全車、電動パワートレーン採用。新型はSクラスの凝縮版
新型Cクラス(W206)の先行予約がスタートした。欧州における正式発表が今年2月だったから、異例のスピードである。
どのプレミアムブランドもそうだが新車の「タマ不足」は深刻だ。Cクラスも同様なのだろう。そのため、本来なら旧型(W205)の在庫を一掃するまで待たなければならなかった新型の日本デビューが早まった。
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ラインアップは、セダンがC200アバンギャルド、C200・4マチック・アバンギャルド、C220dアバンギャルド、C350eアバンギャルドの4グレード、ワゴンはC200アバンギャルドとC220dアバンギャルドの2仕様だ。納車開始は350eを除くセダンが2021年秋(350eは2022年中ごろ)、ワゴンは2022年春を予定している。
新型は、スタイリングも中身の充実度も、フラッグシップモデル、Sクラスの「凝縮版」に変身した。その意味で、まさに「190の再来」といえる。
Cクラスの原点は1982年にデビューした190シリーズ(W201)である。190は当時のSクラス(W126)とよく似たエクステリアデザインと高度な設計で、「小ベンツ、ベビーベンツ」(1980年代におけるベンツとは=Sクラスを意味していた)と評された。190Eのすごさは、コンパクトなサイズの中にメルセデスの「最善の思想」が宿っていた点だった。
Cクラスと名乗るようになったW202以降は、マーケットにおけるいっそうの販売拡大(世代拡張など)を目指すために、新たなイメージをまとって登場するケースが多かった。もちろん基本機能はメルセデス一流だったが、細部までSクラスに近づいたとは言い難かった。
結果的にCクラスは最も売れるメルセデスに成長し、欧州Dセグメントの代表車として君臨することになる。
ちなみに190から数えて第6世代となる最新型が登場するまでの間に、メルセデス自身も大きく変わった。いまやフルラインアップメーカーであり、Cクラスは、たくさんの弟分(FFコンパクト)を抱える、名実ともに「中核モデル」に成長した。
いつかは Sクラスだった位置付けが、いまやいつかはCクラスでもおかしくなくなった。
新型は従来以上にラグジュアリーに変身。内外装のデザインだけでなく、快適&安全装備の数々も最新Sクラスから受け継いだ。まさに「ザ・コンパクト・ベンツ」の原点に回帰した。
ガソリン/ディーゼル/PHVを設定。PHVはEV走行100km実現!
新型Cクラス最大の注目は、全グレードが電動化された点だろう。200用のガソリンは1.5リッター直4ターボ(204ps/300Nm)、220d用のディーゼルは2リッター直4ディーゼルターボ(200ps/440Nm)。これに最大20ps/200Nmのブーストが可能な48Vマイルドハイブリッドシステム(ISG)を搭載する。PHVの350eは2リッター直4ターボ(204ps/320Nm)とモーター(120ps/440Nm)、そして25.4kWhの大容量リチウムイオンバッテリーの組み合わせだ。トランスミッションは全車9速ATになる。
ラインアップ中、俄然興味を引くモデルが、驚異の電動パフォーマンスを特徴とする350eだ。満充電でのEV走行距離は、実に100kmと発表されている。多くのユーザーの日常利用は、ガソリンなしで対応できるスペックだ。納車はあと1年先になるが、待つだけの価値は十分にある。
200および220dといった各ISGグレードももちろん魅力たっぷり。48Vマイルドハイブリッド化によって、いちだんとスムーズで経済的な走りを実現したことは確実である。
ボディサイズはセダン、ワゴンとも全長×全幅4751×1820mm。旧型比でややロング&ワイドになったスタイリングは、まさにSクラス譲り。細部までSクラスの世界観が再現されている。機能もSクラスと同等だ。最新のインテリジェントドライブシステムや片側あたり130万画素というデジタルライトを積極導入。リアアクスルステアリング機構(4WS)やARナビゲーションといったセグメント初となる装備も数多い。
新型Cクラスは、すべてがメルセデスの最新テイストでまとめられた理想的な1台といえる。快適なメルセデス・ライフのパートナーである。
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