現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > ERC:第7戦は弱冠20歳の若手が制す。最終戦を前にシリーズチャンピオンも確定

ここから本文です

ERC:第7戦は弱冠20歳の若手が制す。最終戦を前にシリーズチャンピオンも確定

掲載 更新
ERC:第7戦は弱冠20歳の若手が制す。最終戦を前にシリーズチャンピオンも確定

 欧州選手権でありWRC世界ラリー選手権への登竜門でもあるERCヨーロッパ・ラリー選手権の第7戦PZMラリー・ポーランドが9月21~23日に開催され、ERCジュニアU28登録の20歳、ニコライ・グリアシン(シュコダ・ファビアR5)が高速グラベル戦を制してキャリア2勝目をマーク。一方、選手権リーダーとして参戦した“ロシアン・ロケット”ことアレクセイ・ルキヤナク(フォード・フィエスタR5)はレグ1でクラッシュしたものの、ランキング2位のブルーノ・マガラエス(シュコダ・ファビアR5)が不出走となったため、イベント終了を待たずにドライバーズチャンピオンを手にした。

 今年で75回目の開催を迎えたラリー・ポーランドは夕闇迫る金曜のスーパースペシャルステージ、WRCでも使用されたミコワイキ・アリーナで開幕。今季ここまで3勝、2位表彰台1回とシーズンをけん引してきたルキヤナクが、落ち着き払ったマシンコントロールでまずはトップタイムを刻み、ラリーリーダーの座について土曜からの本格ステージに挑むこととなった。

WRCドライバーのソルドがERCデビュー戦のチェコで総合3位。「困難なラリーをやり遂げた」

 しかし、明けた土曜オープニングのSS2で早速首位が入れ替わり、ベストタイムを叩き出したのはERCジュニアU28のトップランナー、グリアシン。続く高速ナローステージのSS3でも首位タイムとなり、20歳の新鋭が操るファビアR5は、その後SS7まで連続ベストという驚異的な走りを披露する。

 一方、ライバルのポルトガル人が参戦を見合わせ、イベント前に戴冠が決まった37歳のルキヤナクは「それでもラリーは全開で行く」と決意を語ってSS3に挑んだものの、道幅の狭い超高速グラベルで攻めすぎたせいか、わずかにオーバーステアが発生。

 そのままバンプ越えのジャンプスポットに姿勢を乱したまま突入し、着地でライン取りがワイドになると速度を落とせぬまま右リヤを立木にヒット。レグ2の再出走も絶望的となるダメージを負い、そのままリタイアとなってしまった。

 これで初日首位はスポーツ・レーシング・テクノロジーのファビアR5を駆るグリアシンとなり、わずか3.1秒差の2番手にはSS5でグリアシンと同タイムベスト、さらにレグ1最後の2ステージでベストタイムを奪い返したヤリ・フッツネン(ヒュンダイi20 R5/BRCレーシング)がつけ、昨季はジュニアU27のタイトルを争った経験を生かし、今季はプレテストに未参加ながらも驚くべきスピードを披露してみせた。

「最後の2ステージは難しかったし、ERCジュニアU28のタイトル争いに集中していたこともあって、そこまでプッシュしなかった」と、サービスで振り返ったグリアシン。

「おそらくペースは現状でも充分だと思うが、まだ分からないね。フッツネンはプッシュしてくると思うけど、僕たちは反応しないつもりだ。いいポジションでラリーを終えて最終戦に向かうのが最大のタスクだからね」
 続く11秒離されての3番手には、先のWRCトルコ戦にもWRC2で参戦したクリス・イングラム(シュコダ・ファビアR5)が続き、昨季のU27争いのチームメイトを追走。その背後にシュコダ・オート・ドイチェランドの支援を受けるファビアン・クルム(シュコダ・ファビアR5)が1.7秒差で続くオーダーとなった。

 迎えたレグ2は全6ステージ、97.90kmの勝負となる中、前日の予測どおりグリアシンとフッツネンが激しいタイムバトルを展開。

 とくに午後のループ3SSではフッツネンが連続ベストを奪うも、SS14でレイトチェックインとなり10秒加算のペナルティ。挽回を期した最終SS15ではリヤバンパーとスポイラーを失い、左リヤがパンクするほどハードなアタックを見せるも、8.3秒届かず。

 グリアシンがU28エントリーながら総合優勝を決め、総合登録のフッツネンが2位。同じく3位に入ったイングラムは、ジュニア登録外のオーバーオールで初となる表彰台を獲得した。

「クラッシュ後にチャンピオン獲得の感想を語るのはちょっと奇妙な感じもするけど、僕自身とチーム、そしてスポンサーにとって本当に良い結果になった。これはものすごく大きなステップを意味するよ」とラリー後に語った新王者のルキヤナク。

「昨季は大怪我でシーズンを棒に振ったし、ときにはオーバードライブでコントロールを失うこともある。でも、充分な練習期間もないなかで良いペース、良いフィーリング、良い雰囲気を維持し、こうして良い結果でシーズンを終えることができた」

「もちろん、予算の関係でここに来られなかったブルーノ(マガラエス)には申し訳ない気分だけれど、競争は本当に激しかった。僕らにとって本当にタフなシーズンだったけど、今はパーティを心から楽しみたい気分だ」

 続くERCの2018年シーズン最終戦は、10月12~14日開催の東欧ラトビア、ラリー・リエパヤが舞台。当初は雪と氷のウインターラリーとして開催されてきたが、2016年から開催時期を秋に変更。高速グラベルステージで今季最後の勝負が繰り広げられる。

こんな記事も読まれています

早期スタートに終盤遅延。雨対策で6時間超のウエットタイヤ戦をトヨタのベルが制覇/NASCAR第18戦
早期スタートに終盤遅延。雨対策で6時間超のウエットタイヤ戦をトヨタのベルが制覇/NASCAR第18戦
AUTOSPORT web
“直6”×MT設定あり! 新型「“コンパクト”クーペ」公開! 後輪駆動“継続採用”でめちゃ楽しそうな「M2」独で登場
“直6”×MT設定あり! 新型「“コンパクト”クーペ」公開! 後輪駆動“継続採用”でめちゃ楽しそうな「M2」独で登場
くるまのニュース
WRC最高峰デビューのセスク車が公開。母国ラトビアカラーのフォード・プーマ・ラリー1は初のノンハイブリッドに
WRC最高峰デビューのセスク車が公開。母国ラトビアカラーのフォード・プーマ・ラリー1は初のノンハイブリッドに
AUTOSPORT web
イース・コーポレーションが露チェルノフケーブルのデジタルケーブル2アイテムを販売開始
イース・コーポレーションが露チェルノフケーブルのデジタルケーブル2アイテムを販売開始
レスポンス
車名の由来は「セクシー」&「エレガント」! 日野「セレガ」の最新モデルが最新技術のるつぼだった
車名の由来は「セクシー」&「エレガント」! 日野「セレガ」の最新モデルが最新技術のるつぼだった
WEB CARTOP
厳選値引き実例 X氏の値引き特報
厳選値引き実例 X氏の値引き特報
グーネット
『バルセロナで速ければどこでも速い』はもう幻想? F1マシンの実力テストコースと言われた評価にドライバー疑問符
『バルセロナで速ければどこでも速い』はもう幻想? F1マシンの実力テストコースと言われた評価にドライバー疑問符
motorsport.com 日本版
40歳になっても大丈夫。フェラーリF1代表、来季加入のハミルトンに全幅の信頼「チャンピオン経験者のノウハウが、我々には重要」
40歳になっても大丈夫。フェラーリF1代表、来季加入のハミルトンに全幅の信頼「チャンピオン経験者のノウハウが、我々には重要」
motorsport.com 日本版
“鏡”タイプの「ルームミラー」は時代遅れ!? カメラで後方を映す「デジタルミラー」なぜ人気なのか? 理由と装着時の「注意点」とは
“鏡”タイプの「ルームミラー」は時代遅れ!? カメラで後方を映す「デジタルミラー」なぜ人気なのか? 理由と装着時の「注意点」とは
くるまのニュース
人気のホンダ「モンキー125」が大変身! 改造なしに名車「CB750F」風にカスタムできる!! 気になる各種パーツの出来栄えとは?
人気のホンダ「モンキー125」が大変身! 改造なしに名車「CB750F」風にカスタムできる!! 気になる各種パーツの出来栄えとは?
VAGUE
カーインテリアデザイナー団体JAIDとワールド、廃材ファッションショー「HORUMON NIGHT」を青山にて開催
カーインテリアデザイナー団体JAIDとワールド、廃材ファッションショー「HORUMON NIGHT」を青山にて開催
レスポンス
ホンダ、N-VAN e:は、仕事も趣味も”使える”盤石のEV性能 
ホンダ、N-VAN e:は、仕事も趣味も”使える”盤石のEV性能 
driver@web
レッドブルのお膝元でフェルスタッペンの連勝は続く? 角田裕毅所属のRBは復活なるか|F1オーストリアGP DAZN配信スケジュール
レッドブルのお膝元でフェルスタッペンの連勝は続く? 角田裕毅所属のRBは復活なるか|F1オーストリアGP DAZN配信スケジュール
motorsport.com 日本版
車検の更新、「2か月前」からに拡大 2025年4月から変更 国土交通省
車検の更新、「2か月前」からに拡大 2025年4月から変更 国土交通省
グーネット
[音響機材・チョイスの勘どころ]「単体サブウーファー」の細かなスペックの見極め方を解説!
[音響機材・チョイスの勘どころ]「単体サブウーファー」の細かなスペックの見極め方を解説!
レスポンス
【MotoGP】マルク・マルケス「今のMotoGPは長期キャリアが難しい」なお当人は来年13年目に突入
【MotoGP】マルク・マルケス「今のMotoGPは長期キャリアが難しい」なお当人は来年13年目に突入
motorsport.com 日本版
天候不良の中、ドライバーたちは何を訴えていた? スーパーフォーミュラ第3戦SUGO、レース当日の無線交信を振り返る
天候不良の中、ドライバーたちは何を訴えていた? スーパーフォーミュラ第3戦SUGO、レース当日の無線交信を振り返る
motorsport.com 日本版
ホンダの「V型10気筒エンジン」搭載スーパーカー!「“NSX”後継車」指名された本気の「超ロングノーズ」モデルに反響あり!
ホンダの「V型10気筒エンジン」搭載スーパーカー!「“NSX”後継車」指名された本気の「超ロングノーズ」モデルに反響あり!
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村