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「GT-Rキラーの名に賭けて」パルサーGTI-Rに560馬力の強心臓を与えた直線番長!【OPTION back number】

掲載 更新 82
「GT-Rキラーの名に賭けて」パルサーGTI-Rに560馬力の強心臓を与えた直線番長!【OPTION back number】

ストリート兼ドラッグレース仕様として育てられたRNN14型パルサーGTI-Rの登場だ。排気量アップ+ビッグタービン+NOSというトリプルコンボで560psを絞り出すフルチューンスペック、その乗り味は超が付くほどのジャジャ馬だ。(OPTION誌2004年12月号)

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「GT-Rキラーの名に賭けて」パルサーGTI-Rに560馬力の強心臓を与えた直線番長!【OPTION back number】

ミッションはもはや消耗品!怒涛の加速で終速は軽く200km/hオーバー!

SR20DET改2.1LにT67タービンを合わせたドラッグスペシャル

デビュー当時、2.0Lクラス最速を誇り「GT‐Rキラー」とまで呼ばれたパルサーGTI‐R。WRCのベースマシンとして開発されたモデルだが、思うような戦績を残せなかったばかりか、チューニングの世界でも直後に登場するランエボ&インプレッサに主役の座を奪われてしまう。

そんな汚名を返上するべく製作されたのが今回の主役だ。秋田県のリトルモンスターが手がけた渾身のドラッグスペシャル、9秒台突入を目論む“小さな巨人”の中身を見ていこう。

まず、SR20DETエンジン本体は耐久性を高めるためアペックスの強化スリーブを組んだ上で、1mmオーバーサイズとなるHKS87φピストンによって2.1L化。ヘッドには東名パワードのハイカム(IN&EX272度 12.5mmリフト)を投入し、燃焼室やポートにも手が入る。

また、ロッカーアームを原因としたトラブルは、WPC加工で強度を高め、半年に一度はセット長をチェックすることで防いでいる。

組み合わせるタービンはT67。トラストの42.5φEXマニを介して装着し、ウエストゲートはトラストRタイプをセット。ブースト圧1.8キロ時に480psを発生する仕様だ。

さらに、タービンのアシスト用としてNOSも搭載。ドライショット方式でインテークパイプにノズルが打ち込まれる。これによるエクストラパワーは80ps、噴射時は560psに達しているというわけだ。

なお、NOSはブースト圧1.3キロ以上、エンジン回転数4000rpm以上、アクセル開度98%以上という3つの条件が揃うと、F-CON Vプロがリタードマップを読みはじめて噴射される。ドライバーはスタート前にメインスイッチを入れるだけの完全自動制御だ。

ちなみに、左右ボンネットダクトには、NOSの配管内に溜まったエアを抜いてN2Oを効率良く噴射させるためのパージバルブがセットされる。ワイルドスピードに憧れて装着したそうで、スタート前のパフォーマンスにも使えるパーツだ。

燃料タンク内のポンプはニスモ製に交換、ハイブースト時の燃圧低下対策としてボッシュ製ポンプを追加する。それぞれ別のラインで燃料を送り、デリバリーパイプの直前で1本にまとめられる。コレクタータンクを使わない代わり、常に燃料タンクには半分以上ガソリンを入れておくことで空打ちを防ぐ。

ストリートではビーレーシングのメインサイレンサーを使ったオリジナルデュアルマフラーを装着。リヤメンバーの下を通し、できるだけストレートにメインパイプをレイアウトしたため、出口が左側に変わっている。

一方、ドラッグ専用コースでは、ワンオフのサイドマフラーに付け替え。もちろんクローズドステージなので排気効率重視のフルストレート仕様だ。

500psをオーバーした途端ブローすることが増えたミッションは、これまで数え切れないほど載せ換えられてきた。ブローの原因は容量不足というより、アクセルオンに対してエンジンが大きく振れ、ミッションケースがねじれることで本来噛み合っているギヤがナメてしまうところにあるようだ。

「グループAマシンで使われていた6速シーケンシャルドグを組み合わせる予定で、それにより問題は全て解決するはず」とのこと。

サスペンションには、アペックスが少ロット生産したN1ダンパードラッグバージョンを装着。スタート時の荷重移動を最適化することでトラクションを稼ぎ、後半の高速域における直進安定性も十分考慮したセッティングが施される。バネレートは前後とも6kg/mmだ。

室内は、セーフティ21の5点式ロールバーとニスモタワーバーが装着されているのみで、それ以外これといった補強はなされていない。軽量化についてもリヤシートを外しているくらいで、ボディはほぼノーマル状態だ。

あくまでもストリート仕様のため、エアコンやオーディオは残されている。ステアリングコラム左側のプッシュボタンはミスファイアリング用、オーディオ下の赤いボタンがNOSのパージ(エア抜き)用、F-CON Vプロ側面に付くのがNOS制御用と、ドラッグマシンならではの各種操作スイッチがさりげなく装着される。

アフターパーツがなく、純正流用でローギヤード方向にしか振れないミッションのギヤ比とファイナル比。現実的には純正ミッションと純正ファイナルを使わざるを得ないため、タイヤサイズが実質的なギヤ比を決める大きなポイントになる。

リトルモンスターでは様々なサイズを試した結果、標準装着タイヤと外径が同じ225/40-16に落ち付いた。それが4速8200rpmで終速200km/hをオーバーする唯一の組み合わせだ。

ホイールはエンケイレーシングSの16インチ7J+32。タイヤはニットーのNT555Rを合わせる。エクステリアは、フロントにリップスポイラーを備えている程度のシンプルなもの。フロントに覗く大型のインタークーラーはBCNR33純正を加工装着したものだ。

テストドライブを担当したDaiこと稲田大二郎は「レブ8000rpmまでの吹け上がりは実にスムーズ。シフトアップ後の加速感にも切れ目がない。これはNOSのセッティングが決まっていて、全体的にパワーとトルクが底上げされている証拠なのだろう。ただし、真っ直ぐ走らせることすら大変だよ(笑)」とコメント。

ホイールベースの短いパルサーでここまでのパワーを絞り出すと、全開加速で車体が左右に暴れる。ドライバーにはそれを抑え込んでアクセルを踏み抜く技術と根性が要求される、まさに乗り手を選ぶ本物のジャジャ馬というわけだ。(※リトルモンスターは現在閉店しています。)

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みんなのコメント

82件
  • 今の車に比べて、市販車でこんなじゃじゃ馬みたいな車がいた1990年代は本当によかったなぁ…。
  • 吊るしでも曲がらない直線番長だったよな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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