現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > ブラジルストックカー第11戦、2014年以来の戴冠目指したバリチェロがリタイアで王座獲得権失う

ここから本文です

ブラジルストックカー第11戦、2014年以来の戴冠目指したバリチェロがリタイアで王座獲得権失う

掲載 更新
ブラジルストックカー第11戦、2014年以来の戴冠目指したバリチェロがリタイアで王座獲得権失う

 2018年シーズンも残すは2戦となった南米ブラジルの人気シリーズ、SCBストックカー・ブラジルは11月3~4日に第11戦が行われ、レース1ではシェルVパワー・レーシングに所属する元F1ドライバーのリカルド・ゾンタが今季2勝目をマーク。続くレース2ではマックス・ウィルソン(ユーロファーマRC)が勝利し、今季からレギュラー参戦するネルソン・ピケJr.(フルタイム・バッサーニ)が2位に入り初表彰台を獲得。前戦でタイトルへの望みを繋いだルーベンス・バリチェロ(フルタイム・スポーツ)はリタイアに終わり、2014年以来の王座奪還はならなかった。

 今季シーズン中盤に高額賞金の掛かる“ミリオン・レース”の会場ともなったブラジル中西部の都市ゴイアニアは、この第11戦ではインフィールド区間を使用するテクニカルレイアウトでの1戦に。

WTCR:2019年移籍市場は活況。ファーフス、ジロラミ復帰、ミューラーも現役続行へ

 現チャンピオンで今季もタイトル争いを展開するチコ・セラの息子、ダニエル・セラ(ユーロファーマRC)が予選ポールポジションを獲得し、ライバルとなる強豪シムドの2016年王者フェリペ・フラーガを従えて進んだレースは、序盤のうちは静かな展開に終始。

 数字上は王座獲得の権利が残り、このふたりを追うバリチェロは予選13番手と追い込まれながらも抜群のスタートを決め、オープニングで7番手にまで浮上してくる。

 WEC世界耐久選手権レギュラーでもあるセラが隊列を引っ張り、フラーガ、ゾンタ、ディエゴ・ヌネス(フルタイム・バッサーニ)で形成された先頭集団は、5周目にSNSのファン投票上位者6名に与えられるオーバーテイクボタン“ファン・プッシュ”を使用したゾンタがフラーガを仕留めて2番手に浮上。そのままの勢いで首位のセラにプレッシャーをかけていく。

 14周目にはマシントラブルのため、今季ルーキーイヤーながら4勝を挙げているルーカス・ディ・グラッシ(HEROモータースポーツ)がピットエントリーでストップすると、その翌周から上位勢がルーティンピットへ。

 先陣を切って飛び込んだセラに対し後続はステイの戦略を採り、ゾンタ、フラーガに続き、なんと3番手にはピケJr.を攻略したバリチェロが上がってくる。

 続く16周目にゾンタ、17周目にフラーガが義務ピットへ向かうと、両者ともに戦略が完璧に機能し、フラーガはセラの前でコースイン。ゾンタはヌネスを抑えて首位浮上に成功する。

 そのままレースは20周を過ぎ終盤へと突入すると、ゾンタ、ヌネス、フラーガ、セラ、そしてガブリエル・カサグランデ(ボーゲル・モータースポーツ)のトップ5が形成。そのなかで25周目にセラが動くと、フラーガとのバトルを制し3番手へ。しかし2016年王者vs2017年王者のバトルはこの後フィニッシュラインまで続き、両者は何度もポジションを入れ替える壮絶なレースを披露した。
 ファイナルラップの29周目に入った表彰台争いは、その1コーナーにめがけ温存しておいたファン・プッシュを使用したフラーガがセラをかわして3番手へ。そのままコース全周でサイド・バイ・サイドとなった2台は、マシンをこすりつけるようにしてフィニッシュラインを通過。

 わずかコンマ2秒差で先行したフラーガが表彰台を手にし、選手権ポイントでもセラに3ポイント詰め寄る貴重なポディウムとなった。

 そしてピット戦略が見事に決まったゾンタは今季2勝目、SCB通算5勝目をマーク。バリチェロが6位、ピケJr.が7位に入り、午後のレース2に向けトップ10リバースの上位グリッドを確保し、起死回生を狙う状況となった。

 タイトル争いを展開する実力者たちがグリッド後方に控えたレース2は、リバースの妙味が存分に発揮されたバトル多発のレース展開となり、序盤はトップ10圏内がめまぐるしく入れ替わる。

 リバースポール発進のセザール・ラモス(ブラウ・モータースポーツ)が6周目にエンジントラブルで戦列を去り、首位を快走したアッティラ・アブレウ(シェルVパワー・レーシング)はジャンプスタートでドライブスルーを課されるなど、ポジションが頻繁に変動するなか、フリオ・カンポス(プラティ-ドナドッツィ・レーシング)を先頭に、バリチェロ、カサグランデ、ピケJr.、セラ、フラーガのトップ6でピットストップウインドウを迎える。

 ゴイアニアのミリオン・レース勝者でもあるバリチェロは、逆転タイトルへの望みを賭けて首位カンポスに猛烈なプレッシャーをかけていくが、何らかの接触が影響したか、バリチェロの111号車はボンネットフードやフロアに振動が発生しペースダウン。逆にポジションを失うと、そのままピットでレースを終える事態となってしまう。

 各車ルーティンピット終了後も、今季最高のパフォーマンスを見せていたカンポスも次第にマシンが不調を来し始め、後続に続々とパスされる無念の展開。これで首位に立ったウィルソンが今季2勝目。後半戦でセラを仕留めたピケJr.が自身初の2位表彰台。そしてフラーガが連続の3位表彰台を確保し、4位にディ・グラッシ、5位カサグランデ、6位にセラのリザルトとなった。

 これでタイトル争いは事実上297点のセラと272点のフラーガによる一騎打ちとなり、SCBの2018年シーズンは12月8~9日のインテルラゴスで最終決戦のときを迎える。

関連タグ

こんな記事も読まれています

合法カスタムでも「デコトラ」では仕事ができない現代! デコトラ野郎たちは「マイトラック」で楽しんでいる
合法カスタムでも「デコトラ」では仕事ができない現代! デコトラ野郎たちは「マイトラック」で楽しんでいる
WEB CARTOP
盗難車犯罪の温床「違法ヤード」 解体された自動車が海外輸出される残酷現実、規制強化で本当に防げるのか
盗難車犯罪の温床「違法ヤード」 解体された自動車が海外輸出される残酷現実、規制強化で本当に防げるのか
Merkmal
2年目は女子クラスも新設! 大学自動車部が大手メーカーのサポートで闘う「フォーミュラジムカーナ2024」が開幕!!
2年目は女子クラスも新設! 大学自動車部が大手メーカーのサポートで闘う「フォーミュラジムカーナ2024」が開幕!!
WEB CARTOP
[VW ゴルフ 50周年]重量増加スパイラルに逆行した第7世代
[VW ゴルフ 50周年]重量増加スパイラルに逆行した第7世代
レスポンス
3億円超のアルファ・ロメオの入手方法──新型33ストラダーレに迫る!
3億円超のアルファ・ロメオの入手方法──新型33ストラダーレに迫る!
GQ JAPAN
フェルスタッペン2位「今日のノリスは飛ぶように速かった」グリップに苦しみマシンにダメージも:レッドブル/F1第6戦
フェルスタッペン2位「今日のノリスは飛ぶように速かった」グリップに苦しみマシンにダメージも:レッドブル/F1第6戦
AUTOSPORT web
最高出力800PS、最大トルクは950Nm!ランボルギーニが初のプラグインハイブリッドSUV「ウルス SE」を発表
最高出力800PS、最大トルクは950Nm!ランボルギーニが初のプラグインハイブリッドSUV「ウルス SE」を発表
@DIME
【角田裕毅F1第6戦分析】“ベストなレースタイム戦略”で7位。メルセデスも寄せ付けない走りをHRC折原GMも高く評価
【角田裕毅F1第6戦分析】“ベストなレースタイム戦略”で7位。メルセデスも寄せ付けない走りをHRC折原GMも高く評価
AUTOSPORT web
後ろからドン!はずみでドン!ドン!「玉突き事故」は誰がどう悪くなるのか
後ろからドン!はずみでドン!ドン!「玉突き事故」は誰がどう悪くなるのか
乗りものニュース
レクサスLBXに「強敵」登場!? “アルファロメオ最小のSUV”新型「ジュニア」で判明している真実とは? 「ミト後継車種」の気になる実力
レクサスLBXに「強敵」登場!? “アルファロメオ最小のSUV”新型「ジュニア」で判明している真実とは? 「ミト後継車種」の気になる実力
VAGUE
ツバメインダストリが搭乗型ロボット『アーカックス』を展示…SusHi Tech Tokyo 2024で予定
ツバメインダストリが搭乗型ロボット『アーカックス』を展示…SusHi Tech Tokyo 2024で予定
レスポンス
ホンダ「ドリーム号」第2世代は精密メカのオーバーヘッドカムシャフトを搭載
ホンダ「ドリーム号」第2世代は精密メカのオーバーヘッドカムシャフトを搭載
バイクのニュース
【このメルセデス500SECなんぼ?】今やチューニングカルト的存在 40年前のケーニッヒワイドボディ500SECの価格は?
【このメルセデス500SECなんぼ?】今やチューニングカルト的存在 40年前のケーニッヒワイドボディ500SECの価格は?
AutoBild Japan
レッドブル、フェルスタッペンのマシンに”大きなダメージがあった”と説明。しかし本人は気付かず?「僕としては変わった感じはしなかったけど……」
レッドブル、フェルスタッペンのマシンに”大きなダメージがあった”と説明。しかし本人は気付かず?「僕としては変わった感じはしなかったけど……」
motorsport.com 日本版
初代レオーネクーペや4WDのエステートバンなど…2024年春季スバルレオーネオーナーズクラブ渡良瀬ミーティング
初代レオーネクーペや4WDのエステートバンなど…2024年春季スバルレオーネオーナーズクラブ渡良瀬ミーティング
レスポンス
レイズの新世代スポーツホイール「NE24」に「ストロボデザインデカール」を配したモデルが登場
レイズの新世代スポーツホイール「NE24」に「ストロボデザインデカール」を配したモデルが登場
Auto Messe Web
癒やしの輸入車ツーリング旅は[ディーゼル+マイルドハイブリッド]上質なオールラウンダーで
癒やしの輸入車ツーリング旅は[ディーゼル+マイルドハイブリッド]上質なオールラウンダーで
グーネット
【特集:最新SUV「絶対試乗!」主義(6)】新型ランドクルーザー250を70や300と比較試乗してみたら、タフな走りの理想形が見えてきた
【特集:最新SUV「絶対試乗!」主義(6)】新型ランドクルーザー250を70や300と比較試乗してみたら、タフな走りの理想形が見えてきた
Webモーターマガジン

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村