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人生の休憩時間 「名車再生!」元有名司会者エド・チャイナの生き方

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人生の休憩時間 「名車再生!」元有名司会者エド・チャイナの生き方

もくじ

ー 超有名クルマ番組の元司会者
ー プロデューサーとの意見不一致
ー 自由気ままな生き様
ー 溢れ出る新たなアイデア
ー プレゼンターよりプロデューサーに
ー 今の生活を楽しむ

劇中車あつかう男 インタビュー 知られざる困難 意外な裏話も

超有名クルマ番組の元司会者

世界的に有名なクルマ番組の司会者が、制作陣との揉め事により降板に至ったのをご存知だろうか。彼は今何をしているのかを取材した。しかしあいにく、ここで取り上げるのはおそらくあなたが考えるBBCの某番組ではない。

そう、その番組とはウィーラー・ディーラーズ(名車再生!クラシックカー・ディーラーズ)である。2003年から13シーズンに渡ってエド・チャイナとマイク・ブルーワーが司会を務め、3億5000万人もの視聴者がいるとされている。

前述の揉め事とは、番組の進行についての意見の相違である。決して酒絡みの暴力沙汰などではない。2m近い身長を持つ彼は「紳士的な巨人」と呼ばれる温和な性格なのだ。番組の構成はシンプルだ。ブルーワーが仕入れてきた廃車を、メカニックのチャイナがレストアして販売するというものだ。

この番組は大成功を収め、英国からハリウッドのお膝元であるカリフォルニア州ハンティントンビーチへと拠点を移した。チャイナはジェイ・レノのコレクションを個人的に尋ねたり、ヴァン・ヘイレンの元ボーカルであるサミー・ヘイガーのファンであるとも語っている。

プロデューサーとの意見不一致

彼が番組を降板したとき、プロデューサーらはその理由についてチャイナが「他のプロジェクトへの参加のため」と説明していた。それについて彼は顔をしかめた。実際のところは新たなプロジェクトなんてものはなく、作業場のシーンを減らすよう要求してきたプロデューサーとの折り合いがつかなかったことが理由だ。

一方のブルーワーは、チャイナのエゴや能力について苦言を呈していた。チャイナは彼について「マイクとわたしは撮影時にはうまくやっていました。わたしはあの雰囲気を気に入っていましたし、彼にはうまくやってほしいと願ってます」と語る。ブルーワーはアント・アンステッドとともにハリウッドで番組を続けている。

「(ハリウッドでの生活は)夢の中のようでしたよ」とチャイナは振り返る。「素晴らしいものでしたが、いつまでも続く現実とは思えませんでした。ビーチのすぐそばに住むのは素晴らしいものです。クジラが泳ぐ姿を見ることもできました。朝食を食べに出かけ、夕方にはアイスクリームを食べ、絶景の中をドライブするのです」

「わたしも妻のイモジェンもそれを気に入っていました。非常に特別な生活でしたが、なんというか、少し現実離れしていたのです。あの生活を楽しんでいましたが、冷静に考えてみればそれを一生続けることなどできないのです」

自由気ままな生き様

大ヒット番組の撮影のためハリウッドに移住したものの、収束再開の数週間前にその出演が無くなってしまったというわけだ。「わたしに同情は不要です。スタッフの皆は非常によくやっていました。それまで連日撮影を行い、休日も無い生活を行なっていました。英国に再び引っ越すのは手間でしたが、再び自由を手に入れることができたのです。特にそれからの計画はありませんでしたが、行き当たりばったりな生活も悪く無いでしょう」

失業したテレビスターの言い訳のようにも聞こえるかもしれないが、チャイナの生き様を見てみる価値はある。彼はテレビ時代から自由気ままな人生を歩んできたのだ。幼少期には四六時中レゴで遊び、学生時代は赤いバスに住んだ。そして大人になってからはカメラの前で自走するソファー、風呂、オフィスを作ってみたり、巨大なショッピングカートを製作したこともあった。

「わたしの父は本当の天才でした」と彼はいう。「自慢するつもりはありませんが、彼は英国初の衛星を開発したチームの一員でした。彼は賢く機転も利きましたが、社会に馴染むことができなかったのです。ある日、彼は線路に飛び込んで自殺してしまいました」

「当時幼かったわたしはその事実を隠されていましたが、非常に悲惨なものでした。しかしそこから学んだことは、冷静さを保つことの大切さと、すべてを楽しむことです。人生においては計画が急に変わることもありますが、臨機応変に自分も変われば良いのです」

溢れ出る新たなアイデア

チャイナのこの性格はテレビではそれほど表に出てはいないが、知れば知るほど親しみが湧いてくる。そして彼は生放送や聴衆に囲まれることに対する恐怖心についても語ってくれた。彼はショーや受賞式などにおいても自分が主役になることを拒んでいる。「説明は難しいですが、それがわたしなのです。皆の注目を集めるモノを作るのは好きですが、自分が注目の的になりたくはありません」

ここにチャイナの魅力がつまっていると言っても過言ではない。ペンギン・ブックスが彼に自伝の執筆を持ちかけたのも理解できる。この本は彼のキャラクターを非常に良く表しており、彼が興味を持つすべてのものに対する情熱が詰まっている。

彼の知識量は膨大だ。彼はアイデアが次々と湧き出るあまり。6つほどの会話を同時進行してしまうこともある。常人がこれについていくのは大変だろう。初対面から5分後には彼のアイデアの波に飲まれてしまうのではないか。

「わたしはよくしゃべる子どもでした。それは良くあることですが、わたしの母はそれを褒めてくれたのです。多くの親はそうではないでしょう」と彼は微笑む。「わたしは多くの質問をしましたが、そのすべてについて答えを出す手助けをしたり、それがわかる場所に連れて行ってくれました」

プレゼンターよりプロデューサーに

「わたしが実車で遊べる歳になると、家の前をワークショップにしてしまっても文句を言わずに見守ってくれました。隣人たちは快く思っていないようでしたが、彼女はわたしのやりたいことを理解してくれたのです。わたしがバスに住みたいと言えばそれを許してくれました。安全かつ楽しければそれで良いのです。このおかげで、わたしは自走式ソファーの製作からハリウッド進出まで素晴らしいキャリアを歩むことができました」

古いクルマを走るように修理するには、時には手荒な作業も必要となる。しかし、チャイナの完璧主義が邪魔をすることもあったようだ。それはテレビでのキャリアにも影響を与えたと彼は振り返る。「わたしは司会者として訓練を受けたわけではありませんし、伝えたいことを的確に表現するのは難しいのです」

「実際、わたしにはプレゼンターよりもプロデューサーの方があっているのではないかと思うことも度々あります。他のひとが満足していても、もう一度やればさらに良い結果が出るのではないかと常々考えてしまうのです」

これこそがチャイナが再びテレビに出演することを急がない理由だ。彼は他に多くのプロジェクトを抱えており、カメラの前に再び姿を表す暇もないという。

今の生活を楽しむ

「わたしが学んだことは、良い番組を作るためには綿密な計画と、適切な人材、そして十分な資金が必要だということです」と彼はいう。

「ウィーラー・ディーラーズはこれらの点を満たした素晴らしい番組であり、ケチをつけるつもりはありません。面白いことに、わたしは先日(コメディアンの)スティーブ・クーガンに会いました。彼は非常にクルマが好きで、わたしに新しいクルマ番組を始めるよう言ってきました」

「そこでわたしは新たな番組を一緒に作らないかと提案しました。しかし彼は笑ってこう言ったのです。『おまえの番組はわたしの楽しみだったのに、一緒に出演してしまったらそれが台無しじゃないか!』とね」

「そのような期待を裏切りたくはありません。しかし、今はそれ以外のことで忙しくしており、次はどんなことがわたしを待ち受けているのか、楽しみで仕方がないのです」と彼は語った。

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