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自律走行スーパーフォーミュラが鈴鹿で3週間のテストを完了。デモランでのクラッシュ理由も説明

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自律走行スーパーフォーミュラが鈴鹿で3週間のテストを完了。デモランでのクラッシュ理由も説明

 11月9日~10日にかけて鈴鹿サーキットで行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権の最終戦『JAF鈴鹿グランプリ』において、Abu Dhabi Autonomous Racing League(A2RL)で使用されるマシンがデモランを実施。AI対AI、元F1ドライバーのダニール・クビアトを起用した人間対AIのデモレースを含む3週間の国際テストプログラムを終了した。

 JRPがパートナーシップを締結しているASPIRE社が立ち上げた中東初の自律走行レースリーグA2RLは、スーパーフォーミュラで使用されているダラーラ社のSF23シャシーをもとにした無人AIスーパーフォーミュラマシンを導入したことで話題を呼んだ新たな選手権だ。

ちょっぴり不気味(?)。無人のAIスーパーフォーミュラが鈴鹿を疾走、“ドライバー”の実態も大公開

 今回は、SF鈴鹿大会でのデモランを最終ターゲットに据えたテストプログラムに取り組み、大会まで鈴鹿サーキットにて専有走行を繰り返しながら準備を進めていた。

 開幕前日の金曜日には、現場に集まった関係者を招き、実際の走行披露とピットツアーも実施。EAV24として知られるA2RLの自律走行車には、ベンチャーワンが最近立ち上げたばかりの自律走行モビリティベンチャー、そしてステアAIによる自律走行キットが搭載されているとメディアに説明がなされた。

 このキットは、7つのカメラ、4つのレーダーセンサー、3つのライダーセンサー、そしてAIを搭載した高度なソフトウェアスタックからなる複雑なシステムであり、人間の力や遠隔操作を必要としない、複雑な環境下での自律的な高速レース用に調整されている。

 今回鈴鹿に持ち込まれた3台にはそれぞれ名前が付けられており、そのうちの『Nova』には、UAEと日本の関係に敬意を表し、イノベーションへの献身を共有する両国を象徴する特別な記念のカラーリングが施されていた。

 そして迎えた土曜日には、2台の無人AIスーパーフォーミュラを使用したAI対AIのデモランを行い、『Yalla』と『Nova』を完走させることで、A2RLのTIIレーシングは自律走行システムの適応性を実証した。

 しかし、クビアトの乗る有人マシンと走行が予定されていた日曜日では、『Yalla』がウォームアップラップ中にスピンを喫し、NISSINブレーキヘアピンの立ち上がりでクラッシュしてしまった。

 この理由についてA2RLはリリース内にて、『リヤタイヤの空気圧が予想外に低下したため、おそらくバルブの故障かコース上の破片が原因と思われるが、タイヤ温度が予想以上に低かったことも相まって『Yalla』はスピンを喫した』と発表している。

 A2RLの主催者であるASPIREのCEOステファン・ティンパノは、「何週間にもわたるテストと開発を、日本の熱狂的なファンの前で締めくくることができ、ダイナミックなレースシナリオでAIが試されることでどんなことが可能になるかを知っていただけて光栄だった」とコメントしている。

「またここ数週間で、新しいサーキットでのテストやレーシングプログラムを立ち上げる経験を積むことができた」

「この集中期間に関わったすべてのチームとパートナーに感謝するとともに、このエキサイティングなイベントを通じて格別なもてなしとサポートを提供してくれた日本レースプロモーション、そしてこのような伝統的なサーキットに我々を迎えてくれたことにとても感謝している」

 さらにA2RL開発ドライバーのダニール・クビアトは、「日曜日には予定通り走行を完走することができなかったが、練習走行でTIIレーシングのAIマシンと鈴鹿を走行した時は素晴らしいものだった」と語る。

「そして日曜日に観客のみなさんから感じた熱心さに驚いた。私がこのプロジェクトに参加した当初からの進歩には目を見張るものがあり、トライアルを重ねるごとにAIは学習を進めて改善してきた」

「近い将来、多くの人々に恩恵をもたらすであろうAIと自律走行技術の進歩に、このようなかたちで一役買っていることをとても誇りに思っている」

 TIIレーシングのチーム代表であるジョバンニ・パウは「どのようなクルマであれ、新しいサーキットに来るということは、ほとんど白紙の状態からスタートするようなものだ。レイアウトや地形、気候の異なるサーキットでこのプロセスを何度も繰り返し、テクノロジーを徹底的にテストし、洗練させていくことは非常に有益な期間であった」と今回のテストを振り返っている。

「金曜日の人間対AIの練習走行と、土曜日のAI対AIの走行は、来年4月に始まるA2RLのセカンドシーズンを前に、そのエキサイティングな一端を垣間見ることができたのではないだろうか」

 ASPIREが主催するA2RLはまもなく2シーズン目を迎え、世界最高峰の自律走行レーシングリーグとして、AI、自律走行、車両の安全性の進歩を推進していく。

 さらに2025シーズンには、日本のスーパーフォーミュラに参戦しているTGM Grand Prixも参戦を表明し、新たな挑戦をスタートさせる。A2RLシーズン2は、2025年4月26日にアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで開幕する予定だ。

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みんなのコメント

3件
  • sas_kumanoko
    フォーミュラではやらないような耐久レースでもやるとマシン開発、技術開発につながりそうですね。
  • 藍流頓瀬奈
    サーキットは究極のテストコース、とはいえ公道より恵まれた環境でもある。
    まずはみっちり鍛えて。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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