電動化を急ぐアウディ
text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
【画像】インゴルシュタットのエレクトリカル【アウディの現行EVをじっくり見る】 全165枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
ドイツの南ドイツ新聞(Suddeutsche Zeitung)の報道によると、アウディのCEOであるマルクス・ドゥスマンは6月17日、新しい電動化のスケジュールを経営陣に提示したという。早ければ2026年にも、最後の内燃機関モデルを発売する計画だとされている。
このニュースは、近日中に正式に発表される見込みだ。
アウディの電動化目標の加速は、親会社であるフォルクスワーゲン・グループが掲げる目標に沿うもので、同グループはこれまで、2026年から電動化車両に全面的に焦点を移すことを示唆してきた。
アウディのEVラインナップは急速に拡大していまる。SUVのeトロンを2018年に発売して以来、ファストバックのeトロンGTやクロスオーバーのQ4 eトロンをリリースし、2022年にはセダンのA6 eトロンとSUVのQ5 eトロンを公開する予定だ。
また、多くの内燃機関モデルにプラグイン・ハイブリッド仕様を導入している。
エンジンに別れを告げる欧州
今回の報道が事実であれば、最後の内燃機関モデルのライフサイクルは2026年から約7年となると予想されている。どのモデルが最後に残るのかはまだわかっていないが、現行のQ5はその頃にモデルチェンジの時期を迎える。
アウディ以外にも多くのブランドがエンジンの廃止を掲げており、フィアットは2030年までに内燃機関モデルを終了し、ジャガーは2025年にEV専用の高級ブランドとして生まれ変わり、ミニは2025年に最後の内燃機関モデルを発売する予定だ。
ユーロ7と呼ばれる欧州の厳しい排出ガス規制の導入が間近に迫っていることが、今回のアウディの決断に影響を与えていると思われる。
先月、ドゥスマンはAUTOCARにこう語った。
「ユーロ7(基準)を満たすことで内燃機関に多大なコストがかかることは確かであり、遅くとも今後10年以内にクロスオーバー・ポイントが訪れると考えています」
「ユーロ7は本当に頭の痛い問題で、特に環境改善にはあまり効果がありません。ですから、このクロスオーバー・ポイントにはすぐに到達するでしょう」
ドゥスマンは当時、段階的な廃止の時期については言及していなかったが、アウディの最終的な内燃機関モデルは「これまでに作った中で最高のモデル」になるだろうと示唆していた。
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