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公道でゴーカート気分! ミニ・ハッチバック(初代) CVTの不調にご注意 UK中古車ガイド

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公道でゴーカート気分! ミニ・ハッチバック(初代) CVTの不調にご注意 UK中古車ガイド

多くのファンを生んだクラシカルなデザイン

BMW傘下の新ブランドとして、3ドアのミニが発売されたのは2001年。特徴的なボディをまとった小さなハッチバックは、登場から四半世紀が過ぎようとしている。R50型と呼ばれる初代も、ネオクラシックへ仲間入りしたようだ。

【画像】公道でゴーカート気分! ミニ・ハッチバック 現行3代目と最新4代目 オリジナルのミニ・マイナーも 全133枚

ダッシュボード中央の大きなスピードメーターに、縦に長いテールライト、ルーフサイドの雨樋。オリジナルのモーリス・ミニ・マイナーを彷彿とさせるデザインは、多くのファンを生み出した。

AUTOCARの試乗記を読み返してみると、乗り心地や操縦性、製造品質は、高い期待へ応えるものだとまとめている。他方、狭い後部座席や荷室などのパッケージング、エンジンの仕上がりには注文を付けている。

ディーゼルを除いて、初代の短いボンネットに収まったのは、クライスラーと共同開発された1.6L直列4気筒ガソリン。「トライテック」ユニットだ。

現在の英国市場を観察してみると、2006年に追加されたジョン・クーパー・ワークス(JCW)GPはかなり高額で売買されている。中には2万ポンド(約378万円)を超える例もあるほど。正直なところ、小さな中古車には躊躇してしまう金額だろう。

われわれが注目したいのは、英国仕様では自然吸気で115psのクーパーと、スーパーチャージャーで過給される165psのクーパーS。エントリーグレードのワンも魅力的で、91psの自然吸気が載っていた。

クーパーJCWは、初期型で131ps、フェイスリフト後は172psへ上昇。クーパーS JCWは当初199psだったが、後期型では213psへ強化された。

安価な例の整備状態やCVTの不調にご注意

欧州市場には、ディーゼルターボのワンDも用意された。排気量は1.4Lで、最高出力は当初75psだったが、2005年に89psへ強化されている。

2004年に追加された、ソフトトップを背負ったコンバーチブルも魅力的。走行中のボディのきしみや、ソフトトップのガタツキ、滑らかな開閉などを確認したい。特別仕様も複数設定された。

中古車価格はお手頃で、走行距離の長いワンやクーパーなら、600ポンド(約11万円)という例も。距離の浅いクーパーSでも、1万5000ポンド(約286万円)で充分狙える。

英国での中心の価格帯は、1500ポンド(約29万円)から5000ポンド(約94万円)の間。高いほど、状態の良い例を手に入れられると考えたい。特に安価な例は、前オーナーの愛情が充分とはいえず、満足のいく整備を受けていない可能性がある。

初代ミニの見た目は、2006年まで大きな違いはない。フェイスリフトで得た変化は、フロントとリア、インテリアの僅かな部分に過ぎなかった。だが、スーパーチャージャーやギア比の見直しなど、クーパーSでは重要なメカニズムの更新を受けている。

トランスミッションは、ワンとクーパーのマニュアルは5速。2005年以降は、堅牢なゲトラグ社製へ置き換わっている。クーパーSには、当初から同社製の6速が載っていた。

シフトパドルで4速ATのように振る舞うCVTも選べたが、信頼性は高くなかった。ATへこだわるなら、2005年以降のクーパーSに採用された、BMW由来の6速ステップトロニック・ユニットを探したい。

新車時代のAUTOCARの評価は

独創的な自動車のデザインを再興することは、タイタニック号を引き上げるのに匹敵するほど、困難な課題かもしれない。しかし、新しいミニを見れば、それに成功したことがわかる。

1997年のフランクフルト・モーターショーでの発表以来、長く待ってきた甲斐は充分にあった。これまで目にしてきた傑作へ負けないくらい、優秀な懐古的デザインをまとっている。(2001年5月23日)

オーナーの意見を聞いてみる

マーティン・ストークス氏

「わたしのクーパーは、2005年式で走行距離は9万3300km。購入して2年弱ですが、楽しさは増す一方。今のところ、まったくトラブルはありません」

「この1台を見つけるまで、一生懸命探しましたよ。ミニの中古車は沢山ありますが、写真での印象は良くても、実際に現物を見るとくたびれていたり、整備が不充分という例も少なくありません」

「このクルマには、アンダーコートが施されています。燃費は平均で14.0km/L前後。保険料もお手頃です。過去にオリジナルのミニを所有していたことがありますが、遥かに大きいとはいえ、それを思い起こさせるクルマですね」

購入時に気をつけたいポイント

ボディ

基本的に錆びにくいが、ドアの下側、テールライトの周辺、テールゲートのハンドル付近は弱いようだ。ボンネットとバンパー、ドアなどのパネルの隙間にばらつきがないか確かめる。クリア層の剥離にも注意したい。

フレームレス・ウインドウで、ドアを開くと僅かにガラスは下がる。コンバーチブルでは、電動ソフトトップがしっかり固定されるか確かめたい。

エンジン

中古車で安く買えるだけに、メンテナンス状態は要注意。ラジエタークーラントやエンジンオイルが酷く汚れていたり、ガスケットからオイルが漏れていたり、古いオイルフィルターが付いたままなら、怪しんだ方が良いだろう。

エグゾースト系は錆びやすく、交換費用は安くない。トライテック・エンジンはタイミングチェーン。信頼性は高いものの、エンジンオイルの交換をサボるとチェーンとテンショナーの寿命を縮めてしまう。

発進時に不自然な振動を伴うなら、エンジンマウントの劣化を疑う。スーパーチャージャー・フルードの交換履歴も確かめたい。故障やフルード漏れを引き起こす。内部ギアの劣化で、加熱する場合もある。

ディーゼルエンジンは、ヘッドガスケットやシリンダーライナーに不具合が出やすい。

トランスミッション

初期のワンとクーパーに載っていた、ミッドランド社製の5速MTは、ベアリングの摩耗やギアの異音などを引き起こしやすい。2速や5速へ入りにくい場合もある。後期のゲトラグ社製は信頼性が高い。CVTの不調は珍しくない。

サスペンションとブレーキ、ステアリング

サスペンション・ブッシュ、ボールジョイント、ダンパーの劣化具合を確かめたい。サスペンション・アームのサビ、ブレーキフルードとディスク、パッド、ブレーキパイプの状態もチェックポイント。

ステアリングの反応は、鋭敏で正確なのが正常。パワーステアリング・ポンプは、唸るようなノイズを出しがち。故障を示すものではないが、いずれ交換は必要になる。

インテリア

ダッシュボードは走行時にガタつきやすい。シートは、リクライニングレバーが折れがち。カーペットが不自然に濡れている場合は、Aピラーから雨水が侵入した可能性がある。エアコンの動作も要確認。

知っておくべきこと

英国の初代ミニの中古車は、個人売買が中心。英国には、購入者を保護する法律があり、情報が正確であること、安全に運転できる状態であることなどが定められている。また、個人売買の車両を試乗する場合は、念のため自動車保険に加入したい。

英国ではいくら払うべき?

500ポンド(約9万円)~1499ポンド(約27万円)

フェイスリフト前の、走行距離の長いミニが英国では売られている価格帯。クーパーやコンバーチブルも含まれる。

1500ポンド(約28万円)~4999ポンド(約93万円)

前期後期を問わず、英国では初代ミニが売られている中心の価格帯になる。

5000ポンド(約94万円)~9999ポンド(約188万円)

数は少ないが、走行距離の短い良好な例を探せる。

1万ポンド(約189万円)以上

状態の良いJCWやJCW GPなどは、この価格帯から。

英国で掘り出し物を発見

ミニ・ハッチバック・クーパーS 登録:2006年 走行距離:14万1600km 価格:5500ポンド(約104万円)

ミニ・ファンが長年所有していたという、後期型のクーパーS。ディーラーでの整備記録が揃い、リミテッドスリップ・デフやテフロン加工されたスーパーチャージャーなど、後期型の特徴はそのままとのこと。

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みんなのコメント

7件
  • har********
    オリジナルのミニ、BMWミニ、両方とも所有経験がありますが、乗り心地も含めて「ゴーカート」なのはオリジナルのミニ。だってショックアブソーバーがゴムだから、ガツガツ突き上げがくる。

    BMWミニはクイックなハンドリングを再現出来ていて、ミニの正当な後継車であると思いますが、やはり現代の乗用車。オリジナルのような酷い乗り心地ではないです。
  • K.777-300
    ゴーカート気分は旧ミニだけで
    今のBMミニは普通じゃねーか。
    記者さん適当だな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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