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【試乗】マツダ「ロードスター」乗りがトヨタ「GR86」に乗ってみた! その印象は?

掲載 更新 27
【試乗】マツダ「ロードスター」乗りがトヨタ「GR86」に乗ってみた! その印象は?

フルモデルチェンジされたトヨタ「GR86」を、長年マツダ「ロードスター」を愛車としてきたモータ―ジャーナリストの鈴木ケンイチ氏がチェックしてみた。彼には「GR86」は、どんなクルマに見えたのだろうか?

大きくて広々としており、実用性の高さは別次元
GR86と、長年愛車にしてきたロードスターを比較するとなれば、まず最初に挙げるべき違いは、そのサイズだ。

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全長4265×全幅1775×全高1310mmのGR86に対して、ロードスターは全長3915×全幅1735×全高1235mm。全長では350mm、全幅で40mm、そして室内幅でもGR86が55mmも大きいのだ。しかも、GR86はプラス2に近いが後席を備えるから、完全なる2シーターのロードスターとは、室内空間の広さは圧倒的に違う。

さらに、GR86は後席のシートバックを倒すことで、トランクスルーとなる。タイヤ1セット(4本)が積めるのがGR86のウリだ。この大きな積載量、つまり実用性の高さは、GR86の大きな魅力だ。正直、ロードスターのオーナーとしては「羨ましい!」としか言いようがない。

デザインという面では、GR86とロードスターは、まったく異なる個性を持つ。

GR86の顔つきは、いかにもトヨタらしいものであるのに対して、ロードスターのエクステリア&インテリアは、マツダの「魂動デザイン」そのもの。GR86のデザインはオーソドックスで、少々そっけない。インテリアも武骨と言っていいだろう。もっともこれは、どちらが良いとか悪いということではなく、ユーザーの好みで選ぶべきだろう。

とはいえ、GR86はフルモデルチェンジで先代よりもグラマラスなスタイリングになっており、より北米市場を向いたように思える。兄貴分となるGRスープラと類似性を感じるのも、新型の特徴といえるのではないだろうか。

2.4L化したエンジンの与える大きな影響
さて、GR86を試乗してみて強く感じたのは、エンジン排気量の拡大が生み出した変化の大きさだ。今回のフルモデルチェンジにあたり、スバル由来の水平対向エンジンは排気量を2Lから2.4Lに拡大している。これにより最高出力は先代の200/207psから235psに、最大トルクは205/212Nmから250Nmへと向上している。

そして注目すべき点は、最大トルクの発生回転数が、先代の6400~6800rpmから3700rpmへとなったことだ。端的に言えば、新しい2.4Lエンジンは、アクセルを少し踏みこむだけで、すぐに最大トルクを使うことができ、GR86の走り味に劇的な変化を与えている。とにかく低速域からトルクフルなのだ。

高速道路を巡行しているときに、右足のつま先に少し力を入れるだけ、ほんのわずかにアクセルにかける力を増すだけで、GR86はグイ!とばかりに増速する。高速道路を走るGR86は、まさに水を得た魚のように生き生きとしている。

これは最高出力132ps/最大トルク152Nmしかない1.5Lエンジンのロードスターでは、望むべくもない世界だ。高速道路での動力性能では、ロードスターはまったく太刀打ちはできない。

ハンドリングマシンから高速道路で長距離を走るGTへ
先代の86は、小さくて軽量なFRモデルだったAE86カローラ レビン/スプリンター トレノを現代に復活させるというコンセプトを持つ。いわゆるライトウエイトのハンドリングマシンだった。

確かに、現代に復活した先代の86は、2+2のボディながら車両重量を1200kg台に抑え込み、またスポーツカーと呼ぶにふさわしい、ドライバーの意のままの自在なハンドリングを実現していた。まさにライトウエイト スポーツカーだった。そのコンセプトは、第2世代のGR86にも継承されている。GR86も、車両重量は1260~1290kgと重量増を最小限に抑え込んでいる。

しかし、GR86はハンドリングマシンという優れた資質を残しながら、高速道路での力強い走りも新たに身に着けた。もともと荷物をそれなりに積めるところに、優れた高速走行性能が追加され、長距離を移動するグランツーリスモ(GT)的な使い方も可能となったのだ。

そういう意味で言えば、GR86は非常に懐の深いクルマと言えるだろう。ロードスターは、走る楽しさはあるけれど、小排気量ゆえ高速走行はそれほど得意ではない。オープンカーなので、本格的な競技車にも向いていない。荷物もそんなにたくさん載せることはできない。かなりピーキーなクルマだ。

それに対して、GR86はワインディングが楽しいだけでなく、高速道路で長距離を走るグランツーリスモ的にも使える。さらに、サーキットでのワンメイクレースだけでなく、全日本ラリーに参加する本格的な競技車にも利用されている。使い道が広いのだ。

街中やちょっとしたワインディングロードを走るだけであれば、オープンカーであり、サイズも小さなロードスターの方が楽しいだろう。しかし、ワインディングロードに限らず、サーキットやラリー、高速道路での長距離移動など、あれもこれも!というニーズを満たそうというのならば、GR86には敵わない。マルチな使い道があるのが、GR86ならではの魅力なのだろう。(文:鈴木ケンイチ/写真:Webモーターマガジン編集部)

■GR86 RZ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4265×1775×1310mm
●ホイールベース:2575mm
●車両重量:1270kg
●エンジン:水平対向4 DOHC
●総排気量:2387cc
●最高出力:173kW(235ps)/7000rpm
●最大トルク:250Nm(25.5kgm)/3700rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・50L
●WLTCモード燃費:11.9km/L
●タイヤサイズ:215/40R18
●車両価格(税込):334万9000円

[ アルバム : GR86 RZ はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

27件
  • こないだスイスポに煽られまくってる86見かけたな
    なんかアホウどもの悲しいバトルを横目で見てても悲しい気分にしかならない
  • ロードスターの方が面白そう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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