ヒョンデは2023年3月6日、韓国・ソウルで2代目となるBセグメントのEV「KONA(コナ)」のワールドプレミアを行なった。日本には未導入ながら初代コナは2017年6月に初登場しており、グローバル市場で人気の高いBセグメントのクロスオーバーSUVとして参入した。そして2019年には北米カー・オブ・ザ・イヤー2019の「SUVカー・オブ・ザ・イヤー」を受賞している。新型コナ(2024年型モデル)はその実績をベースにさらにグローバルでプレゼンスを強化しようとするモデルである。
■ クロスオーバーSUV「コナ」の系譜
コナの車名はハワイ島西部の風光明媚な地名のコナに由来している。2017年にデビューした初代コナは、キアと共通のGBプラットフォームを採用。複数のガソリンエンジンとディーゼルエンジン、ガソリン・ハイブリッドをラインアップし、複数のトランスミッションが仕向け先ごとに展開され、韓国では1.6L・直列4気筒ディーゼルと1.6L・直列4気筒GDi・直噴ガソリンターボの2種で7速DCTが組み合わされる。
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2017年~発売された初代コナそして2018年にコナEVが追加された。このコナEVは韓国のLGエナジーソリューション製のリチウムイオン・バッテリーを搭載し、ヒョンデにとってはC+セグメントのIONIQに続く2番目のEVとなっている。
なお生産は、韓国、中国、チェコ、インド、ベトナム、アルジェリアで行なわれているグローバルカーで、アメリカ、ヨーロッパやインドではEVをメイン車種として販売されている。
■新型コナ
2代目のコナは2022年12月に登場予告が行なわれ、2023年3月6日に1.6L・ガソリン直噴、2.0L・ガソリン、1.6 L・ガソリン+ハイブリッドとEVモデルが発表された。ヒョンデは2022年3月に発表した電動化戦略「2030年までに新型の電気自動車(EV)を11車種発表する」にしたがって、新型コナはEVを先に開発するという従来とは違う開発手法を採用している。
ヒョンデの張在勲(チャン・ジェフン)CEOは以下のように語っている。
「コナEVは、当社のIONIQモデルとともに、ヒョンデのEVにおけるリーダーシップを強化する上で大きな役割を果たすと期待しています。この新しいモデルは、初代コナEVに対する素晴らしい評価を基に、数多くの優れた機能で競合をリードするように設計されています。ヒョンデはEV革命を単なる最新のトレンドとみなしていません。EV革命は、業界だけでなく、社会にとっても重要な役割を果たすと信じています。私たちのEVのような環境に優しいモビリティソリューションの実現を通じて、クリーンモビリティへの移行を加速し、人類のための進歩をもたらすことができればと思います」
新型コナは、全長は先代より175mm長い4355mmとなり、ホイールベースは60mm長い2660mm、全幅は25mm広い1825mm、全高は20mm高い1575mmとなっており、ホイールベース、全長、全幅を拡大し、Bセグメントとはいえ実質サイズはCセグメントに相当する。
ボディの空気抵抗係数がわずか0.27で、デザインを犠牲にすることなく空力性能を向上。空力特性に優れたノーズとテールゲートの間には、オーバーフェンダー処理と3次元サーフェスが彫り込まれて存在感を強めている。ベルトラインとハイマウントストップランプ(HMSL)内蔵のリヤスポイラーをつなぐダイナミックなクロームライン。EVでは、ピクセル化されたシームレスホライゾンランプとピクセルグラフィックが、ユニークな印象を与える。
インテリアのデザインは「リビングスペース」コンセプトで、より広いキャビンを設計し幅広いライフスタイルに対応。ドライバー中心の運転席の前は、12.3インチのデュアル・パノラミックディスプレイを内蔵したフローティングホリゾンタル・パッドによって強調され、ハイテクな個性を主張している。
前席中央部のオープンコンソールには収納スペース、回転式カップホルダーを配置。このレイアウトにより、コナの室内空間はより広くなり、ドライバーや乗員にとって多目的で快適な空間となっている。
さらに、ステアリングホイール周辺にすべての操作系を配置。アンビエントライトは、OTAアップデートによるメンテナンスと新機能の追加もサポートしている。
前列のリラクゼーション・コンフォートシート(オプション)は、「無重力」の体圧分散に最適化され、運転後の疲労を軽減することができる。2列目の「カーブレスベンチシート」は居住性を最大限に高め、2段階ラッチで後席のリクライニングも可能。
完全に折り畳める2列目シートとリヤコンパートメントにより、最大466L(VDA方式)の積載スペースを実現。トランクへのアクセスを向上させる便利でカスタマイズ可能なスマートパワーテールゲートも装備している。
EVならではの装備としては、バッテリーのプリコンディショニング温度コントロールにより、冬場でも確実な充電と航続距離を確保し、充電ドア凍結防止システムにより、マイナス30度の環境下でも充電ドアを開けることができ、新たに充電ドアランプを採用し、夜間の視認性を確保している。
ヘッドアップディスプレイは、12インチのプロジェクションでドライバーにとって最適な情報をフロントガラスに表示。これにより、ドライバーは前方に注意を向けながら、素早く情報を処理することができる。また、e-ASD(人工サウンド)は、EVをより魅力的にするバーチャルサウンドをドライバーのために作り出し、走行速度、トルク、モーターの状態、加速度などの変数を考慮し最適なサウンドを発生。もちろんドライバーは音量を調節したり、車室内のサウンドをカスタマイズすることが可能だ。
オーディオは、8つのスピーカーからなるBoseプレミアムサウンドシステムを設定している。
最新のコネクテッド技術を装備し、12.3インチのデュアルパノラミック・ディスプレイスクリーンを搭載している。またソフトウエアの自動更新(OTA)、通信型ナビゲーションなども搭載。さらにスマートフォンやスマートウォッチの近距離無線通信(NFC)を利用した Digital Key 2 Touch でドアロック、ロック解除、スタートが可能だ。
コナEVは、BセグメントSUVでクラストップレベルの航続距離を実現している。バッテリーのバリエーションは、ロングレンジ(65.4kWh)と標準レンジ(48.4kWh)が選択可能。ロングレンジの場合、WLTPモード推定490km、WLTCモードで約500kmとなる。また、EV特有のデザイン要素として、アクティブエアフラップ、室外・室内ヘの電源供給を行なうV2Lシステム、アクセルペダルだけで加速、減速、停止ができるi-PEDALドライビングモード、前走車に合わせて自動調整されるスマート回生システムモ採用されている。
駆動システムは2WDのみで、駆動モーターの出力はロングレンジで218ps/255Nm、標準レンジの場合は156ps/255Nmだ。
また運転支援システムは、、レベル2のアダプティブ・クルージング、前方衝突回避アシスト(FCA)、ブラインドスポットビューモニター(BVM)、遠隔スマートパーキングアシスト(RSPA)、ドライバーステータスモニター(DSM:モニタリング)などを新たに搭載している。
2代目となる新型コナEVは、グローバルで展開する戦略であり、価格は未発表ながら、BYD ATTO3を意識し、競争力をより高めると考えることができる。現時点では発表されていないが、日本市場へは年内の導入が予想されている。
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ヒョンデ ・ジャパン 公式サイト
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