ローマと英国の一般道で出会う
text:Andrew Frankel(アンドリュー・フランケル)
【画像】フェラーリ・ローマ 競合ハイパフォーマンス・モデルと比較 全150枚
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
フェラーリの新モデル発表会。客観的にクルマを捉えなければならないが、これが少々難題だったりする。
通常の会場はイタリア北部。素晴らしいおもてなしがあり、一般道のコースは工場周辺。路面は不思議と毎回ドライで、伝説のテストコース、フィオラノも走れる。
それではもの足りないと感じる記者のために、モンタナと呼ばれるレストランでディナーも味わえる。その美味しいパスタだけでも、飛行機に乗る理由になり得るほど。こんな発表会で試乗する新しいモデルを、許容できないクルマだと感じ取ることは難しい。
しかし、今回は別条件。8月の陽気なイタリアで予定されていたイベントは、日程が合わず参加できなかった。結果として2020年にローマへ対面したのは、寒い12月のイングランド南部になった。
道路は空いていることの方が珍しい。それと同じくらい、晴れることも珍しい。昼食は、プレートの上のイタリアンではなく、袋に詰めたサンドイッチだ。
でも筆者はまったく悲しく感じなかった。見知らぬ数百人の人とともに、飛行機に乗って数時間を過ごす必要はない。むしろ現実的な英国の地で、真新しいフェラーリを試乗するという事実には、かなりの説得力がある。
英国の一般道でフェラーリ・ローマが良く走るのなら、どんな道でもうまく走れるはず。フェラーリにとってはアウェイといえる国。この地で強さを示せれば、実力の高さが導き出される。
5速でもウェットならホイールスピン
今回運転したのはグッドウッド周辺で、初めはサーキットから。良く走ったが、600馬力以上ある後輪駆動車だから、濡れた路面での運転は忙しなくて当然。
英国随一のスピードとスリリングさを兼ね備えるサーキットをウェットで走るなら、忘れないでおきたい知恵がある。電子制御のセーフティー・システムは、切らない方が良い。
近年のフェラーリが用意するトラクション・コントロールやスタビリティ・コントロールは、一二を争うほどに優れている。マネッティーノ・コントローラーを、ウェットかコンフォート・モードにしてみて、その優秀さがよく分かった。
とてもクリーンに、控えめな速度でサーキットを周回するローマ。電子システムがスリップ量を検知し、手に負えなくなる前にクルマをなだめてくれる。
スポーツ・モードを選んでも、あまり満足感は得られない。多少のテールスライドは許すものの、必要以上は許容してくれない。我慢できずにレース・モードに入れると、途端に慌ただしい操作が必要になる。
初めは、自らのスキルでコース上に留めておけると感じた。だがグッドウッドはエスケープ・ゾーンが狭い。濡れた草地はかなり滑る。コースオフすると、すぐ先には事故が待っている。攻めた走りはしないことにした。
フェラーリ・ローマは、5速でも路面が濡れていればホイールスピンしてしまう。うっかりすると、人口を減らすことにもなりかねない。サーキット走行はほどほどにして、公道へ出た。
グランドツアラーなのか、スポーツカーなのか
英国の一般道を走るなら、マネッティーノはバンピーロード(荒れた路面)・モードを選ぶ必要がある。英国のありふれた道を走るなら、欠かせないモードだろう。走りながら、1つの疑問への答えを考えた。
フェラーリ・ローマは、ベントレー・コンチネンタルGTのようなグランドツアラーと、マクラーレンのようなスポーツカーとの、間のどこかに位置している。その、どの辺りに該当するのかという答えだ。掴むまでには、少し時間が必要だった。
ローマは、フロントエンジンで2+2のレイアウト。GTC4が終了となったから、フェラーリとしては唯一の、定員4名のFRモデルとなる。
2023年にSUVと呼ばれたくないマラネロ製の長距離モデルが登場するまで、グランドツアラー的な役割を受け持つことになる。恐らく、フェラーリでは一番一般道に近いところにいる、ポルトフィーノの兄弟ともいえるだろう。
インテリアはとてもラグジュアリー。もちろん無数にあるオプションへ、どれだけお金を投じるかで仕立ては大きく変わってくる。車内から感じ取れる熱気度も、違ってくる。
ブレーキキャリパーを黒く塗るだけで、英国では1296ポンド(18万円)が必要。ベンチレーション機能をフロントシートに付けるには4416ポンド(62万円)、アップル・カープレイを使うには2400ポンド(33万円)が求められる。
旅行用バッグの固定金具に4512ポンド(63万円)、荷室をカーボンファイバーで仕上げるには3360ポンド(47万円)を用意すれば良い。ここで想像するだけなら、楽しい。
この続きは後編にて。
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