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始まったタクシー「事前確定運賃」とは? 107年の歴史初 乗車前運賃確定 高くなる例も

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始まったタクシー「事前確定運賃」とは? 107年の歴史初 乗車前運賃確定 高くなる例も

107年の歴史で初めて

 国土交通省が2019年10月25日(金)、タクシーの「事前確定運賃」を認可し、28日(月)から東京や北海道などの一部タクシーでサービスが始まりました。

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 スマートフォンの配車アプリで乗車地と降車地を指定しルート検索を行い、走行距離や予測所要時間、迎車料金などを踏まえて運賃を事前に確定するというもの。配車アプリ「JapanTaxi」を運営するJapanTaxi(東京都千代田区)によると、観光利用時の時間制運賃や、空港などへの定額運賃を除き、日常的なある地点からある地点への移動に対して事前に決まる運賃体系の認可は、日本のタクシー事業107年の歴史で初めてだそうです。

「JapanTaxi」アプリでは、地図上で指定した乗車地と降車地に応じて事前確定運賃が提示され、いくつかの選択肢からユーザーが経路を選んで注文が確定します。また事前確定運賃での走行中は、運賃メーターがカバーで覆われます。

「走行中、『運賃が上がるのでは』というお客様の不安を解消できます。たとえば『回り道されたのでは』『降車の直前でメーターが上がった』などは、タクシー会社にお問い合わせが多く寄せられる項目ですが、事前確定運賃により、そうした心配もなくなります」(JapanTaxi)

 事前確定運賃での走行中に乗客の都合でルートを変更する場合は、その地点からメーター運賃に切り替えるそうです。一方、突発的な事故や渋滞に遭遇した場合は、事前確定運賃のまま、ドライバーが乗客の同意を得て迂回することもあるといいます。

 また、事前確定運賃には迎車料金が含まれるうえ、道が空いている場合はメーター運賃よりも高くなる場合があるとのこと。

 JapanTaxiによると、たとえば東京都内でタクシーのニーズが高まるのは通勤や帰宅の時間帯とのことで、道路の渋滞が起こりやすい時間帯と重なります。こうした時間帯に車両を確保でき、かつ運賃の不安も解消できるのは、事前確定運賃のメリットかもしれません。

「タクシー利用」の不安はやはり運賃 さらなる改革も視野

 配車アプリを用いた事前確定運賃サービスは、2017年に国土交通省の主導で実証実験が行われ、それから約2年を経て正式導入されました。

「この間、配車アプリによる事前確定運賃を前提とした『相乗りタクシー』(複数の利用者を1台のタクシーにマッチングし、1人で利用するより割安な運賃で利用可能にする)や、迎車料金を時間帯による繁閑に応じて変化させる『変動迎車料金』など、様々な実証実験を行ってきました。今後、これらの実装も視野に入れています」(JapanTaxi)

 JapanTaxiによると、ITを活用することで、これまで運賃を心配して避けていた人もタクシーが利用しやすくなり、新しい顧客の開拓が期待されるそうです。これら施策は、「タクシーが進化していくために必要なこと」だと話します。

 なお2019年11月1日(金)時点で「JapanTaxi」のほか、みんなのタクシー株式会社(東京都台東区)が提供する配車アプリ「S.RIDE」でも事前確定運賃のサービスを利用できます。このほかディー・エヌ・エーの「MOV」、つばめタクシーグループの「スマたく」といったアプリでも、準備が整い次第、対応するそうです。

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