鈴鹿サーキットを舞台に行なわれるF1日本GP。それに先立ち、日本との繋がりが深いアルファタウリのピエール・ガスリーが、日本への思い入れや熱狂的なF1ファンについて語った。
ガスリーは2016年にGP2(現FIA F2)チャンピオンに輝いたものの、2017年のF1シートの空きはなく、日本のスーパーフォーミュラにTEAM MUGENから参戦。最終的に最終戦が台風によりキャンセルになったことでタイトル獲得とはならなかったが、ルーキーながらもシーズン2勝を挙げ、日本のレースシーンに強い印象を残した。
■ホンダのドライバーとして、鈴鹿で良いレースを……ガスリー、3年ぶりの日本GPに向け意気込み語る「日本のファンは特別。みんなの期待に応えたい」
彼がF1フル参戦を果たした2018年以降は、常にホンダ製パワーユニットユーザーとしてF1を走ってきた。現在のグリッドでは、F1での”ホンダ歴”は最長だ。
日本でレースを走ることに対してどのような思い入れがあるのか、そうガスリーに尋ねると彼は次のように答えた。
「日本は僕の大好きな国のひとつだ」
「スーパーフォーミュラ参戦中の2017年に住んでいた時から、何度も来る機会があった。そこで、日本の素晴らしさに触れることができたんだ」
「みんな、とてもリスペクトしてくれるし、誇りを持っている。お互いにリスペクトし合っている。とても綺麗だし、どこに行っても美味い食事や新鮮な食材がある」
「フランスに帰って、誰もが日本に行ってそれを経験するべきだと友達に伝えているんだ。格差の無い日本のコミュニティが何たるかを見てみるべきだとね。日本との強い繋がりを感じるし、その価値観は僕にも共有されている」
「そして日本には多くのファンがいる。来るたびに信じられないような応援を受けるよ。空港や駅、時々収拾がつかなくなるね。叫び声が聞こえたり、僕に対してものすごく興奮しているんだ。信じられないような感覚だよ。でもそういう応援を受けるのは、レースのウイークエンドに向けたモチベーションにつながる」
日本の熱狂的なF1ファンといえば、ドライバーへの様々なプレゼントでも有名。日本にも多くのファンを抱えるガスリーも、これまで多くのプレゼントや手紙を受け取ってきたという。
「すっごいたくさんもらうよ。スーツケースの中が、もらった手紙でいっぱいになるんだ」
「プレゼントで言えば、パンダをたくさんもらっている。日本のファンは、僕がパンダが好きなことを知っているから、いつもたくさんのパンダの人形をくれるんだ」
「自宅には10mくらいの長さのワードローブがあるんだけど、そこには100匹のパンダが入っているんだ」
「だから、いつもスーツケースには空きを作っておくんだ」
また、日本GPは前戦シンガポールGPからの連戦ということもあり、ドライバーのスケジュールもタイト。週末に向けてチームのプロモーションやメディア取材に大忙しのガスリーだったが、日本到着後に東京でカラオケを楽しむことはできた。
「数年前、スーパーフォーミュラに来ていた時に、カラオケに行ったんだ。レッドブルジャパンの人たちとも行った。でも、再びチャレンジする機会がなかったんだ」
「それで『ユウキ、僕をカラオケに連れてってよ。僕より日本は馴染みがあるだろう?』って言ったんだ。それでふたりでパーティーを開いて、すごくロマンティックな歌をユウキと歌った。とても楽しかったよ」
ちなみに、ガスリーと角田がカラオケで選んだのはアデルの代表曲『Hello』。別れた相手に向けた歌詞である歌が故に、来季はアルピーヌへ移籍するのではないかと噂されているガスリーへの”別れ”を意味するのではないかという推測もあったが、その選曲にそうした意図はないという。
「ロマンティックな歌をユウキと歌おうってなっただけなんだ」
そうガスリーは笑った。
「僕らは良い友達だし、良い関係を築けている。みんなが思いついた話をふたりで笑っていたよ」
「そういうジョークはふたりとも好きだよ。アデルのあの曲はすごくロマンティックだから、一緒に歌うにはちょうど良い曲だった。楽しんだだけで、まだ来年のことは分からないからね」
「でも、何があってもユウキとは良い関係だし、関係は変わらないと思う。とても嬉しいことだ。2年間良い時間を過ごせたし、一緒に過ごした時間を楽しんでいる。それは不変だよ」
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