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【ヒットの法則440】メルセデス・ベンツCLS&CLはマイナーチェンジでさらにパーソナルな存在に

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【ヒットの法則440】メルセデス・ベンツCLS&CLはマイナーチェンジでさらにパーソナルな存在に

2008年、メルセデス・ベンツのパーソナル4ドアクーペのCLSと2ドアクーペのCLがマイナーチェンジを受けて登場した。その変更は相当に力の入ったもので、オーストリアのウイーンでメルセデス・ベンツのクーペファミリー全員集合とも言える国際試乗会が開催されている。ここでは進化したCLSとCLを中心に、その試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年7月号より)

マイナーチェンジを機にCLS280とCLS350CGIを設定
メルセデス・ベンツは先ごろ、オーストリアのウイーンでクーペファミリー全員集合とも言えるイベントを開催した。注目は最近マイナーチェンジを行ったCLSとCL、そして後者に加わった4WDモデルCL500 4MATICのお披露目であった。

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メルセデス・ベンツの中でも革新的なデザインを持ったCLSは、2003年のフランクフルトモーターショーで「ビジョンCLS」として登場した。クーペのような低く後方に流れるルーフラインと、極端に小さいサイドウインドウ、そして前後が強烈に絞り込まれたボディなどは、メルセデスとしては珍しく好き嫌いがはっきりしたデザインであった。しかし、それにもかかわらず全般に評判は非常に良く、メルセデス・ベンツはその翌月には、発売を開始したほどである。

その人気モデルであるCLSが、5年目にしてマイナーチェンジを受けた。デザイン的なもっとも大きな変更点はフロントで、グリル内にあるルーバーが4本から2本に変わっている。また、その下のエアインテークの形状も、下方へワイドに広がり、安定感を感じさせるデザインとなった。

またサイドに回ると、法規制で32%面積の大きくなったドアミラーに、LEDを採用した矢印のようなライトが設けられていることがわかる。さらに、新しいデザインのホイールがプロフィールに新鮮なアクセントを与えている。

一方、絞り込まれたリアエンドには、LEDを採用したコンビネーションライトが並び、さらに新しいロゴ、そして断面が台形になったゾーストパイプがインテグレートされたリアフィニッシャーで、これまでのモデルとの差を付けている。

また、インテリアにはマルチファンクション仕様の3本スポークスポーツステリングホイールが与えられ、新鮮な印象が醸し出されている。新しいデザインのメータークラスター、そしてダッシュボードの素材のクオリティは以前のモデルよりもずっと向上しているのがわかる。さらにiPodを始めとする様々なメディアに対応可能な端子、そしてSDカードスロットなど、今後さらにポピュラーになるであろうカーインフォーテインメントに対応するようになっている。

今回、このマイナーチェンジを機に、CLSには2つのモデルが加わった。CLS280とCLS350CGIである。

CLS280は、最高出力231psの3L V6エンジンを搭載したエントリーモデルで、7速のオートマチックトランシミッションが標準装備されている。メルセデス・ベンツの発表によれば、0→100km/hの加速所要時間は7.7秒、最高速度は245km/hに達する。実際にウイーンの郊外で試乗した限りでは、車重1730kgのボディにもかかわらず、まったくエントリーモデルとは思えない、確かな走りの性能を見せてくれた。

CLS350CGIはメルセデス・ベンツが最近発表したガソリン直噴エンジンを搭載。このエンジンは最高出力292psと最大トルク365Nmを発生、7Gトロニックと組み合わされて0→100km/hを6.7秒で走り切り、最高速度は250km/hに達する。また注目の燃費は新欧州サイクルで、およそ1Lあたり11kmである。

そして、CLS系のトップモデルとなるのがCLS 63AMGである。おなじみの6.2L V8を514ps、630Nmにまでチューンし、全長4.9m、車重1905kgの4ドアクーペボディを0→100km/hまでわずか4.5秒で加速し、最高速度はリミッターが作動する250km/hまで簡単に伸びる。

外観は精悍なAMGルックでまとまり、19インチのスポーツホイールのおかげで、全体が引き締まって見える。ブラック一色のインテリアはスポーティでクールなコクピットを演出している。

図太いがアメリカンV8エンジンと違って、やや金属的なサウンドを奏でるAMGのハイテクV8エンジンは、回転の上昇が鋭く、ドライバーのスロットルワークに応じて、思うがままのスピードをまるでビデオゲームのように実現させる。しかし、前後に与えられた強力なベンチレーテッドディスクブレーキのお陰で、そのスーパーパフォーマンスは確実に制御が可能であるのは非常に心強いものだ。

世界で最も速く、安全なクーぺCLに、4MATIC車が追加
そして、2008年の夏から、メルセデスのハイエンドビッグクーペに、4WDシステム搭載モデルが登場する。それがCL500 4MATICである。

最高出力388ps、最大トルク530Nmを発生する5.5L V8エンジンを持つCL500に、メルセデス・ベンツ独自の4WDシステムである4MATICを搭載したハイパーGTは、7Gトロニックとの組み合わせで、スタートから100km/hまでをわずか5.4秒で加速し、最高速度は250km/hでリミッターにより制御される。

メルセデスの4MATICの特徴は、なんと言ってもわずか70kgという軽量なシステムであるということだろう。この軽いシステムによって、エンジンからのトルクはフロントアクスルに45%、リアアクスルに55%の割合で分配される。

また、極端な悪路や泥濘地からの脱出には4ETSと名付けらたエレクトロニックトラクションシステムが、駆動力の必要なタイヤにトルクを伝える役目を負う。

短時間のテストでは泥濘地での脱出よりも、このクルマがもっと頻繁に遭遇するであろうコーナリングでの挙動を非常に興味深く観察することができた。この4MATICを搭載したCL500では、コーナーでスロットルを踏み込んだときに、アンダーになってノーズが外に向かうのを抑制してくれるのだ。またESPの介入も自然で、安全なドライブを約束してくれる。

ちなみにこのCL500 4MATICは、インテリジェントライトシステムや、事故が起こることを察知すると未然にそれを軽減するように働くシステム、PRE-SAFEもスタンダードで装備されている。

すなわち「世界で最も速く、しかも快適で安全なクルマを探せ」と言われたら、まず最初に候補となるのがこのメルセデス・ベンツCL500 4MATICであるというわけだ。(文:木村好宏/Motor Magazine 2008年7月号より)



メルセデス・ベンツ CLS280 主要諸元
●全長×全幅×全高:4913×1873×1430mm
●ホイールベース:2854mm
●車両重量:1730kg(EU)
●エンジン:V6DOHC
●排気量:2996cc
●最高出力:231ps/6000rpm
●最大トルク:300Nm/2500-5000rpm
●駆動方式:FR
●トランスミッション:7速AT
●最高速:245km/h
●0→100km/h加速:7.7秒※欧州仕様

メルセデス・ベンツ CL500 4MATIC 主要諸元
●全長×全幅×全高:5065×1871×1418mm
●ホイールベース:2955mm
●車両重量:2045kg(EU)
●エンジン:V8DOHC
●排気量:5461cc
●最高出力:388ps/6000rpm
●最大トルク:530Nm/2800-4800rpm
●駆動方式:4WD
●トランスミッション:7速AT
●最高速:250km/h(リミッター)
●0→100km/h加速:5.4秒
※欧州仕様

[ アルバム : メルセデス・ベンツ CLS、CL はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

2件
  • 今はぼろぼろの安い中古を買って誇らしげに乗ってるのが多いなあ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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