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VW傘下セアト 自動車製造は「継続」の方針、都市型EVを発売か

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VW傘下セアト 自動車製造は「継続」の方針、都市型EVを発売か

都市型EVに注力?

スペインの自動車メーカーでフォルクスワーゲン・グループ傘下のセアト(Seat)は、今後10年以内に自動車製造から撤退すると報じられていたが、コンパクトな都市型EVを新たに導入する可能性が高い。

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セアトのトーマス・シェーファー会長は昨年、本誌の取材に対し「セアトの未来はクプラにある」と語り、乗用車からモビリティ・ソリューションへ軸足を移す姿勢を示していた。クプラはセアトから独立したサブブランドであり、主力の交代とも捉えられる発言だった。

電動化が推奨される欧州市場で、セアトの販売するEV(電気自動車)は電動スクーターの「Mo」1車種のみ。グループのエントリーモデルを担うセアトだが、近年は新型車の発表も少なく、むしろサブブランドのクプラの方が精力的に活動しているように見える。

シェーファー会長は、現在のラインナップは製品ライフサイクルが終わるまで生産されるが、その後の「異なる役割」を探っているとした。

セアトの英国部門責任者であるマーカス・ゴッセン氏は、ブランドはまだ成長を続けており、「(フォルクスワーゲン)グループにとって適切なエントリーレベルを保つために努力しており、その先導役がスペインのセアトSAなのです」と語った。

乗用車の生産を続けるとすれば、Aセグメントの小型EVが主力になると考えられる。フォルクスワーゲンは現在、新型「ID.1」を開発中で、そのセアト版が導入される可能性が高い。スケールメリットを活かせば、競争力ある価格設定も実現できる。

ゴッセン氏は「現在のところ、セアトのEV製品に関する声明はありません」と明言を避けたが、「ID.1では、(技術を)共有することで初めて機能します」と語った。

ID.1の兄弟車として、2万ポンド(約380万円)を大きく下回る価格が期待される。コストを抑えるために大型車載スクリーンや長大な航続距離は見送られるだろう。

一方のクプラは、BセグメントのフォルクスワーゲンID.2をベースにしたEVを発売予定だが、スポーティかつ高級志向のブランドであるため、2万ポンド以下のエコノミーカーは実現しそうにない。

エンジン車は「改良」で対応か

セアトは1950年に当時のフランコ政権のもと、スペイン政府やフィアットの出資によって創設された。1953年に自動車製造を開始し、1993年にはフォルクスワーゲン・グループの完全子会社となった。

セアトの現在の乗用車ラインナップは、イビサ、レオン、レオン・エステート、アローナ、アテカ、タラッコで構成されている。

ゴッセン氏によると、現行モデルの寿命を延ばすことも検討中で、コストの大きいフルモデルチェンジではなく、改良により新鮮さを保つという。

例えば、Cセグメントのレオンは、兄弟車フォルクスワーゲン・ゴルフに続いて年内に大幅改良が予定されている。アテカは販売開始から約8年が経過しているため、アップグレードの機は熟している。

現在のところ、イビサの需要は供給を上回っているとされ、ブランド全体の販売は今年増加するとの予測もある。

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