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新世代のWorldRX電動クラス『RX1e』開幕戦は、まさかの“ストール”から大逆転の王者ヨハンが勝利

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新世代のWorldRX電動クラス『RX1e』開幕戦は、まさかの“ストール”から大逆転の王者ヨハンが勝利

 WorldRX世界ラリークロス選手権で、今季2022年より導入される電動最高峰クラス“RX1e”がついに開幕。8月13~14日にノルウェー・ヘルで開催されたオープニングイベントでは、フォルクスワーゲン・ディーラーチーム・バウハウスから参戦する“絶対王者”ヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲンRX1e)が、貫禄の初代ウイナーに。セミファイナルのスタートでは一瞬マシンが動かず、電動車両でまさかの“ストール”を喫した4冠王者が、初日同率首位に立った宿敵ティミー・ハンセン(ハンセン・ワールドRXチーム/プジョー208 RX1e)を降している。

 本来7月末のドイツ・ニュルブルクリンクでの開幕戦を予定していた新生RX1eだが、世界的サプライチェーンの混乱やさらなる準備期間のため延期が決定。代わって8月13~14日にスケジュールされていたノルウェーのヘル戦が、新たなオープニングイベントに指定された。

クリストファーソン率いるKMSが体制確定。電動化新時代のRX1eに向け2名の若手を起用/WorldRX

 その前夜祭として8月11日夜にトラック近郊スチェールダルで実施された公開プレゼンテーションには、ツインモーターを搭載する500kW(約680PS)/880Nmを発生する新世代車両がファンの前に姿を現し、WorldRXで4度のタイトル獲得経験を持つクリストファーソンを筆頭に、各ドライバーも「今日の主役はマシンだ」と、新たなシーズンへの意気込みを語った。

「今週末、ついにWorldRXの新たな電動化時代が始まるのは素晴らしいこと。僕も数日前に初めてこのクルマをドライブしたけど、ファンはそのパフォーマンスとスピードに驚くと思うよ。新シーズンに向け、これほど興奮したことはめったにないし、忘れられないシーズンになることは間違いないだろうね!」と、今季はファミリーチームのクリストファーソン・モータースポーツ(KMS)からエントリーするクリストファーソン。

 一方、同じく北欧地域のSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権のトップチームとして戦い、この電動化新時代への移行に合わせてラリークロスへの参入を表明したPWRレーシングは、新たにコンストリュクシオン・イクイップメント・ディーラーチーム(CEディーラーチーム)として、ニクラス・グロンホルムと、シリーズ史上初の女性レギュラーとして、22歳のクララ・アンダーソンを起用する。

「世界選手権での最初のシーズンを始めることにとても興奮している。そのスタート地点としてヘルはなんて最適な場所! ここは象徴的なラリークロス・トラックだし、ノルウェーではこのスポーツへの熱意が非常に高いことが伝わってくる」と続けた隣国出身のアンダーソン。

「私は明らかに今年のルーキーで、目の前に大きな挑戦があることを充分に認識しているけれど、同時にそれは大きなチャンスでもあり、もちろんそれを両手で掴むつもりよ!」

 そうクララが語るとおり、3年ぶりのWorldRXカレンダー復帰を果たしたヘル戦は、初日からランケバーネンのトラックでチャンピオン同士がワン・ツーを奪い合う白熱の勝負が展開される。最初のFP1からスーパーポール、そしてヒート1、2と続いた4セッションすべてでヨハンとティミーが首位を分け合い、ポイント同率で初日を終えることとなった。

「今日はとても良い1日を過ごした。もちろん、土曜のヒートで週末のすべてが決まるわけじゃないし、これは長いシーズンの初日に過ぎないから、まだ学ぶべきことはたくさんある」と続けた2019年王者のティミー。「何よりも、クルマがこうして機能していることに満足しているよ。信頼性が高く、見栄えというか、ルックスも良いよね(笑)。そしてコースに出るたびに、僕らは速くなり続けているんだ……」

■ファイナルで首位浮上に成功した4冠王者が宿敵に対し完勝を飾る
 明けた日曜はウォームアップからのヒート3とプログレッションを経て、セミファイナル1、2で最終5台に絞り込まれるなか、クリストファーソンが午前のヒート3でランケバーネンのコースレコードを更新。さらに前日3番手だったケビン・ハンセン(ハンセン・ワールドRXチーム/プジョー208 RX1e)を仕留め、プログレッション・レースも制してみせる。

 しかしセミファイナル1でまさかの事態に陥った“フォー・タイムス・チャンピオン”は、シグナルライトが消えた瞬間にクルマが反応せず。ライバル陣に先行される展開の末になんとか挽回を期したものの、僚友オーレ・クリスチャン・ベイビー(KMS/フォルクスワーゲンRX1e)に次ぐ2位が精一杯となる。

 この結果、クリストファーソンはいつものポールポジションではなく、セミファイナル2を勝ち上がったグロンホルムやクララ、そして宿敵ティミーらに挟まれ、ファイナルを3番グリッドからスタートする窮地に陥る。

 しかし、そのファイナルでは「2度同じミスはない」と言わんばかりに、早くも電動化時代のポイントを掴んだかのような動きで不利な立場をすぐさま転換。スタートで“3ワイド”を演じたクリスチャン・ベイビー、グロンホルム、そしてティミーの背後から、ターン1出口でラインを交錯させつつトラクション勝負を仕掛ける。これですぐさま首位浮上に成功した4冠王者が、宿敵に対し5周で3.692秒のマージンを築いて完勝を飾る結果となった。

「総じて、WorldRX電動化時代の最初の週末は、非常に良いものになった。トラックで多くのファンを見ることができてうれしかったよ」と、余裕のコメントを残した電動化初代ウイナーのクリストファーソン。

「ここまで到達するのは誰にとっても大きな挑戦であり、すべてのチームがここにいるだけで信じられないほどの仕事をして来たんだ。すべてが非常に新しいし、やるべきことは山積みだが、事前のテストをほとんど行わず、クルマがどれだけうまく機能したかを見れたのが印象的だった」

「僕らKMSとしても1-3でフィニッシュし、両方のチャンピオンシップをリードできたのは素晴らしい結果だ。セミファイナルの後は心底がっかりしたけど、反撃できて良かったよ。わずか30分の間にジェットコースターのような展開になり、スウェーデン人として感情が大きく揺れ動くことに慣れていないから……(笑)。でも勝ててうれしいよ」と、KMSのエースがWorldRXキャリア通算28勝目を手にした。

 2位ティミーと3位クリスチャン・ベイビーが占めた表彰台の背後では、デビュー戦ファイナル進出から僚友グロンホルムにも先行したクララが4位に。併催のEuroRX1ではEKSのアウディS1をドライブした地元の英雄、アンドレアス・バッケルドが王者の貫禄を示し勝利を飾っている。

 こうして無事に開幕したWorldRX電動最高峰RX1eだが、続くイベントからはダブルヘッダー戦となり、次戦は9月3~4日にラトビアのリガで第2/3戦が実施される。

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