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【次期エクストレイルの北米版】日産ローグ SV AWDへ試乗 オンロード性能を向上

掲載 更新 10
【次期エクストレイルの北米版】日産ローグ SV AWDへ試乗 オンロード性能を向上

ひと回り小さくなったボディサイズ

text:Graham Heeps(グラハム・ヒープス)

【画像】次期エクストレイル 日産ローグ 欧州の競合SUVと比較 全154枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


ミドルサイズのSUV、ローグは北米市場では日産最多の販売台数を稼いでいる。ライバルとなるのは、この地でも変わらずホンダCR-VやトヨタRAV4たち。

日本や欧州市場ではエクストレイルという名で販売され、複数から選べるパワートレインと7シーターも可能な実用性という特長を持つ。AUTOCARの読者にも、馴染みのあるモデルだと思う。

既に北米市場では、ルノー・日産・三菱のアライアンスで生み出されたCMF-Cプラットフォームを採用する、新型ローグが2021年初頭から走っている。2022年の夏には、エクストレイルという名で英国にも上陸予定だ。

ローグの場合は5シーターだが、次期エクストレイルでは折り畳みできる3列シートも選べる予定。今回は一足早く、日産ローグの方を試乗してみたい。

ニューモデルとしては珍しく、日産ローグは先代より38mmも全長が短い。全高もわずかに低められている。

スタイリングは、先代からの共通性を感じさせる。ルーフラインは緩やかにスロープし、Cピラーは中折れのキックラインが入る。しかし全体の造形は、四角味を増している。

北米仕様では、日産ローグに搭載されるエンジンは2.5Lの直噴4気筒ガソリンのみ。英国には導入されていない従来のエンジンより、馬力とトルクがわずかに上昇した。

次期エクストレイルには、シリーズ方式のeパワー・ハイブリッドが積まれる予定だという。ローグにもいずれ積まれるのかもしれないが、確認は取れていない。

スマートで質感の良いインテリア

試乗したカナダの場合、ローグの75%が四輪駆動。試乗車も四輪駆動で、SVと呼ばれるトリムグレードが選ばれていた。前輪駆動も選択可能で、雪の多くない地域では人気の選択肢になるだろう。

一新された見た目はシャープさを増した。トヨタRAV4ほど強い特徴があるデザインとはいえないが、雰囲気は近いと思う。

試乗したローグは近年の流行色の1つ、ボルダーグレーに塗られていた。暗いスモークの入ったプライバシーガラスや鋭角のライトなどと、きれいなコントラストを生んでいる。

SVグレードということで、インテリアの雰囲気は全体的にダークグレー。もう少し色味があっても良いと思うが、見た目はスマートだ。部品同士の組み立て品質などは高く、レザーシートは快適。

欧米体型の場合、フロントシートの背もたれはもっと幅広い方が座り心地が良く感じられるだろう。リアシート周りは頭上も足もとも空間が広く、荷室も大きい。

運転席に座ってみると、すべての操作系の配置は良好。エアコンなど頻繁に触れるスイッチ類は、タッチモニターに集約されることなくダッシュボードに残された。

タッチモニターは従来よりサイズアップし、9.0インチ。ダッシュボードから立ち上がるように据えられ、ドライバーは視線移動を最小限に操作できる。

インフォテインメント・システムとしては音声認識機能を搭載し、アップル・カープレイとアンドロイド・オートにも対応。ローグの場合、グーグル・マップも利用可能だ。

先代から向上したオンロード性能

最新の日産ローグで走り出してみると、アップデートを受けたCMF-Cプラットフォームを採用し、オンロード性能が向上していることがわかる。加えて新しい電動パワーステアリングも獲得している。

ステアリングの操舵感は、驚くほどにクイックでシャープ。過剰なアシストは抑えつつ、従来以上に手応えのある、信頼できるフィーリングが得られている。改良のメリットといえるだろう。

サスペンションの取り付け剛性も高められたという。リアは新しいマルチリンク式を採用した点もポイント。ステアリングを切ると、正確にクルマは向きを変えていく。

舗装が荒れた路面を通過しても、乗り心地は落ち着きを失いにくい。ロールやピッチといった、姿勢制御にも優れている印象だ。

1つ残念に感じたのが、ハンコック社製のオールシーズンタイヤが生むロードノイズ。ホイールは18インチと特に大きいわけではないものの、かなりはっきりと車内に伝わっていた。

ただし欧州仕様や日本仕様のエクストレイルでは、市場特性に合わせてサスペンションは再調整を受けるはず。タイヤの銘柄も変わってくるだろう。

2.5Lの4気筒自然吸気エンジンは特に興奮を誘うタイプではないが、必要な時に不足ないトルクを生んでくれる。トランスミッションはCVTだが、不必要にノイズを発したりすることもなかった。

高い競争力を発揮する可能性

シフトノブはバイワイヤ。センターコンソールは2層式になっていて、浮いたシフトノブの下側には、便利そうな小物トレイがレイアウトされている。

スポーツ・モードを選択し、ステアリングホイールに取り付けられたパドルを弾けば、CVTは擬似的な変速を表現。ステアリングの重さは増し、アクセルレスポンスは鋭くなり、気分を盛り上げてくれる。4月のカナダでは、四輪駆動がありがたいと感じた。

次期日産エクストレイルの正確な仕様はまだ確認できていない。しかし、間もなくのリリースに向けて、充分に期待できる内容は備えているといえるだろう。

恐らく次期エクストレイルでも、乗り心地やハンドリングは先代より明確にブラッシュアップされるはず。eパワー・ハイブリッドと組み合わされば、日産を強力に牽引してくれるに違いない。パッケージングにも優れ、高い競争力を発揮することになりそうだ。

日産ローグ SV AWD(北米仕様)のスペック

英国価格:2万6000ポンド(390万円/予想)
全長:4648mm
全幅:1838mm
全高:1689mm
最高速度:193km/h(予想)
0-100km/h加速:8.2秒(予想)
燃費:12.0km/L
CO2排出量:195g/km
車両重量:1608kg
パワートレイン:直列4気筒2488cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:183ps
最大トルク:24.9kg-m
ギアボックス:CVT

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みんなのコメント

10件
  • 今日も日本のユーザーを執拗に逆撫でさせる
    海外版エクストレイル自慢。
  • 昔、初代のトレイルに乗ってましたが…

    形はさておき大きさはまぁいいかと思いますが、2.5や値段を考えるとターゲットは何処なんでしょうか?
    家は今チビや年寄りもいて、乗降しやすく人数乗れる同じ2.5のミニバンに乗ってますが、まずこのトレイルは無いですね。
    そして、初代を乗ってた当時この車が有ったとしても無いかな。
    若かった時は2.5もいらないし、値段や維持費を考えると買わないかな。
    ちょっと中途半端ですね…。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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