英国で不足するトラックドライバー
出迎えてくれたアリ・コルクホーン氏は、少し落ち着かない様子。人柄の良いインストラクターの普段のお仕事は、メルセデス・ベンツ・トラックのカスタマー・エクスペリエンス・センターで大型トラックの操作方法などを指導すること。
【画像】メルセデス・ベンツのトラック アクトロス 欧州の働くクルマも 全55枚
だが今日の相手は、完全にトラック初心者の筆者。これまで、馬を乗せた小さなトレーラーを馬小屋まで牽引したことくらいだと話すと、少し顔がひきつったように見えた。
日本でも報じられたが、英国ではブレグジットを原因にトラックドライバーの不足が深刻化し、人材確保のため様々な取り組みが始まっている。実際、英国の物流の大部分は大型トラックが担っているのだ。
それを受け、2022年から英国でトラックドライバーになる場合、牽引式を含まない大型貨物ライセンス、HGV 2の取得が不要になる。段階を踏まず、HGV 2と統合されるHGV 1ライセンスを取得することで、総重量44tのトレーラートラックまで運転可能になる。
加えて制度の変更で、1997年以降にライセンスを取得したドライバーへは、牽引に掛かる制限も緩められる予定。トレーニングに必要な人材を確保し、トレーラートラック・ドライバーになれる人材を増やす狙いがある。
そこで筆者は、このエクスペリエンス・センターへやって来た。メルセデス・ベンツのトレーラートラック、アクトロスを運転するために。
現代の乗用車を原始的に感じさせる
今回の目的は、HGV 1ライセンス取得に最低限求められる、運転技術を体験すること。筆者はすぐに、英国の物流の一端を担うことができるだろうか。
まず用意してもらったのは、HGV 2クラスに相当する中型トラック、アクトロス。HGV 1ライセンスの取得過程には、含まれなくなったサイズだ。
コルクホーンは、トレーラートラックと通常のトラックとでは、必要なスキルが異なると話す。トレーラーを引かないトラックの運転は、それほど要求が難しくないため、今後が心配だという。
そんな彼の意見を聞きながら、デモ走行を体験する。コルクホーンは、エクスペリエンス・センター外周の一般道でアクトロスを走らせる。現代のトラックドライバーの技術を、隣で疑似体験させてもらった。
最新のアクトロスは、現代の乗用車を原始的な乗り物に感じさせる。エア圧によってブレーキが制御される。それだけでなく、シートの位置やステアリングコラムの角度も、エア圧で調整されるそうだ。
キャビンもエアスプリングで浮いており、走行中はゆっくりした周期の動きで柔らかく揺れる。300馬力を発揮する7.7Lの直列6気筒ディーゼルターボ・エンジンは、運転席と助手席の間の、キャビンのフロア下に搭載されている。
レベル2の自律運転システムも搭載
メルセデス・ベンツは、総重量18tから44tまで幅広くラインナップされる大型トラック、アクトロスのすべてにミラーカメラを採用した。ドアミラーの機能はキャビン両端の高い位置に付けられた、カメラが担う。映像はAピラー付け根のモニターへ表示される。
大きなミラーがなくなることで空気抵抗が減り、燃費は1.5%から3%も改善するという。さらに光学的なミラーより画角が広がり、死角は大幅に減らせる。雨や泥などの汚れも防げるというメリットもある。
またアクトロスには、メルセデス・ベンツが予想式パワートレイン・コントロールと呼ぶ機能が実装されている。最高速度やコーナリング時の速度を調整してくれるほか、交差点が接近すると自動的にパワーダウンさせることも可能だ。
このシステムは、高度なクルーズコントロールとも統合されている。カメラ映像を利用し、最長3.2km先の道路状態を補足することで、トラックのスピードを制御することができる。
安全性を高めるだけでなく、燃費も改善させ、エンジンの寿命も延ばせる。トラックの稼働時間を最適化させ、輸送業の経営にも貢献することになるだろう。
今回は、荷台にダミーの荷物として5tの重りを積んで走っている。ロータリー交差点へ接近し、減速するが、コルクホーンはステアリングホイールに軽く触れているだけ。
彼によれば、最新のアクトロスにはレベル2の自律運転システムが搭載されているという。安全性や経済性でのメリットは大きいはずだ。
この続きは後編にて。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
高速道路を「トラック横並び完全封鎖」で渋滞…むかつく風景が日常茶飯事な「意外な理由」とは? 逆に嫌がらせしたら「免許返納」レベル! 思わぬ「うっかり交通違反」にも注意
日産復活のカギはやっぱり[新型マーチ]!? ヤリスやフィットを超えるコンパクトカー誕生なるか!? 2025年度に発売確定!
インテグラなのにおっさんセダン! マークXなのにFF!! 名前は「名車」中身は「迷車」なクルマ4選
発表5日で受注停止! 瞬時に5万台のバックオーダーを抱えたスズキ新型「ジムニーノマド」はいつ買える? じつは“意外や早く受注再開”されるかもしれない その理由とは
首が折れるかと思うほどのロケットダッシュ! EVって軒並みもの凄い加速力だけど公道でも本当に必要?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント