FIA F2選手権第4戦のスプリントレースが、バクー市街地コースで行なわれ、プレマのオリバー・ベアマンがF2初優勝を果たした。
予選上位10台がリバースグリッドに並ぶレース1は、リチャード・フェルシュホー(VAR)がポールポジション。ゼン・マローニ(カーリン)が2番手、ヴィクトー・マルタンス(ARTグランプリ)が3番手となった。
■ルクレール、初のスプリントシュートアウトを制し”ダブルポール”。角田裕毅は不運18番手|F1第4戦アゼルバイジャン
ポイントリーダーの岩佐歩夢(DAMS)は予選で苦しみ、17番グリッドからの追い上げを目指した。
タイヤ交換義務のない21周のスプリントレースであるレース1は、スタート直後から波乱の気配が。マルタンスがマローニに軽く接触。さらにはフェルシュホーがターン1でハーフスピンし、マローニにフロントウイングを踏まれてしまった。
トップでターン1を抜けたマローニだが、一連の接触でタイヤがパンクし緊急ピットイン。またフェルシュホーはランオフエリアでマシンを止め、いきなりグリッド上位の2台が戦線から消える結果となった。
この混乱を切り抜け、トップに立ったのはデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)。マルタンスがそこに続いた。岩佐はグリッドからひとつポジションを落とし、18番手でオープニングラップを終えた。
ハウガーとマルタンスが隊列から少し抜け出す形となったが、3周目にラルフ・ボシュング(カンポス)のクラッシュでセーフティカー(SC)が出動した。
レース再開は6周目。ハウガーはうまくタイミングを図ってリスタートし、トップをキープ。3番手のユアン・ダルバラ(MPモータースポーツ)にはフレデリック・ベスティ(プレマ)が迫り、トップ2が後続との差を広げていった。さらに後方からは、予選最速だったオリバー・ベアマン(プレマ)がハイペースでそれを追った。
なかなかポジションを上げられずにいた岩佐は、マシン後部から白煙が上がるトラブルが発生。すぐにスピードを落とした岩佐はレース折り返しを前にピットに戻り、レースを終えた。
ダルバラは10周目にベスティに交わされると、ベアマンにもすぐさま攻略を許してしまう。一方、そのチームメイトであり首位を走るハウガーは、マルタンスにスキを与えずラップを重ねた。
14周目、ロイ・ニッサニー(チャロウズ)がターン15でクラッシュしたことで2度目のSC出動となった。
レース再開は残り3周となった19周目。しかしターン1で再び大波乱。ハウガー、マルタンス共にコーナーを曲がりきれずにクラッシュ。タイヤバリアに突き刺さったマルタンの後方からはダルバラが突っ込んでしまった。
その煽りを受けて、岩佐のチームメイトであるアーサー・ルクレール、ランキング2番手のテオ・プルシェール(ARTグランプリ)もターン1を曲がれずランオフエリアへ。ジャック・ドゥーハン(ヴィルトゥオーシ・レーシング)もスピンを喫し、計6台がリスタート直後にストップした。
これでベスティとベアマンがワンツー体制に。ふたりは激しい争いを繰り広げたが、ベアマンが前に出た直後にこのレース3度目のSC出動となった。
レースはSC先導のままファイナルラップに突入。クラッシュ現場を避けるため、ピットレーンを通過し各車がチェッカーを受けた。
優勝はベアマン。2位はベスティとなり、プレマ勢のワンツーフィニッシュに。3位にはジャック・クロフォード(ハイテック)が入った。
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