11月3日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われたスーパーGT第8戦『MOTEGI GT 300km RACE』の決勝レースで、予選5番手からスタートしたSUBARU BRZ R&D SPORTは、レース後半8番手を争っていたものの、40周目の1コーナーでトラブルが発生。スピン状態に陥り、グラベルにストップしレースを終えてしまった。原因はまたもブレーキで、第7戦オートポリスに次ぐ2戦連続のブレーキトラブルとなった。
井口卓人/山内英輝のコンビで戦うSUBARU BRZ R&D SPORTは、10月20日に行われたスーパーGT第7戦の決勝レース終盤、第2ヘアピンへのアプローチでブレーキにトラブルを抱えクラッシュを喫していた。幸いドライブしていた井口に大きな怪我はなく、車両自体も2週間のインターバルで迎えた第8戦もてぎに向け、メカニックたちの努力により修復。またトラブルの原因も特定し、2021年まで使用していた信頼あるブレーキシステムに変更し臨んでいた。
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迎えた第8戦もてぎでは、クラッシュの影響を感じさせず予選5番手につけると、決勝でも井口から山内に交代し、レース後半はチャーリー・ファグがドライブするD'station Vantage GT3と8番手争いを展開していた。ただ、39周目の90度コーナーでD'station Vantage GT3の先行を許した直後、40周目の1コーナーで突如姿勢を乱しグラベルへ。今回大きなクラッシュにはならなかったが、ここでレースを終えることになってしまった。
レース後、R&D SPORTのトランスポーター内では長いミーティングが行われていたが、その後小澤正弘総監督にトラブルの原因を聞くと「ブレーキトラブルでした」と語った。今季SUBARU BRZ R&D SPORTは駆動系トラブルやアクシデントにも見舞われ、ウエットでのレースとなった第6戦SUGO以外は無得点。さらに第7戦オートポリスに次ぐブレーキトラブルとなってしまった。
オートポリスではキャリパー、今回はフロント左側のローターが割れるトラブルと、第7戦とは原因が異なっており、今回は右側が効いていた状態だったことから制動力が残っていたことから、大きなクラッシュには至らなかった。
とはいえ第7戦からはシステムを実績があるものに変更しているにも関わらず、ブレーキのトラブルが続いてしまっている。現段階ではまだ原因は調査中で、対策についてはまだ語れることは少ないとしつつ、「過去に実績があるシステムなので、なぜこれが起きたのかは違うフェールが絡んでいると思いますが、調査をしなければ分からないと思います」と小澤総監督は語った。
「調査といっても、データを見るだけでは分からないところもあり、仮説を立ててなんらかの検証を行わないと先が見えてこないと思いますので、その点は取り組まなければいけません」
今回のもてぎには、SUBARU BRZ R&D SPORTが使用するAPレーシングのスタッフも来日しており、第7戦の検証をしっかりとお互いに確認するために帯同していた。そんな中でのトラブルだけに、チームスタッフの表情も暗かった。
速さが結果に繋がらず、ドライバーふたりも「こんなにトラブルがあるシーズンはなかなかない」というほどの一年となってしまっているSUBARU BRZ R&D SPORT。12月7~8日の第5戦鈴鹿へ向け、検証がしっかりと行われ、対策が施されることを願わずにはいられない。
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