本仕様について公開しました。

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 これまで、BEVについては静観していた感のあるトヨタから満を持して登場した電動SUVのbZ4Xですが、その甲斐あって諸性能はかなり優秀といえます。

 さらに、大いに話題となっているのが内外装のデザインで、もはやSUVの概念を超越したような造形を採用。

 SUVの起源というと、クロスカントリー4WD車や4WDピックアップトラックといった無骨なデザインのモデルに辿り着きますが、近年、定番人気のクロスオーバーSUVは、かつてのSUVとは大きく異なるスタイリッシュなフォルムで、最新の電動SUVではさらに斬新なデザインです。

 そこで、アグレッシブなデザインの最新電動SUVを、3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「bZ4X」

 前述のとおり10月29日に詳細な情報が発表されたbZ4Xは、トヨタbZ(beyond Zero=ゼロを超えた価値)シリーズの第1弾となるモデルです。

 ボディサイズは全長4690mm×全幅1860mm×全高1650mm(アンテナ含む)と、同社の「ハリアー」に近いミドルクラスSUVにカテゴライズされます。

 プラットフォームはスバルとの共同開発によるBEV専用プラットフォームの採用によって、低重心化と高剛性化を実現。

 駆動方式は2WDと4WDを設定し、モーターのシステム出力は2WDが150kW(204馬力)、4WDが160kW(218馬力)とパワフルで、さらにモーターの特徴である発進時からの大トルクを発揮する特性から、シャープな加速が期待できるでしょう。

 走行用バッテリーは71.4kWのリチウムイオン電池を床下に搭載し、1充電の走行可能距離はWLTCモードで2WDが約500km、4WDが460kmと、ロングランを可能としています。

 外観はグリルレスで薄型ヘッドライトを配置した精悍なフロントフェイスに、極端にリアゲートが傾斜したクーペスタイルを採用。

 また、ボディサイドの複雑なプレスラインによって、切れと立体感のあるサイドビューを演出しています。

 外装は斬新なスタイリングですがそれ以上にアグレッシブなのが内装で、フードを取りさらった液晶モニターのメーターまわりが新たなデザインの方向性を示唆。

 さらにステアバイワイヤシステムを導入したグレードでは、飛行機の操縦桿のようなステアリングホイールが装着されており、これは回転角度を持ち替え不要な約±150°に設定しとことで実現できたといいます。

 トヨタ渾身の作といえるBEVのbZ4Xは、2022年年央より世界各地で発売される予定です。

●ジャガー「Iペイス」

 ジャガーは2018年に、同社初のBEVとして「I-PACE(ペイス)」を発売。日本でも同年に販売が開始されました。

 IペイスはSUVにカテゴライズされていますが、外観のデザインは低く流麗なフォルムとなっており、SUVというよりもスタイリッシュな5ドアハッチバックといった印象の造形です。

 駆動方式は前後に搭載されたふたつのモーターによる4WDとなっており、システム最高出力は400馬力を発揮。

 0-100km/h加速は4.8秒、最高速度は200km/hと、2.2トン強のヘビー級の重量ながら俊足です。

 搭載されるバッテリーは90kWhの大容量リチウムイオン電池で、航続距離は1充電で438km(WLTCモード)と公表されていますから、日常での使用にも十分に対応しています。

 また、最低地上高が174mmと低いことからオンロード性能を重視していることがうかがえますが、2018年にはサーキットにおけるワンメイクレースが開催されるなど、やはりSUVというカテゴライズを超越したモデルといえます。

 日本でのIペイスの価格は1005万円 (消費税込)からで、装備の違いで3グレードの展開となっていますが、モーターやバッテリーのスペックは同一です。

●ボルボ「C40リチャージ」

 ボルボの現行ラインナップで主力のモデルとなっているのが、「XC」シリーズのSUVと「V」シリーズのステーションワゴンで、さらにセダン「S」シリーズがあり、今では全車ハイブリッドもしくはプラグインハイブリッドと完全な電動化を達成しています。

 そして、2021年6月には欧州でボルボ初の新型電動SUV「C40リチャージ」の受注を開始し、日本でも2021年秋から導入される予定です。

 外観はXCシリーズとは異なり流麗なフォルムのクーペスタイルを採用し、とくにラウンドしたルーフラインが強く傾斜したリアゲートにつながるデザインは、これまでのボルボラインナップには無い特徴です。

 また、フロントフェイスは最先端のピクセル技術を用いたヘッドライトを搭載し、今後のボルボ製EVの新しい顔になるとアナウンスされています。

 また装備面ではGoogleと共同開発されたAndroidオペレーションシステムを採用する新インフォテインメントシステムや、ソフトウェアのアップデートをオンラインにて実施するなど、既存モデルにはない新しい取り組みがおこなわれます。

 パワートレインは前輪と後輪にひとつずつ搭載されたツインモーターで構成され、約40分で80%まで急速充電が可能な78kWhのリチウムイオンバッテリーによって、航続可能距離はおよそ420kmを想定。

 ボルボは2030年までに世界的に完全なEVメーカーになることを計画しており、販売方法もユニークで、日本に導入するすべてのボルボの電気自動車はオンライン販売のみです。

 今秋に導入する100台のC40リチャージには、新しいサブスクリプションのプランを用意し、短期での契約終了であっても追加負担なくクルマを手放すことができる画期的なものとなっているといいます。

※ ※ ※

 世界的なSUV人気はますます加熱していますが、今回、紹介した電動SUVが将来的にはEVの主流となるのではないでしょうか。

 ボディサイズに対してスペース効率が高いSUVはEV化との親和性も良好で、室内空間の広さもキープできます。

 一方で、EVのさらなる普及にはバッテリー性能の向上が不可欠で、各メーカーとも大容量のバッテリーで航続可能距離を伸ばしていますが、充電時間の短縮とバッテリーの劣化という問題は完全にクリアしていません。

 トヨタはbZ4Xで150kW充電に対応して30分で充電量80%まで充電可能とし、10年後90%と世界トップレベルの電池容量維持率を目標として実用性を高めていますが、まだまだガソリン車並みの使い勝手までは到達していません。

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